キャリアパスって何?考えた方が良いのかな
できるかぎり若いうちからキャリアについて考えた方が良いらしいけどどうしたら良いんだろう
就職や転職、面談の場で耳にする機会が多いキャリアパス。言葉は知っているけど、どんな意味があるのかよく分からない!という方もいるでしょう。キャリアパスとは、簡単に説明すると経歴を積んでいくための道筋です。
終身雇用制度が崩壊している昨今において新しく言われているのが人生100年時代!
長い人生を歩んでいく中、キャリアパスを描くことは人生の豊かさにつながります。
今回は、キャリアパスとは何か?人生100年時代にどんなキャリアパスを描いたらいいのか?など、キャリアパスの解説や描き方について考えていきましょう。
キャリアパスとは何か
キャリアパスとは、職歴や経歴などを意味する「キャリア」と道を意味する「パス」から成る言葉で、目指すべきキャリアに向けた道筋になります。
キャリアパスは人材育成で使われる用語で、一般的には従業員が企業での仕事を通してキャリアを積むための道筋・目標を作ることを意味します。
キャリアパスと似た言葉にキャリアプランがありますが、
・キャリアパス:企業内でのキャリアアップを目的とした目標、道筋
・キャリア設計:転職や独立を前提としている人生設計
このような違いがあります。
独立や転職を考えているなら、描くべきはキャリアプランですが、まずは勤めている会社でキャリアパスを描いて実績を残してから、キャリアプランを描いていく方も多いです。
最近は人事制度でキャリアパス制度を設ける企業が増えています。キャリアパス制度とは、企業内で社員が目標(職位や職務など)を達成するまでに必要な経験、スキル、順序などを示すものです。
具体的な取り組みとしては、スキルや能力を身につけるための研修制度や社員に対するヒアリングなどがあります。
キャリアパスを描くことのメリット
キャリアパスは具体的なゴールを決めることで、ゴール達成するために必要な知識や技術が見えてきます。
たとえば、マラソンを始めようと思い立ったとします。具体的な目標を持たずに走ってもなかなか長続きはしません。
仮に東京マラソンを完走するという目標があれば、そこに向かって日々の練習トレーニングを考えることができますよね。実際に完走した人に相談することもできます。ゴールがあってこそキャリアパスを描くことができるのです。
ここではキャリアパスを描くことのメリットを紹介します。
漠然とした不安を拭える
仕事で将来に漠然とした不安を抱えている方も多いでしょう。
たとえば、
・今の仕事を続けていいのだろうか?
・今の職場にいていいのか?
・転職した方がいいのか?
このような不安・悩みを抱えるのは、自分の将来が見えていないことが原因です。
キャリアパスを描くことによって自分の将来像が見えるので、漠然とした不安を払拭することができます。
たとえば、営業の仕事をしている人が以下のようなキャリアパスを描くとします。
「将来は営業部門のリーダーになりたいと考えています。そのためには自社の商品の特徴、性質を知り、3年間は行動力にこだわって経験を積みます。4年目からは経験で得たノウハウを活かし、顧客ごとに最適な提案ができる営業マンになります。そして数年後には後輩にノウハウを伝えられるようになりたい。」
具体的なキャリアパスを描くことで、少なくも「今の仕事を続けていいのか?今の職場にいていいのか?」という不安は解消されますよね。
転職した方がいいのかという不安も、実際にキャリアパスを辿る中で見えてきます。
吹「将来の不安はキャリアパスで解消!不安が消えるとやりがいが生まれる」
自分の気持ちを整理できる
仕事をしていると、
・この仕事は自分に合っているのか?
・何をしたらいいのか分からない
・今の職場で何を目指したいのか?
など、方向性や何のために仕事をしているのか、自分でもよく分からなくなることがあります。
こんな気持ちになるのは、漠然と目の前の仕事をこなすだけの生活になっているからです。
キャリアパスを描くことによって、自分が取るべき行動が可視化されていきます。
具体的な行動例が分かることで「何をしたらいいのか分からない」、「今の職場で何を目指したいのか」というごちゃごちゃした気持ちを整理できます。
そして、「この仕事は自分に合っているか?」という気持ちの答えは、キャリアパスに沿って働く中で自然と見えてきます。
このように、キャリアパスを描くことは気持ちを整理するために効果的です。
周りに相談しやすくなる
キャリアパスを描いて仕事をすると、プラン通りに実行できることもあれば、プラン通りにならないこともあります。
キャリアパスは目標を達成するための具体的な行動例を示すものですが、すべての物事が描いていたキャリアパス通りに進むとは限りません。
問題や悩みが生じたとき、キャリアパスを描くと具体的な問題点がはっきりするため、上司や親しい人に相談しやすくなります。
たとえば、キャリアパスを描かずに「今の仕事が何となく自分に合ってない気がする」と相談されても、具体的にどんなアドバイスをしたらいいのか困りますよね。
キャリアパスを描いている人に「キャリアパス通りに行動しても当初の予想より営業成績が伸びなかった。今の仕事が自分に合ってない気がする」と相談されたらどうでしょう?
