体験談

心身ボロボロになった販売員を辞め機械エンジニア(修理屋)へ転職し幸せな日常を送れるようになった話

心身ボロボロになった販売員を辞め機械エンジニア(修理屋)へ転職し幸せな日常を送れるようになった話

転職満足度8点/10点

バシロ 男性・20歳の頃(現24歳)

職業: 販売員→エンジニア

年収: 360万円→410万円

従業員規模: 9000人→200人

バシロです。これは20歳の頃、私が販売員から機械メンテナンスとして技術屋になるまでの話です。

これまでの私(入社まで、入社式)

私の地元は地方の更に田舎で、

移動手段は車かバスしか無いような町でした。

学校の卒業を控え、やりたい事もなかった私は

進路担当の先生が勧めてきた求人票の中から一つの会社を選び、見事採用となりました。

採用されたことで地方から都会に出ることが決まり、

期待に胸を躍らせ上京をしました。

入社までにお世話になった人事の方も良い人で、

同期の仲間たちとも気が合い、

全て順風満帆に進んでいると心から思っていました。

入社日前日、翌日の入社式に向け、社訓と社歌を覚える必要があると上司に言われ、

新入社員全員覚えることになりました。

覚え方としてシンプルで、社訓は読み上げ、社歌は歌って覚えました。

それだけなのですが

ただの大声で行うだけでは駄目でした。

叫ぶような大声で歌わなければ駄目なのです。

更にそれに加え、社歌は笑顔で歌わなけば駄目でした。

これは上司の方々のOKが出るまで何度も何度も繰り返されました。

(このとき私は口パクしたのですがそれも何故かバレ、物凄い剣幕で怒られました。)

この段階で少し疑問は覚えましたが、地方出身の社会人初めての私は

会社とはこんなものなのかもしれない。もしくは少々体育会系なのだろう。

のほほんとそんな事を考えていました

辞めたくなったきっかけ

入社を終え、1年と半年が経過したころ私の体と心はボロボロになっていました。

理由としては

  1. 長時間労働
  2. プライベートが皆無
  3. 金銭的不自由

他にも諸々ありましたが大きいのはこの3つでした。

  1. 長時間労働

その頃の私はシフト制の勤務で

早朝6:00〜15:30

昼勤:8:00〜17:30

深夜22:00〜6:30

日や週によって上記いずれかのシフトだったのですが

人がいない場合だと早朝6:00〜翌朝6:00までなどザラでした。

  1. プライベートが皆無

会社ではバイトやパートタイマーを雇用しており、

その方が突発的に休むことになった場合対応するのはすべて社員でした。

上記でも挙げた早朝6:00~翌朝6:00までなどはこれが原因でした。

また、休日の日でも何かトラブルが発生すれば呼び出され、

休日だというのにどこにも外出できない日が殆どでした。

  1. 金銭的不自由

その当時の手取りは大体17万円程でした。一人暮らしだと十分に生活できる額ですが

その給料で会社の商品を買わされることが多くありました。

これにはノルマが関係しており、到底達成できるはずのないノルマを設定され、

ノルマを達成できていないと上司から物凄い圧力をかけられ、詰められるうえに、

使えないやつの烙印を押され、昇進はかなり難しくなってしまう為

それを回避するには自分の身銭を切って無理やり達成させるしかなかったのです。

余談ですがこんなことは間違っていると身銭を切らずにノルマを無視した方がいたのですが

その方は人事異動で遥か遠い土地へ異動になりました。

社員全員、やりたくなかったが、やらざるを得なかったのです。

上記のことから、会社に心底嫌気が差し、私は僅か2年で辞める決意をしました。

退職の決意

退職を考えた私は、親や友達、周りの同期に相談をしました。

しかし短期間での退職となるので、周りにはかなり反対されました。

私の記憶している限りで、周りの反応は下記のような感じでした。

以下会話形式で記載します。

私「会社を辞めようと思ってるんだけど…」

親「どの会社でも最低3年は続けなさい!2年で辞めるなんて早すぎる!」

私「それは分かってるんだけど、体も心もしんどくて…」

親「しんどいのは皆同じ!少し疲れているなら1,2日でも休めばいいだろう!

  とにかく辞めるのは反対だし仮に辞めても帰ってくることは許さん!」

私の心の声(私だって休めるなら休みたいよ…)

私 「仕事辞めようと思ってる。」

同期「うちの仕事大変だからね。でもどうして?」

私 「(上記の3つの理由を説明)こんな感じでもうしんどくて」

同期「そんなの普通だよ!私なんてもっと長い時間働いてたしもっとお金使ったよ!」

私の心の声(そんなこと知らないし自慢できるようなことじゃないだろ…)

