体験談

私が転職してコンサルもできる会計事務所の経理事務に成長できた話

私が転職してコンサルもできる会計事務所の経理事務に成長できた話

転職満足度8点/10点

あおばもち 女性・25歳の頃(現26歳)

職業: 経理事務→経理事務

年収: 330万円→350万円

従業員規模: 10人→7人

これは私が会計事務所で社内で経理を中心としていた仕事から、転職をすることでその枠組みを超えてコンサルまでやれるようになった体験談です。

1.今の会計事務所で成長すれば良いと考えていた

私は会計事務所に所属していたのですが、担当業務はすべて内勤でした。

お客様と直接お話することはほとんどなく、記帳代行や給与計算・申告書作成などの経理事務が中心です。

記帳代行とは会計取引の記録のことです。

お客様から送られてきた領収証や請求書などの会計資料をもとに会計ソフトへ入力し、
必要に応じて財務諸表や所定の会計資料の作成をおこないました。

給与計算はその名のとおりで、勤怠記録や給与規定等に基づいて給与額を算定・報告します。
申告書作成とは、決算時に税務署や自治体に提出する税務申告書を作成する業務です。
このように、すべてオフィス内で完結する内勤業務でした。

会計事務所で大切な業務のひとつに、お客様との面談やコンサルティングがあります。
しかし当時の会計事務所の方針として、お客様と会って直接お話をするのは会計士・や税理士などといった有資格者のみでした。

そのため科目合格はしているものの資格は持っていなかった私はメールや電話以外でお客様とやり取りすることがなく、
上の指示に従って業務を進めていました。

面談等のお客様対応をしてみたい気持ちは強かったのですが、
いずれ資格を取得すれば任せてもらえるようになると考えていたため、
入社して2年ほどの間は特に不満なく過ごしていました。

2.もっと成長したい&勉強と両立が難しいと感じるように

入社して2年が経ったあたりから、もっと速いスピードで業務の幅を広げたいと考えるようになりました。
担当業務について随分慣れてきた頃で、新鮮味や成長を感じられる機会が少なくなっていたのです。

もともと上昇志向が強い自覚があり、成長や変化がない状態が好きではありませんでした。
資格を取れば良いとわかってはいたのですが、当時目指していた税理士資格は年単位で勉強するものであったため、
すぐに取得することは難しいものです。

そのため業務内容が大きく変わるタイミングはしばらく訪れないだろうと考えていました。

また、先述したとおり業務の幅を広げるために資格の勉強をしていたのですが、業務時間の都合上平日はほとんど勉強ができていない状態でした。

業務の幅を広げるために資格を取りたいにも関わらずその勉強ができないため、
いつまでもこのままの状態なのではないかと焦りを感じるようになりました。

人間関係や職場環境に大きな不満はなかったのですが、(もしかしたらこの会計事務所では自分の理想とするキャリアプランを進むことは難しいのではないか?)と考えるようになったのです。

3.希望の条件を満たす会計事務所を複数発見

理想のキャリアプランを進むことが難しいと考えていながらも、しばらくの間転職を考えることがありませんでした。
その理由は、有資格者がお客様対応をするのはどこの会計事務所も同じだと考えていたからです。

どこにいっても変わらないのであれば、特別大きな不満のない今の会計事務所に居続ければいいと思っていました。

しかしその考えは別の会計事務所で勤務していた大学時代の友人によって変わりました。
友人と食事をしているときに仕事の話になったのですが、そこで聞いた話が思いもよらないものだったのです。

「もっと内勤がしたいのに外出ばかりで疲れる」

「業務のなかでお客様対応が一番難しい」

すなわち、友人は外でお客様と会って対応していたということです。

その友人も税理士資格等は持っていなかったため私と同じ状態だったのですが、会計事務所によって任される業務が全く違うのだとそのとき始めて気付きました。

私は試しに会計事務所の求人を検索し、業務内容を確認してみました。

すると驚くことに資格不問であるにも関わらず、業務内容にコンサルティング業務が含まれている求人が非常に多かったのです。
中には資格取得支援のために、勤務時間や業務量の調整をしてくれるという会計事務所もありました。

私の理想とする、資格がなくても直接お客様対応業務を任せてもらえる・勉強との両立が無理なく進められる会計事務所は存在しているのだと知りました。

より理想的なキャリアプランを進むため、当時の会計事務所を辞めて転職することにしたのです。

4.業務の幅が広がり成長を感じられた

転職活動は1ヶ月ほどで終了しました。

転職エージェントには「コンサルティングなどお客様と直接お話する業務がしたい」「資格の勉強のために勤務時間を調整したい」という要望を伝え、いくつかの求人と取り次いでもらいました。

