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仕事におけるキャリアの意味とは?人生100年時代に必要なキャリア設計とともに解説

仕事におけるキャリアの意味とは?人生100年時代に必要なキャリア設計とともに解説
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たかーし
二児の父親。家族との時間を作るために、一念発起して某証券会社を退職。現在は個人事業者として自由に働けるスタイルを確立し、以前より家族との時間も収入も増えました。 簡単な道のりではなかったですが、あのとき仕事を辞めてよかったと心の底から思える今があります。転職経験がある個人事業者の立場から転職のアドバイスを発信していきます。
困っている女性

キャリアって正しくはどういう意味なんだろう

困っている男性

今の時代にあったキャリアってどんなものなのか知りたい

キャリアという言葉は世間で広く使われていますが、最近は「人生100年時代においてキャリア設計が必要」とも言われています。

キャリアと言っても、キャリアアップ・キャリアモデル・キャリアパス・キャリア設定など、さまざまなキャリアがあります。どれもこれからの世の中を生き抜くために必要ですが、キャリアには一体どんな意味があるのでしょうか?

そこで今回の記事は、仕事におけるキャリアの意味や人生100年時代に必要なキャリア設計を解説しました。

仕事におけるキャリアってどういう意味?3つの要点で説明

キャリアの解釈・意味づけは多様であり、時代の変遷と共に変化しています。

厚生労働省職業能力開発局によると、キャリアとは「経歴・経験・発展さらには関連した職務の連鎖と表現され、時間的な持続性・継続性」と定義されています。

また文部科学省によると、キャリアとは「個々人が生涯にわたって遂行する様々な立場や役割の連鎖及びその過程における自己と働くこととの関係付けや価値付けの累積」として捉えています。

これらの定義を要約すると、「仕事・ボランティアなどの社会活動を通して、積み上げる知識や経験によって得られる自分の価値や強み」です。キャリアは人生や生き方を表すものであり、学校・就職・転職・今の仕事はキャリアを形成する1つの要素ということになります。

キャリアを積むということは、仕事に取り組む中で得られる知識・技術・経験を通して人間性を高めることにつながります。仕事の結果がキャリアではありません。

仕事におけるキャリアは、保有しているスキル、専門職名での経歴、年齢・経験年数などによって形成されます。それぞれのポイントを見ていきましょう。

保有しているスキル

キャリアを構成する要素の1つに保有スキルがあります。保有スキルは、資格や仕事を通して得られる専門知識や技術のことです。

たとえば、国家資格の基本情報技術者・民間資格のC言語プログラミング能力認定資格を取得している人がアプリ開発の仕事をしているとします。

この人の保有スキルは、

・基本情報技術者の資格

・C言語プログラミング能力認定資格

・プログラミングの技術

の3つになります。スキルを証明しやすいことからキャリアのために資格を取得する人も多いです。しかし、仕事に関係のない資格を取得しても実務として活かすことができないので、宝の持ち腐れになってキャリアにもつながりません。

一方、プログラミングの技術のように仕事を通して得られる保有スキルもあります。この場合、「○○のアプリを作った」のような実績があれば、保有スキルとしてアピールできます。

キャリアを考える前に、どんな保有スキルが自分にあるのか洗い出してみましょう。

専門職名での経歴

専門分野の仕事に就いている人は、専門職名がキャリアの1つになります。

たとえば、建築士・看護師・デザイナー・カメラマン・クリエイターなどの仕事に就いている人や経験がある人はこれらの経歴がキャリアになります。専門職での仕事を通して実績を積めば、キャリアが磨かれて転職するときに役立ちます。

ただし、専門職に就いているだけではキャリアのアピールにつながりません。これまでの仕事内容を具体的に示すことが大切で、クリエーターなら作品、カメラマンなら写真など専門職ならではの実績や成果を用意する必要があります。

たかーし

最近は小中学校で専門職者によるキャリア教育が盛んに行われている!教育の現場でもキャリアの重要性が高まっている

年齢や経験年数

年齢や経験年数もキャリアを構成する要素ですが、年齢に対して経験年数が多ければキャリアもより魅力的なものになります。

たとえば、「新卒で大手保険会社に営業で入社し、大手証券会社の海外営業部に転職して海外を飛び回っている30歳」と「新卒で仕事が決まらず、日雇いの仕事でフリーターを続けてきた30歳」では、同じ年齢でも経験値がまったく異なります。

