これは私がガス会社へ就職して適応障害が診断された後に派遣業を通じて自分のやりがいのもてる仕事に就くことができた話です。
高校卒業後、ガス会社へ就職
私は2012年に高校卒業したあと、ガス会社へ就職しました。
高校が商業科ということもあり仕事は事務を希望していました。
簿記会計、ビジネス基礎、ワープロ、プログラミングなど、この3年間で取得した資格は多数。
しかし合計3社受け、ようやく内定をもらったのがこの会社1社のみでした。
内定をもらったのが高校卒業まであと2ヵ月、ということもあり(受かればどこでも良いや)と投げやりになっていたのは否めません。
しかし、ガス会社にまったく興味がないわけではありませんでした。
ガス会社とはちょっと違いますが、ガソリンスタンドの店員さんに憧れがありました。
私が小さい頃はフルスタンドがほとんどで、給油に行けば「いらっしゃいませ!」と店員さんが元気に挨拶してくれました。
両親が運転する車の後部座席からそのきびきびとした接客を見て(ガソリンスタンドの店員さんって、素敵だなあ)と思ったんですよね。
そういう理由もあり、面接時に「最初の3ヵ月は、研修としてガソリンスタンドへ配属になるから」と言われた時は嬉しさもありました。
とはいえ、最終的には事務を任されるわけです。それまでの研修ですから。
しかし、3ヵ月経っても、1年経っても、私がガソリンスタンドから異動することはありませんでした。
パワハラ、セクハラは当たり前 最悪な職場環境
ガソリンスタンドで働き始めて1ヶ月ほど過ぎた頃。
なぜ私がこの店舗に配属になったのか、徐々に明らかになっていきます。結果的にこの店舗は人手不足だった、ということではあるのですが、ではなぜ人手不足なのか。
その理由は、仕事をしていくうちに周りの人たちからちらほらと聞こえてきました。
「あの店長のせいで前の新人も辞めたんだよ」と教えてくれたのは、この店舗のマネージャー。
それに加えて「最初は優しいけど慣れてくると新人への扱いが雑になる」ということも言っていました。
そして、私がここに配属になって3ヶ月が経った頃。
マネージャーから聞いていた通り、私に対して店長のあたりが日に日にキツくなっていきます。例えばこんな感じ。
・ちょっとしたミスで1時間以上説教される
・自分がやりたくない仕事(雑用)を押しつけられる
・自分の機嫌が悪い時は八つ当たりされる
・私がミスをするとすべて上司に告げ口される
など。店長はお客さんからの評判も良くありませんでした。店長がいない時を見計らって来るお客さんさえいます。
しかし、そんな状況を分かっていながら、部長や課長は見ないフリ。
たまに店舗に来て「大丈夫か?」と私に声をかけてくれていましたが、それだけでした。
むしろ「大変だろうけど、我慢してくれ」ぐらいの感じだったと思います。
ガソリンスタンドはシフト制でしたが、店長とシフトが一緒の日は朝から憂鬱でした。
毎朝出勤して事務所のドアを開ける時は(今日、店長の機嫌いいかな)とドキドキ。家に帰ると気疲れでクタクタ。
緊張で呼吸が浅くなっているせいか、貧血のようなめまいや頭痛が毎日ありました。
しかし、当時の私は高校卒業したての新入社員。どんなことが起こっても(これが会社なんだ)と思い込んでいました。
うつの一歩手前 適応障害と診断され休職
ボーナス支給前には必ず上司との面談があります。
私はこれがチャンスだと思い、面談した上司に異動願いを出しました。
それから数ヶ月後、私はようやく事務員として本社に配属されたのです。
それが入社して3年目のことでした。
ところが、会社というのは同じような人が集まるもので。
事務員として配属された本社は、残念ながらもともといたガソリンスタンドよりもっと酷い職場環境でした。
これは、私がコミュニケーション能力不足というのもありますが、そこにいた女性の事務員さん2人とどうしても打ち解けられなかったのです。
1人は気の強いタイプで、もう1人は言い方は優しいがさらりと毒づくようなタイプでした。
ある日、出勤するために朝食を済ませて制服に着替えました。時計を見てそろそろ職場へ行こう、と思ったですが(あれ、会社に行けない)とその場に立ち尽くしてしまったのです。
本当に唐突でした。そのまま上司に連絡しその日は休暇を貰いました。しかし、次の日になってもその症状が改善されません。また昨日と同じように休みの連絡を入れました。
このまま永遠に仕事が出来なくなる気がして、怖くなった私はすぐに心療内科を受診しました。そこで私は『適応障害』と診断されます。
適応障害とは、過度なストレスが原因で起こる精神障害なんだそうです。私は診断書をもらって休職を申し出ました。