実際は資格不問とはいえそれなりに長期の実務経験が必要な場合や、複数の税理士科目に合格している必要がある場合など、資格以外の面で厳しい条件が付されている会計事務所が多かったです。

そのため理想的な会計事務所ではあるものの。そもそも応募条件を満たしていない求人が複数ありました。

しかし正社員経験2年で科目合格数は1つという私であっても応募できる会計事務所があり、そこで無事内定をもらうことができました。

事前に相談すれば勤務時間の調整が可能であったため、勉強との両立を無理なくおこなえるようになりました。
内勤業務はあるものの、訪問などによるお客様対応も任せていただけるため、理想としていた業務ができている状態です。

仕事と勉強の両立やお客様と直接お話をするのは大変なことも多いですが、やりがいや成長を感じやすくなりました。

理想とする働き方が出来るようになり、日々の仕事がより楽しくなったと思います。

あおばもちさんへインタビュー

編集長

キャリアアップに成功した経理事務の体験談すばらしかったです。

さて質問なのですが、体験談を見たところおあばもちさんはすんなり転職できてしまった印象を受けました。

実際に面談をするにあたって準備したことや工夫したことはありますか?

あおばもち

ピンポイントに会計事務所・経理事務と決めたため的確な対策ができたのだと思います。

会計事務所での勤務経験や経理分野における自身の強みについてなるべく具体的なエピソードを使って話し、即戦力になると感じてもらえるような工夫をしました。

当時は税理士科目に1つ合格していたため、より高度な専門知識を持っている点もアピールポイントとして活用しました。

大学時代から会計学・経営学を勉強していたというのも、熱意を伝えるのに有用であったと思います

編集長

業界と職種を事前に決めていたため特化した対策が取れたことがよかったポイントだったということですね。

あおばもちさんと同様に、経理事務で外の仕事があることを知らない人もいるかと思います。

現在はどういったことを仕事にしているのかよかったら教えてください。

あおばもち

会計事務所勤務のため一般企業の経理事務とは少々異なるかと思いますが、私が外でおこなう業務はクライアントへの月次・年次決算報告やクライアントの会計チェックが中心です。

経理代行を請け負っているクライアントのうち訪問業務が契約内容に入っている場合は、定期的に訪問をして財務諸表などを見せながら直接報告をしています。

特殊な会計取引の有無や前回報告時からの変化・決算に向けての注意事項等をお伝えします。

経理はクライアント自身がおこない、内容が合っているかの確認業務が契約として結ばれているのであれば、クライアントのオフィスを訪問して入力された会計取引のチェック業務をおこないます。

使用した会計資料と入力されたデータを照らし合わせ、処理に間違いがないか・漏れやダブリがないかを確認します。

そのほかにも新規会社設立の打ち合わせや経理担当者との顔合わせなどをおこなうこともあります。

編集長

顔を合わせながら仕事をしたい経理の人には良さそうな仕事内容ですね。

最後に、あおばもちさんと同様に経理事務の社内でのキャリアアップに悩んでいる人がいたらなんてアドバイスを送りますか?

あおばもち

会社の社風や規則上、理想的なキャリアアップを積むことが難しい場合もあるかと思います。

私は転職することで理想に近づけることができましたが、今となっては転職だけが方法ではないと考えています。

私が提案するのは次のふたつです。

・会社に合ったキャリアプランを改めて練り直す

・理想的なキャリアアップを実現できそうな場所へ転職する

たとえば私の場合、前職の有資格者のみがお客様対応ができるという点が不満でした。

しかし今となっては、そのルールは専門知識を正しく身につけ、確実な対応ができるようにするためのものだったのだと考えられます。

そのため
「将来良い形でお客様対応ができるよう、今は内勤や勉強に集中して長い期間をかけて確実な知識を身につけ、将来税理士になったときに自信を持って対応できるようにしよう」
とキャリアプランを変えても良かったなと思います。

新しい業務というわかりやすい成長ではなく、地味だけど着実かつ有用な成長を意識するというキャリアアップ手法です。

キャリアプランを変えたくない・今の環境を変えてでもキャリアアップを目指したいのであれば、転職するのも良いでしょう。

職場環境が大きく変わり社風や規則もまったく違ったものになるため、これまでと違った働き方ができるようになります。

ただし、今の職場にある魅力は失ってしまうということ・すべての転職先で理想的なキャリアアップができるとは限らないことには注意が必要です。

編集長

転職が必ずしも解決策に繋がるとは限らないところは確かに注意が必要なところですね。

本日はありがとうございました。

※あおばもちさんは「人材ドラフト」という会計事務所に特化した転職エージェントを一番利用されたそうです。