・目標を高く設定しすぎた
・商材に対する知識研鑽が思ったよりも難しかった
・営業人数が少なかった
キャリアパスと現実を照らし合わせることで、上記のように問題点が浮き彫りになります。
キャリアパスがあれば自分も相談しやすくなりますし、相談された側も問題点が分かる方がアドバイスをしやすくなります。
人生100年時代への移行の心構えができる
終身雇用制度が崩壊し、次にやってくるのは人生100年時代と言われています。
医療の発展によって寿命が100歳に伸びると言われていて、終身雇用で働くのではなくキャリアを高めて生涯現役で働ける人になるのが人生100年時代の考えです。
人生100年時代は、今よりキャリアが重視される世の中でキャリア設計が欠かせません。キャリアパスはキャリア設計に応用できます。
まずは勤めている会社でキャリアパスを描き、次に転職や独立などを含めたキャリア設計をしていくと人生100年時代への移行の心構えにもなります。
人生100年時代に欠かせないのは個性とキャリア!時代に取り残されないために将来を見据えて行動しよう
キャリアパスを描くためのポイント
キャリアパスは企業が従業員に提示するものですが、もっと長いスパンでキャリア設計を考えるならキャリアパスを自分で描くことも大事です。
ここではキャリアパスを描くためのポイントを紹介します。
これまで人生でやってきたことをまとめよう
キャリアパスを描くためには、まず自分の強みや性格などに基づいて無理のないキャリアパスを考える必要があります。
そのためにも過去のキャリアの振り返りをしながら、人生でやってきたことをまとめてみましょう。
・今の仕事でどんな知識やスキルを得たのか?
・仕事をしたことによって自分のプラスになったか?
など、仕事を通して培ったキャリアはもちろん、
・学生時代に海外ボランティアをした
・学生時代に陸上の短距離で県大会1位になった
など、仕事に関係のない自分の経験や強みなどもまとめてみましょう。
海外ボランティアで得た外国人とのコミュニケーション能力、陸上大会で1位になって得た勝負強さなども、キャリアパスを描く際に自分の限界やできることの参考になる場合があります。
キャリアで短期・中期・長期でのこうなりたいを書いてみよう
キャリアパスは長期的に描くのが望ましいですが、ゴールが遠すぎるとモチベーションが上がりません。
短期・中期・長期のゴールや目標を設定し、さまざまなスパンでキャリアパスを描くのがおすすめです。
ここでは営業で実績を積み、ゆくゆく独立したいと考えている人の事例に基づいてキャリアパスの描き方を紹介します。
短期は具体的な目標を掲げて3年スパンで計画する
短期のキャリアパスは3~5年後の目標を設定して描くのがおすすめです。
営業の仕事なら、3年後に営業成績トップ3に入り、6年後に今の部署のリーダーになるなどの目標があります。
営業成績トップ3という目標ができたら、そのために必要なのは他の社員にはない強みです。
たとえば、
・商材の研究をしてお客様のメリットになる情報を増やす
・1件あたりの営業時間を減らして営業件数を倍に増やす
などの行動をし、そのあとに自分のノウハウを後輩に教えてリーダーとして教育するというキャリアパスを描くことができます。
短期のキャリアパスは3年スパンが望ましいですが、これは行動の成果が出始める年数であり、なおかつ失敗してもやり直しができる目安が3年になるためです。
中期はどんな役割やポジションでありたいのか10年スパンで計画する
短期スパンのキャリアパスを描いたら、次は10~15年後のキャリアパスを描きましょう。
10~15年後のキャリアパスは、会社内でのポジションを目標に描くのがポイントになります。コツは、短期スパンで描くキャリアパスの延長線上と考えることです。短期スパンで営業成績を残し、部署のリーダーになるキャリアパスを描くなら、そのあとにどんなポジションを狙えるのか考えてみましょう。
たとえば、
・経験を積んで10年後に管理職になる
・15年後には自分の営業ノウハウが社員研修のモデルになる
このような目標を掲げれば、短期スパンのキャリアパスとつながります。
長期は100歳までの人生で大きな節目となりそうな地点を決めてそれぞれでのキャリアで計画する(キャリア設計)
短期、中期のキャリアパスを描いたら、次は人生100年時代のキャリア設計をしましょう。終身雇用制度が崩壊し、今の仕事を生涯続けられるかどうか分かりません。独立や転職などを視野に入れてキャリア設計をする人もいるでしょう。
キャリア設計をする上で注意して欲しいのは、中短期のキャリアパスが無駄にならないようにすることです。
たとえば、
・3年後に営業成績トップ3位に入る
・6年後に部署のリーダーになる
・10年後に課長や部長になる
などのキャリアパスを描くとします。この時点で営業スキルと管理スキルがあるので、これらを活かしてキャリア設計をしましょう。
仮に「独立して商材を売りたいという最終目標」があるなら、営業・管理スキルは十分ですが、マーケティングの能力が足りないかもしれません。
そこで、15年後くらいにマーケティング関係の会社に転職、もしくは関連する部署に異動するなどのキャリア設計をすることでゴールに足りないスキルをカバーできます。
さらに、20年後に独立する、30年後には後継者ができて資金に余裕ができる、40年後はボランティアで社会貢献をするなど、区切りをつけてキャリア設計をするとより具体的になります。
結婚、子育てのイベントがあるなら、独立を先送りにして今の会社や転職で知識や経験を積むのも良いでしょう。
キャリア設計は紙に書いてイメージしてみよう!
