これは個人経営の従業員から上場企業の接客販売へ転職して満足のいく転職ができたお話。
5人の従業員とわたし
お洒落でキラキラした世界。
『アパレル定員』はお洒落に興味がある方なら、一度は憧れたことがある業種なのではないでしょうか。
私もその中のひとりであり、専門学校を2年で卒業したのち、新卒でアパレルショップに就職しました。就職したのは従業員が5人だけの個人経営のお店です。
自宅から通勤できる距離と、個人店ながら20万円を超える基本給が魅力的でした。
また、実際に働いてみると、スタッフが少ないので社員間の風通しがよく、みんなで食事に行くことも少なくはなかったです。来店されるお客様も顧客の方ばかりなので、すっかり顔を覚えてしまい、入社から3か月経過した頃には気軽に挨拶ができる仲になっていました。
将来への不安
職場の仲間にも恵まれ、就職から1年半が経過した頃、ふと不安がよぎりました。もし今後10年間この職場で働き続けたら、その時の私はどうなっているのだろう?
【個人経営のメリット】
・スタッフやお客様と関係を築きやすい。
・従業員が少ないので、早々に店のレイアウトなどの業務を任せてもらえる。
・転勤の心配がない。
【個人経営のデメリット】
・教育マニュアルが整っていない。
・資金が少なく、サービスやキャンペーン提案をしても実現が難しい。
・オーナーの感覚に頼りきった経営になりやすいので、将来が不安。
メリットがあればデメリットもあるのは当然です。しかし「経営の規模が小さいということは、従業員が力を発揮できる範囲も狭い」ということは確かでした。
また給料面では基本給は20万円を超えており、新卒の給料としては申し分なかったのですが、福利厚生は頼りない内容でした。
実は当時はそれほど気にはしていなかったのですが、転職サイトを覗き大手企業と見比べた時にはガッカリしました。
他にも、有給を消化する習慣がなかったり、昇給時の金額が少なすぎたり、将来への不安が日ごとに大きくなっていきました。
転職してスキルアップ
今のままでは、将来が心配だ。
将来性のある上場企業に転職して、安定したお給料をいただきながら、社会で通用する人材になれるように頑張っていきたい。
その気持ちが何よりの原動力となり、転職を志しました。
とはいえ、転職はなかなか腰が重たいものです。
新卒で就職活動していた時は、同じように就職活動している仲間が周りにいました。履歴書を熱心に書く人がいれば、説明会に行く人もいました。
しかし、転職となれば違います。1人での戦いとなり、誰もがやる気を維持することに苦労します。その対策として、私はリクナビエージェントを利用しました。
リクナビエージェントを選んだわけは「会員登録者数1位」「求人数業界1位」で信頼性があったからです。
登録後すぐに電話での連絡があり、担当エージェントの方から今後の案内がありました。正直(ひとまず登録しておこう)くらいの気持ちだったので話が進むのが早くて驚きました。
まず、自身のWEB応募シートを埋めるように指示があり、その後希望条件を電話でも改めて確認していただきました。希望条件に見合った求人はWEBのほうで検索することができますが、それとは別でエージェントの方がお勧めの求人も教えてくださるとのことでした。
連絡は定期的に行われ、完全マンツーマンでのサポートですので、やる気を保ちながら転職活動に取り組むことができました。
結果、転職先が同じアパレル業界であることもあり、転職活動をはじめ3か月で内定と、早くに成果を出すことができました。
この面接時には、入社早々から幅広い業務に携わっていたことが評価されたため、結果的には個人店で働いていたことに感謝することになりました。
個人経営の従業員から上場企業に転職して
上場企業に転職したことで5人だけだった従業員が、500人に膨れ上がりました。そのことで一番に違いを感じたのは、スタッフと連携して働くことの重要性でした。
同じ業種からの転職といえ、規模が違うとスタッフの働き方も大きく変わります。これまで問題に感じたことがなかったスタッフへの共有も、大人数になると共有漏れがおこり、ミスに繋がります。
そのような環境の変化に戸惑いながらも、5年が経ちました。
今は一言「転職してよかった」と言い切れます。
【大企業に転職してよかった理由】
・教育マニュアルが整っており成長を実感できる
・評価制度が整っており、努力が昇給や昇進に反映される環境である
・福利厚生が整っている
・働き方改革を行っている
・新店のオープンなど会社の成長が目に見え、将来の安心がある
以前に比べ、格段に自分への自信をつけることができました。
また、転職後の人間関係に不安を感じていましたが、500人全員が同じ場所にいるわけではなく、店舗ごとに数人に振り分けられているので、慣れてしまえば以前と同じ風通しのよい空間です。
この経験で、実は自分の可能性はまだまだ広げられるのに、その足を一番に引っ張っているのは自分の自信のなさだと気づかされました。
『できないからやらない』のではなく、『やらないからできない』のだということを心に刻んで、今も日々仕事に取り組んでいます。
NATSUMIさんへインタビュー
個人店舗から上場企業は初めて聞きました!珍しいですね。
そこでご質問したいことがいくつかあります。
活用した転職エージェントにどのようなものがありましたか?
