体験談

40代で5回目の転職を決意して卸売りから不動産業界へ経理として転職した話

40代で5回目の転職を決意して卸売りから不動産業界へ経理として転職した話

転職満足度8点/10点

ひで 男・42歳の頃(現44歳)

職業: 卸売(総務•経理)→不動産(総務•経理)

年収: 350万円→450万円

従業員規模: 30人→50人

私は、40代の男性です。退職した企業は総務及び経理課長として勤めておりました。

社会人になってから、総務経理業務を中心に5社ほど転職してきました。

仕事の内容について「こんなものか」と楽をしていた頃

総務業務及び経理業に関しては20年以上の経験がありますので、一通り業務をこなすことが出来ます。

退職した企業では、アナログな方法で資金管理や支払業務を行っていました。
具体的にはインターネットバンキングなどは使用せず、帳面に入出金を記帳し支払については、その都度小切手をきるというものです。

この流れだと、恐ろしいほど非効率です。入社した当初は(何でこんな非効率なことをするのだろう?)と疑問を持っていました。

実際に「変更したらどうか?」と進言した事もありました。ですが、代表者が年配者ということもあり、その流れは変わりませんでした。
最初の頃は業務効率化のために変えていきたいと思っていました。ですが、時間が経つにつれ(仕方がないな)という思いに変わっていきました。

どこかで(こんなものか?)と思ってしまったのかもしれません。

私の経験では代表が年配者だと、業務をIT系に変更していくのは難しいと感じております。

転職経験者に言えることだと思いますが、転職して時間がたつにつれ、その企業の「やり方」に慣れていきます。
それはもちろん良い面もあります。ですが、転職した当初に感じていた疑問点をも無くしていく事になるのです。

もしも転職した企業の「やり方」を変えるのであれば、疑問に感じたことを記録しておくことをお勧めします。そして、周りに認められるようになったら提案してみましょう。
全部の提案が通ることは難しいですが、方向性が間違えていなければ通る案もあるはずです。

「転職」の2文字が頭をよぎった出来事

以前の業務の流れを変えずに、たんたんと業務をこなしていると、ある変化出てきました。それは上司である専務から仕事を振られる様になった事です。
内容は主に総務的なものでした。正直なところ、複雑な内容の業務はありませんでした。

私が業務に慣れたのを見計らって振っていく予定だとも思いました。
ですので特に不満はありませんでした。

そんなある日、某インターネットショッピングサイトに出店する話が浮上しました。

その担当者が私になりました。

理由としては以前、某インターネットショッピングでの出店経験があったからです。
これについても不満はありませんでした。
なぜなら売上が増加する手段を選択するのは企業として当然の事だからです。

ノウハウが分かっていた為、出店して数か月すると売上げは月数百万を超えました。
この出店にあたり、新たに人員を採用したわけではありませんでしたので、会社としてみるとプラスの要因になりました。
そして1年が経過すると、売上げは月数千万迄伸びました。

もちろん、何もせずに伸びたわけではありません。総務、経理業務と上手く両立させる為、1日の時間の使い方を工夫しました。
苦労した分、充実感もありました。代表にも評価されました。ですが皮肉なことに、この事がキッカケで「転職」を考えるようになりました。

実はこの企業では、私が立ち上げた某インターネットサイト以外に、別のインターネットサイトも運営していました。
元々あったインターネット売上げを、更に増加しようとしたという事です。

ですから、梱包や配送作業などは同じ職員が、2つのサイトの分を行っていました。

このこと自体はとても効率が良かったと思っています。

ですが私が立ち上げたサイトが、既存のサイトの売上を超えると状況が変わってしまいました。
インターネットサイトを統括している役員が、梱包や配送について既存サイトの作業を優先的に行うようになったのです。

おそらく(あっさり売り上げが抜かれて面白くない)という気持ちからでしょう。ですがあまりに幼稚な考えです。

企業全体の利益を考えなければいけない立場の役員が行う事ではありません。(ちなみに私はサイトの作業が給料に反映されてはいませんでした)

梱包作業が遅れると、発送が遅くなりお客様からのクレームも増えます。
クレーム対応も全て私が受けておりました。役員に発送を意図的に遅らせられ、クレーム対応は私の仕事、、、、やりようがありません。