人生は思い描いた通りにならないのが当たり前
キャリア設計をしても、その通りの人生になる人はほとんどいません。
30年前に今の世の中がITやAIで溢れていることや終身雇用制度が崩壊していることを想像できた人はほとんどいないでしょう。
同じように私たちが考える30年後と実際の30年後は異なることも多く、キャリア設計の内容によっては方向転換も必要になります。
だからと言ってキャリア設計が無駄になるわけではありません。大切なのは時代に合わせてキャリア設計を見直していくことです。
そのためにもキャリア設計でガチガチに未来を固めてしまうのではなく、「実現できなかったら○○に挑戦してみよう」のように柔軟性を持たせる必要があります。
思い通りにいく人生を歩む人の方が少ない
「3年後こうなっていたい、10年後こうなっていたい」などの目標や理想を掲げても、実際に思い通りに行く人生を歩む人は少ないです。
天気予報は過去のデータや実況に応じて未来を予想しますが、予想する期間が後になればなるほど小さな誤差が積み重なって当たらなくなります。
同じように、人生が長くなればなるほど、予想しなかった誤差の積み重ねや予想しないイベントによって当初の予定とは違ったものになるものです。
キャリアパスやキャリア設計をしても、その通りに進むとは限りません。失敗しても思い詰めないようにしてください。
もし、当初の予定と違っているなら、それは自分に合っていなかったと気持ちを切り替え、新しくキャリアパスやキャリア設計をし直しましょう。
テクノロジーの進化で寿命や当たり前が変わる
人生100年時代と言われていますが、数十年前には考えられなかったことです。
寿命が延びているのはテクノロジーの発展や医療の進歩によるものです。今後もテクノロジーや医療が進化すれば、寿命は100歳よりもさらに長くなるかもしれません。
寿命が100歳であることを前提にキャリア設計をしても、実際には120、130歳と生きる可能性もあるわけです。このように寿命が変わるかもしれないことを念頭に置き、キャリア設計する必要もあります。
寿命が長くなっているので健康的な身体を大切にしよう
キャリア設計は自分が健康であることを前提にしますが、睡眠不足・食事の偏り・運動不足などの生活習慣を送っていると大病という予期せぬイベントが発生し、キャリア設計が白紙になる可能性もあります。
キャリアパスやキャリア設計を実現するために健康的な身体であることは欠かせません。若いうちから健康に気をつけた生活を送りましょう。
私の場合、独立してからデスクワークばかりになったので、マラソンやバレー、マリンスポーツなどをして体を適度に動かす習慣を取り入れています。偏食もせずバランスがいい食事を心がけ、早寝早起きをしています。
健康に気をつけていても病気になるときはなります。ですが、健康に気をつけて病気になったら仕方がないと思えますが、不摂生な生活が原因で病気になったら「あのときちゃんとしておけばよかった」と後悔します。そうならないためにも健康には十分に注意しましょう。
健康が何より一番大切!適度な息抜きやリフレッシュも取り入れて健康的な生活を送ろう
まとめ
キャリアパスは、楽しく充実した人生を送るために欠かせないものです。目の前の仕事をこなすだけでなく、目標や目的を持って仕事をした方がやりがいを持つことができます。
キャリアパスを描く場合、短期・中期・長期スパンで考えていくのがコツです。またキャリアパスは時代の流れに合わせて変えていく柔軟性を持つ必要もあります。
将来自分はどうなりたいかをイメージしながら、自分の経験やスキル、考えに基づいたキャリアパスを描いてみましょう。