ここで気をつけて欲しいのは、複数の職種を経験しているからと言ってキャリアが魅力的になるわけではないことです。

1つの仕事でも続けていれば、その人にしか得られない知識や技術が習得できてキャリアが磨かれます。漠然と目の前の仕事をこなすだけだとキャリアにはつながりません。

自分の年齢と経験年数を照らし合わせ、キャリアにつながっているかどうか考えてみましょう。

キャリアから派生する言葉とその意味

キャリアという言葉は単独で使われるだけでなく、いくつか派生して使われているものもあります。ここでは、キャリアから派生する言葉とその意味を紹介します。

キャリアアップ

キャリアアップとは、「経歴を高めることを目的とした行動」です。キャリアアップを図ることによって、今より収入を増やすことやポジションを上げることにつながります。

キャリアアップの事例として以下のようなものがあります。

・雇用形態が非正規雇用から正規雇用に代わる

・転職で以前よりも給料が増えた

・課長から部長に昇進した

ちなみに、キャリアアップとスキルアップは似ているようで異なります。スキルアップは個人の能力を高めることで、「事務職ならタイピングの能力を高めて事務作業の時間を半分にする」、「社内の社員研修会に参加してコミュニケーション能力を高める」ことなどです。

もちろんスキルアップすれば社内や転職市場の評価が高まり、結果としてキャリアアップに役立つこともあります。

キャリアモデル

キャリアを形成する上で必要になるのが自分の理想とする人物です。

たとえば、

・尊敬する親

・職場で尊敬できる上司

・憧れている大企業の社長

・生き方がかっこいい実業家

など、「キャリアを積んでこんな人物になりたい」と思う人をキャリアモデルと言います。

キャリアモデルは“憧れの先輩”とイメージすると分かりやすいですが、自分が出会った大人たちの中から自分のキャリアモデルを選び、そこを目標にすることでモチベーションアップやキャリア形成の基盤になります。

たかーし

理想が高すぎると挫折する!キャリアモデルは努力でたどり着ける現実的な人にしよう

キャリア設計(キャリアデザイン)

キャリア設計とは、仕事における最終的なゴールを設定して、ゴールに向かうために進む道筋を描くことです。

キャリア設計を考える上で必要になるのが、「今の職場でどんな業務経験が積めるのか」、「どれだけ努力をすれば理想とするキャリアに達成できるのか」などの目標となります。

キャリア設計することで、

・ゴールにたどり着くためには何が必要か?

・目標を達成するために必要な経験は何か?

など、目標を達成するための具体的な道筋がイメージできるので、モチベーションアップにつながります。

キャリア設計をするためには、ゴールを決めておく必要がありますが、キャリアモデルをゴールの参考にするのもよいでしょう。

たとえば、自分で会社をいくつも経営しながら家族との時間を大切にしている実業家をキャリアモデルにするなら、その実業家が歩んできた道や経歴がキャリア設計のヒントになります。

キャリアパス

キャリア設計(デザイン)は、自発的にゴールを設定してクリアするための道筋や行動を決めていくことでしたが、キャリアパスは主に企業側が従業員に提示するものです。

一企業の中で働いていく中で成長することを前提とします。

キャリアパスを設けるのは、従業員が目指したい姿や目標が具体的になってモチベーションアップを促すためです。
キャリアパスが浸透することで、採用活動においても企業が求める人物、採用要件などが明確になり、早期退職の原因となるミスマッチが減らせる期待もあります。

最近はキャリアパスを示す企業が増えていますが、企業側が設定するためキャリアの選択肢や自由度を狭くしてしまうデメリットもあります。

キャリアチェンジ

キャリアをチェンジは、「経歴を変える」という意味があります。

キャリアチェンジには以下のようなケースがあります。

・同じ会社で営業職から技術職に異動

・転職して未経験の仕事に就く

などです。環境が変わることで新しい知識やスキルの習得の期待がありますが、これまでの経歴が一度リセットされるため、キャリアアップとは異なります。

キャリアチェンジはマイナス面だけではありません。

たとえば、「開業して海外から輸入した雑貨をネット通販で売りたい」というキャリアモデルがあるとします。

最初に商社で海外営業を行い、その後にネット通販のマーケティング会社に転職することはキャリアチェンジです。
しかし、雑貨を輸入するための海外営業のスキルとネット通販で利益を出すためのマーケティング知識を活かせます。

このように目標を実現するためのキャリアチェンジもあります。

証券会社→証券会社のキャリアパスで年収が大きく変わった話

私は、「小規模証券会社→大手証券会社→個人事業主」と2度の転職を行っていますが、キャリアアップして年収をアップさせることに成功しました。

最初からキャリアモデルがあったわけではないものの、「いつか金融関係の仕事で独立して稼ぎたい」という大きな目標がありました。

もともと金融や経済に興味があったので、高校を卒業して証券会社に入社したかったのですが、高卒を雇っている大手証券会社がなかったので地域密着型の小規模証券会社に営業で入社しました。