(このまま辞めてしまおうか)とも思いましたが、今辞めてしまったら社会復帰さえもできなくなるかも知れない。そう思うとすぐに辞められませんでした。
それから2週間ほどで元いたガソリンスタンドへ復帰。結局、それから1年近くこの会社にいましたが、事務員への憧れが捨てきれず退職しました。
できるだけ早い「転職活動」を。
私はとにかく面接が苦手でした。
だからこそ高校の時、内定がなかなか貰えず苦労したわけです。
そんな時、派遣なら面接が無いというのをネットで見つけて、私は迷わず(これしかない!)と派遣会社へ登録しました。
2ヵ月間で合計3社面談し、うち2社は相手側の事情で就業には至らず、結果1社から採用をいただきました。
話を戻しますと、会社を辞めてからの2ヵ月間は派遣会社からの連絡を待ちつつ、以下のようなことをしていました。
・長所や短所を紙に書き出すなどの自己分析
・求人を見ながら『本当に自分がやりたいことはなにか』を考える
・日雇いのバイトをする
特に、日雇いのバイトはいい経験になりました。
様々な業種を経験していく中で、自分に製造業は向いていないということや、接客業は楽しい、ということに気づけました。
仕事は内容も大切ですが、職場環境や人間関係も大切です。
私はそれに気づくのが遅すぎました。
私がようやく転職を決意したのは入社して4年目でしたが、もっと早く決断すべきだったと思います。
会社を辞めたいと思ったら、自分の気持ちを尊重してできるだけ早く転職すべきです。
特に新卒者はご注意ください。私はうつにはなりませんでしたが、(今もずっとあの会社にいたらどうなっていたんだろう)と考えるだけで怖くなります。
一方で、今の会社は1年も経たないうちに派遣から正社員で採用していただきました。
これからは少しのミスで1時間説教されることも、顔色をうかがって仕事することもありません。とてもすがすがしい気持ちでいっぱいです。
今転職で悩んでいる人は私のように後悔しないためにも、是非早めの転職活動をおすすめします。
よしのさんへインタビュー
会社の人間関係や環境は入社するまでわからないですよね。
体験談ありがとうございました。質問がいくつかあります。
派遣会社なら面接がない、ということで登録されたそうですが実際には面接されていると思います。
派遣ではない面接と何か違いはありましたか?
面接ではなく「面談」がありました。
面談は派遣会社の担当者が隣にいる状態で行います。
履歴書も派遣会社が用意してくれて、それを見ながら相手側の担当者と三人でお話していきます。
派遣会社の担当者が率先して話してくれるので
「志望動機は?」
「自分の短所や長所を教えてください」
のような面接の定番の質問はほぼありませんでした。
派遣会社の担当者が仲介に入る流れがあることは知りませんでした。
ちなみに派遣会社はどうやって見つけましたか?派遣会社選びで特に気を使ったことなどあれば一緒に教えていただきたいです。
ネットで検索して口コミの良さそうな派遣会社を選びました。
私が登録したのは「パソナ」という派遣会社でしたが、パソナは登録前でも公式サイトから現在募集中の仕事が検索できるんですよ。
登録しないと詳細が見られない派遣会社もあるようなので、登録前にどんな仕事があるのかイメージできるのはありがたいですね。
登録せずに見れるのは良いですね。
派遣から正社員になれない人も多いと聞きます。
正社員になるために特別に意識したことや工夫したことなどはありますか?
結論を言うと、正社員になるために特別に意識したことや工夫はありませんでした。
しかし、派遣先の会社の雰囲気がとても良かったので「もっといてやる!」と、かなり意気込んで仕事はしていたかも知れません。
正直、自分は派遣を選んだ時点で正社員は頭にありませんでした。
ありがたいことに派遣社員でもそこそこ給料が貰えていて、きっちり定時に帰れることが嬉しかったので(このまま派遣社員でもいいかも)と気楽に考えていました。
私は運が良かったのだと思います。
働きやすいとご自身が感じられる環境であったことがやる気に繋がり、正社員にも繋がることができたようですね。
最後に、よしのさんは退職してから転職活動されていたと思います。
働きながら転職活動もできたと思うのですが先に退職したのはなぜでしょうか。
一番の理由は「今の会社から離れたい」という気持ちが大きくなっていたからです。
確かに働きながら転職活動もできたのですが、私の中であまりメリットを感じなかったんですよね。
正社員じゃなくても仕事ができればいいかと思っていたので、そこまで本気で転職活動をする気はありませんでした。
退職後に仕事が見つからなくて焦るという人は少ないのですが、確かに正社員というこだわりがなければ仕事は見つかりますよね。
参考になります。ありがとうございました。