この様な日々が続くうちに「転職」を強く意識するようになりました。

この企業では将来がない(転職)と確信する

転職した企業では小売業も行っており、スーパーの奥に事務所がある形でした。

経理や営業の職員であっても、状況によってレジ業務などを手伝っていました。

この流れもとても効率的だと思います。

二刀流ではないですが、職員が色々な作業を受け持つのは良いことだと思います。私も時々レジ作業をしておりました。
そんなある日、レジの職員が一斉に退社し、シフトが回らなくなる事態になりました。

私は部下を説得し、毎日数時間レジ業務についてもらいました。というのも、以前は2~3日に1回程度、30分位の手伝いだったのです。

ですから、毎日となると抵抗がある職員も出てきます。もちろん、本来の事務の業務も圧迫します。ですが、何とか工夫して乗り切りました。

ですが、私はどうしても納得できない事がありました。

それは私がレジに立っている時に役員に「客がいないときは品出しをしろ」と言われたことです。いえその指示自体は正しいと思います。問題は「お前が言うな」という事です。

なぜなら、その役員はサボるために、いつもレジの後ろで携帯を操作しているからです。

(しかもお客様から見えるところで)

確かに役員と、課長である私とは立場が違います。

ですが、どうしても納得できない事でした。

また、代表も役員と仲が悪く、役員がいない会議で辞めさせる方法を話していました。

私はこの時、既に4回転職しており、40代でしたので転職は避けたい気持ちも持っておりました。ですが企業としての将来がないと確信してしまったので、退職することにしました。

焦らないことを大切に転職活動

私には3人の子供がおります。ですので退職しても、すぐに違う会社で勤める必要があります。ですが、私は今までの教訓から焦らずに転職活動を行うことにしました。

転職までの時間は、趣味で続けていた「ブログ」で収入を上げていこうと決めました。

というのも今までは「給料、勤務地、業務内容」がマッチしていれば他の部分はあまり真剣に考えていませんでした。

その事が、転職回数を増やしてしまったひとつの要因だと思います。
そこで自分が良いと思った求人でも、その企業をインターネットで調べ、評判が良くない所には応募しない様にしました。

また転職活動を半年も続けていると、「いつも募集している企業」がある事に気が付きます。こういった企業はお勧めできません。
というのもその分「職員の離職率が高い」からです。

また「即日入社可」も同様です。通常の企業であれば、書類選考があり、面接を行い内定となりますので、平均すると応募から入社まで1カ月かかります。
それが「即日入社可」なのですから、おそらく「募集をしても人が集まらない」可能性が高いです。その原因は「企業の評判が悪い」からです。

採用する企業側になって考えると、分かりやすいですが、離職率が低い企業は募集をすることが頻繁ではありません。
そして雇用条件が良い為、募集をすると競争率が高くなります。

ですから、内定を勝ち取るのは難しくなります。
ですが、仕方がありません。転職は「時間がかかるもの」と考えた方が上手くいく確率は高くなるでしょう。

不動産関係の会社へ転職した現在

私は今不動産関係の会社に勤務しております。経理課長というポストについております。

業務内容や勤務時間についても満足しております。これは転職活動に1年以上時間を使ったからだと思います。

もちろん、少しでも早く転職先を見つけるのが一番良いことだと思います。

ですが、それよりもしっかりと転職する企業を調べる事の方が大切だと感じます。

ひでへインタビュー

編集長

豊富な転職経験について語っていただき参考になりました。

そこでおひとつ質問があります。

7社受けて2社に内定をもらえたとのことですが40代の転職は人によって年齢の壁でつまづいてしまう方も少なくありません。

内定をもらえた理由や面談で「ここがうまくいったな」というところはどこかありますか?

ひでさん

書類に関しては工夫しました。

職務経歴書を1枚(A4)にまとめ、職歴ではなく、自分の長所を絞ってアピールしたところが良かったと思います。

編集長

なるほど、面談についてはどうでしょうか。

ひでさん

自分のスキルよりも、コミュニケーション能力をアピールしました。コミュニケーション能力を求めている企業は多いように感じます。

編集長

異なる企業文化でもすぐに適応できるようなコミュニケーションスキルは大切ですよね。

ありがとうございました。

編集長のノート

良い企業ほど離職率が低いため求人があまり出回らない。だから時間をじっくりかけて転職する。というのはとても役に立つ知見でした。

時間的な余裕のある人は特にこのやり方は良さそう。

※ひでさんは「リージョナルキャリア北海道」という転職エージェントを利用したそうです。