2年目くらいから営業成績TOP3に入るようになり、入社当初は300万円ほどだった年収が5年目には年収600万円を超えました。
しかし、会社の規模的に給料が上がらなくなったので、転職エージェントを利用して新しい仕事を探すことにしました。

そして、営業成績が評価されたことで大手証券会社からスカウトをもらい転職しました。
転職当初は年収500万円でしたが、約5年かけて年収1000万円にたどり着きました。

大手証券会社は富裕層のお客様が多く、仕事を通して様々な人脈を築くことができました。

この人脈と10年の営業実績、金融・経済の仕事で培ったキャリアを活かし、個人事業主に転職しました。

転職してすぐは年収ダウンになりましたが、今は大手証券会社で働いていたときよりも年収が多くなりました。また自由な時間が増えたことで、子どもと過ごす時間も増えたのもよかったです。

高卒で入社した会社を辞めずに働いていたら、今のようなキャリアを築くことはできなかったでしょう。

キャリアアップするためにはタイミングと行動が大切だと実感しています。私の場合は転職エージェントを使って転職活動を始めたこと、そして個人事業主に転身したことです。

たかーし

理想のキャリアを実現するために必要なのは設計と行動!現状に満足しないことが大事

キャリア設計の意味合いは時代で変わる!人生100年時代のキャリア設計とは

終身雇用が当たり前だった一昔前のキャリア設計と言えば、「今の会社で管理職を目指して出世する」のが一般的でした。

しかし、2019年4月に経団連の会長が「企業が終身雇用を続けていくのが難しい」と言及し、同年5月にはトヨタの社長も「終身雇用の維持は難しい」と発言するなど、終身雇用は崩壊に向かっています。

そして新しい人生設計の形として注目されているのが、リンダ・グラットン教授の著書「LIFE SHIFT」で提言された人生100年時代です。

人生100年時代では、「学校教育→仕事→定年退職」が当たり前ではなくなり、1つの会社に居続ける人より、キャリアアップをしながらキャリアデザインできる人が生き残る社会になります。

これからのキャリア設計は、時代に通用するスキルの把握や習得が重要です。

たとえば、私は証券会社で金融・経済の知識とコミュニケーション能力というスキルを習得しました。
これを活かして個人事業主に転向したわけですが、個人で仕事をするようになってPCや文章作成能力スキルなどを習得し、これらのスキルを使って書籍出版につなげられたらいいなと模索しています。

必要に応じ、日本語検定や校正技能検定の資格取得を目標にして文章能力を高めようかとも思っています。

ゆくゆくは、「資産運用でお金を増やして後継者を作り、ボランティアで社会貢献できるようになりたい」というゴールも設定しています。

人生100年時代を豊かに生きるためには、目の前の仕事をこなしているだけではダメです。
自分のやりたいこと、実現したいことを掲げ、そこに向かってキャリアデザインすることが人生100年時代に合った生き方と言えます。

キャリアを時々見直しながら早めに計画していくと良い

キャリアデザインする上で注意して欲しいのが、「目標やゴールに囚われすぎないこと」です。

目標やゴールを設定することはキャリアアップするために欠かせないことですが、実際に行動に移してしまうと、目標やゴールが高すぎることや自分の性分に合ってないことに気付くこともあります。

コロコロと目標やゴールを変えてしまうのもよくありませんが、ムリだと思ったら見直して新しい目標やゴールを作ってキャリアデザインしましょう。

人生100年時代は長いので柔軟性を持つことも必要です。

私も証券会社→証券会社→個人事業主というキャリアを積む中で、「プログラミングの技術を高めてSEになろうか」、「英語のスキルを高めて海外で新しいビジネスを始めようか」など今の仕事とは関係のない目標やゴールを設定しようと思ったこともあります。

実際にやってみると自分に合ってないと思ったので早めに方向転換しましたが、やってみないと分からないことも多いです。キャリアは時々見直しながら計画していきましょう。

たかーし

キャリアの見直し・変更で分かることもある!まずは自分のしたいことを優先してキャリアデザインを考えよう

まとめ

キャリアは人生をかけて築いていくものであり、理想のキャリアを築くためにはビジョンを明確にして行動することが大切です。

どんな社会人になりたいか?どんな老後を過ごしたいか?などをイメージすると、自分が目指すキャリアも自然と見えてくるのではないでしょうか。

またキャリアアップやキャリアチェンジをしてキャリア形成を図るなら、転職も有効な手段の1つです。