リクルートエージェントを利用いたしました。
・よかったところ
リクナビNEXTとどちらを利用するか迷いましたが、求人数がエージェントのほうが多く、また定期的にサポートの電話も入るので怠けることなく転職活動に取り組むことができました。
メールでのやり取りではなく、電話でのやり取りですので担当の方に親しみも感じます。
・悪かったところ
エージェントの方は時には厳しいアドバイスもなさります。
しかし「50社受けて1社受かる程度の覚悟が必要です。」と言われ、理想とは合わない求人を大量にお勧められたときは愕然としました。
冷静なアドバイスは参考にはなりますが、私の転職を成功させることで、仕事のノルマを達成したいのだろうなという気持ちも多少感じてしまいました。
1社ずつ応募し企業分析に時間をかけたい方や、自分の意志だけで根気強く就活を続けることができる方は、自分で企業を選び応募することができるリクナビNEXTのほうが向いているのかもしれません。
なるほど。確かにエージェントの方から50社受ける覚悟が必要だと言われてしまっては自身で頑張らなければならない。と思ってしまいます。
転職活動は働きながらされましたか?どのようなスケジュールで進めていったのでしょうか?
転職を思い立った時が、入社から1年半経過した頃でした。今思えば大した差はないのですが(最低でも2年勤めていないと履歴書の見栄えが悪い)と思い、2年ちょうどのタイミングでの転職を目指しました。また、4年大学卒業の新入社員が入社する同じタイミングで転職することで、同い年の同期ができるというのも大きな理由です。
1か月間しっかり企業を見比べ、気になる企業を数社に絞ってから、実際の店舗を見て回りました。
面接対策のためでもありますが、実際に働いているスタッフが見たかったからです。生き生き働いているかどうかも大切ですが、実際に自分がそのスタッフたちと一緒に働くところが想像できるかどうかを一番重視しました。
最終的に、入店時に店長さんが明るく声をかけてくださった店舗が印象に残り、応募しました。そこからは、順調に面接を進め3か月後に社長と幹部との面接を行い、内定となりました。
社会人歴1年と2年では印象変わりますよね。
また、面接する企業の店舗へ出向くのは素晴らしいですね。
なかなかそこまでする人はいないと思いますし入店先の方と仲良くなってからの面談は心象良さそうですし見習いたいところです。
ちなみに、上場企業での接客販売とはどのような業務になるのでしょうか?
接客販売の業務については、上場企業も個人経営も同じアパレルショップですので大きくは変わらないと思います。ただ業務は変わらなくとも質が変わります。
まず店舗が多く知名度が高いことです。店舗の質は勿論のこと、スタッフの対応も系列店舗に比べられます。個人店ではその場で済んでいたような問題が、企業の評価を下げたり、特定の店舗だけ悪評が目立ってしまったりします。そのため、スタッフひとりひとりの接客応対に対する意識が自然と高いように感じます。
また立場が変わってくるとさらに実感するのがシステムの質です。
現在店長を任されていますが、今の主な仕事は、スタッフの教育と、数値をもとに今後の営業の仕方を考えることです。特に数値の管理システムについては自社ながら関心することばかりです。
個人経営の時にも、売り上げ数値は見ることがありましたが、簡単にまとめたExcelファイルだけです。現在は、独自の売上、顧客の管理システムがあります。また、自店舗の経営がうまくいかない時に、系列店の業績と見比べることもできます。
個人経営では「オーナーが経験をもとに培った感」が頼りでしたが、今では事実をもとに常に新しい対策を行うことができます。そのような経験は、私の確かな自信になっています。
店舗全体の視点も踏まえた上での接客業は個人店では間違いなく経験できないところですね。
大きい会社ならではの視点で対策していけるのは大きいですね。
1年半(転職時には2年になる)ほどで転職活動を始めたとのことですが経験年数が短いところに関してはどのように面談でカバーしましたか?
面接を受けた店舗に実際に足を運び、店舗を見比べました。
そして、面接時に良いと思ったところは勿論伝えましたが、改善できると感じたところも伝えました。「Aの店舗の良いところを、Bの店舗にも反映したほうが良いと思います。」というような提案です。
個人的な考えではありますが、新入社員は「素直さ」「丁寧さ」が求められており、中途社員はさらに「即戦力」「提案力」を求められていると思っています。それに相当する能力をまだ身に着けておらず、未熟だとしても、「この人なら、期待できそう」と思ってもらえれば内定の可能性は高いと思います。
また、踏み入った提案や質問をすることで、会社のリアルな現状を聞く貴重な機会になるかもしれませんし、何より面接官の印象に残るのでとてもお勧めです。
改善案を提案してくれる面談者というのはそうそういないと思うのでかなり好印象が得られそうですね。
社会人歴2年というのは即戦力と新卒の中間のような絶妙な時期ですができる限りの提案をする姿勢というのはベストな対応だと思います。
内定が通らずとも自身の経験にもなり良いことが多いやり方なので参考になりました。
最後にですが、同じようにアパレルでもキャリアアップできない環境にいる人へ向けて何かアドバイスをお願いできますか?
会社に勤めていると、そこにしか自分の居場所がないような気がしてしまいます。
当たり前ですが、アパレルショップは全国各地にあります。働ける場所は1つはないですし、現実離れしすぎると難しいかもしれませんが、希望の働き方ができる企業は必ずあります。
ただ、そこに手を伸ばす前に「自分では無理だろう」と諦める方が9割だと思います。
面接は落ちたところで履歴書に残るわけではありません。
また、面接は応募者だけが面接されるわけではありません。
応募者が試験官やオフィスを見たり、募集要項には書いてないところを質問したりして入社するか検討する場です。面接を進んだからといって必ず入社しないといけないわけではないです。
だからと言って「挑戦してみてください。」とは言いません。挑戦という言葉はとても重たく聞こえます。
気になった美容院に予約する感覚で「とりあえず受けてみる。」だけでもいいと思います。後悔しない道を進んでいただきたいです。
転職するための戦略としてはどの年代にも参考になる話でした。
転職後のミスマッチの可能性を減らすためにも実際に現場へ出向いて雰囲気から企業カルチャーを感じ取ることは遠回りに見えて堅実なやり方だなと思います。