と上記のような否定のされ方をしました。

今思えば、きっと同期もこの会社に毒されていたのだと思います。

働くのは大変なことなのは重々分かっていました。

辞めるのが早いのも重々分かっていました。

周りも大変な思いをしていることも分かってました。

ですが私はもうこれ以上この会社で続けていくのは無理でした。

仕事のやりがいも、自分がこの会社で働く意味も分からなくなっていたのです。

自分なりに考え、葛藤し、悩みぬいた末に退職を決意し上司に電話で連絡をしました。

以下上司との会話です。上司はAさんとします。

私「Aさん、私〇月を以て退職をさせて頂きたいのですが…」

A「今すぐ俺がいるデスクに来い」

私「分かりました。」

Aさんのデスクに向かうと、そこには鬼のような形相をしたAさんがおり、

Aさんにひとしきり睨まれたのち、個室に案内されました。

そこには私とAさんしかおらず、二人きりでした。

A「なんで辞めるんだよ」

私「(3つの理由を説明)などがあって、自分なりに考え退職という結論に至りました。」

A「ふざけるな!!今お前が辞めたら残りの人はどうなるんだよ!

  お前が抜けると残りの人に迷惑がかかるだろう!そんなことも考えられないのか!」

私「重々承知しています。誠に申し訳ないです。」

心の声(何度も人が足りていないと相談したのに無視し続けたのはそっちだろ…)

A「ノルマだってお前がもっと頑張ればいいだけだろう。俺は買えなんて言っていない!」

私「仰る通りです。私の力不足でした。」

心の声(もともと無理なノルマだし買わざるを得なかったんだよ…

    それに買わなければもっと酷い扱いになるだろ…)

A「たった2年で退職する奴なんかどこにいっても通用する訳がない。

  お前はそうやって逃げるんだな。」

私「申し訳ございません。」

心の声(退職はその人の自由だし他の会社の何を知ってるんだよ…)

計1時間程こういった会話が続き、結果的にAさんも了承し

私の持ってきた退職届を乱雑に掴み出ていかれました。

Aさんが出ていった後、

緊張の糸が切れた僕の全身は安堵感で包まれ、暫く動けずにいました。

これでやっと終わる。

そこからは驚く程スムーズに退職手続きが進み、1ヶ月後に晴れて退職となりました。

退職を控えた私はノルマからも解放され、

その1ケ月間は驚く程平穏で、これまでに無い平和な日々でした。

退職の前日には同期やバイト、パートの方々がお世話になった。とのことで

ちょっとしたお祝いが開かれ、そこで皆さんが書いてくれた寄せ書きを頂きました。

人目も憚らずに私は泣きました。これまでの思い出がよみがえり、

その時だけは少し寂しくなり、後悔も少しだけしました。

会社を辞めたその後

会社を辞め、現在は技術職に就いています。

給料も増え、結婚し嫁、子供と一緒に暮らしています。

ノルマも無く、馬鹿げた長時間労働もありません。

決して裕福ではないですがそれなりに幸せな毎日です。

未だにあの日々をふと思い出すことがあります。

時には笑い話として友達や家族に話したり、

一人でバイトの方や同期を思い出してしんみりしたり、

きっと、あの日々も僕の中で大切なものになっているのだと思います。

決して良い労働環境だったとは言えませんが、あの時に学んだことや感じたこと、

それらはすべて今の僕を形作る1つの要因になっています。

今もし仕事で悩んでいる方がいるとして、

その悩みの内容や大小は私が推し量ることは出来ませんが、

一番に大切ものは何かを一度考えてみてください。

あの頃の私は自分自身でした。しかし今の私は家族が一番大切です。

もしあの頃の私が今の私の状況なら、判断はまた違っていたのかもしれません。

しかし共通して言えることがあります。

それは時間がたてば笑い話や、いい思い出になる。ということです。

判断が正しいか間違っているかはどれだけ考えても答えは分からないままです。

ならば今現在、若しくはその時の自分を判断を信じてみても良いのではないでしょうか。

バシロさんへインタビュー


編集長

バシロさん、体験談ありがとうございました。

環境を変えるために転職してそれなりに良い日々を送れているとのことで良かったです。

転職のところなのですが辞めたのは良いものの、なかなか次の職場が見つからないよ、という人も中にはいます。
転職で苦労したことはありますか?

バシロ

私は最終学歴が高卒なのですが、

 やりたい仕事や希望条件に合うのが大卒以上が条件のものが多く、そこで苦労しました。

編集長

たしかに大手の転職エージェントなどでは大卒であることが条件の会社は多いですよね。

経営者との個人的な繋がりや前職のスキルや経験を生かせないとなかなか大卒募集の会社に転職も難しいとはよく聞きます。

面談の際には特に意識したポイントなどはありましたか?

バシロ

予め聞かれるであろうポイントを個々で暗記しました。

 また自分が話せる内容の雑談があれば積極的に話しました。

編集長

事前に対策して雑談も積極的に取り入れたとのことですね。

例え学歴などで不利な場合でもバシロさんのようにうまくいくケースもありました。

体調を崩すくらいのボロボロの状態であれば働きながらでも転職活動はできるので思い切って一歩を踏み込んでみるのも悪くないかもしれません。

※バシロさんは「リクナビNEXT」のアプリで求人を見つけたそうです。