会社を辞めて転職をするなら、ある程度考えておきたいのが転職期間です。
転職期間が長くなってしまうと、収入が減って心に余裕がなくなり、転職希望先でも仕事をせず遊んでいたとマイナスの印象を持たれてしまいます。
転職期間を考える上で参考にしたいのが平均的な転職期間です。
転職期間はその人の事情や都合によって異なります。平均的な転職期間を知っておくことで、離職してから次の仕事を見つけるまでの大まかなスケジュールを立てることができます。
今回の記事は、平均的な転職期間の紹介と転職期間が伸びないための対策を紹介します。
平均的な転職期間は3ヶ月〜6ヶ月
それでは、転職活動にどれくらいの時間がかかるのか見ていきましょう。
リクナビNEXTが転職成功者100人を対象に行ったアンケートによると以下のような結果になりました。
内定が出るまでの期間は3カ月以内が73%、3カ月を超える割合が27%になっています。
このデータから分かるように転職期間の平均は3カ月くらいで、長く見て6カ月以内を目標にするのが望ましいです。
ちなみに3週間以内の転職成功者は全体の21%に上ります。
離職してから次の仕事を探す転職だと、3週間以内に求人を見つけて書類選考・面接などを経て転職を成功させるのは困難です。
3週間以内という早い転職成功者は、在職中から転職活動をして、次の仕事が決まってから離職するパターンがほとんどになります。
求人探しや書類選考や面接などは在職中に行い、仕事を辞めるのと同時に次の仕事に就ける状況を作っておくため、転職期間が早くなるわけです。
一般的な転職では、求人探しや書類選考、面接などに時間がかかるため、転職期間には最低でも3カ月以上は見ておきたいです。
このように転職活動の期間は、「在職中の転職活動」と「離職してからの転職活動」では大きく異なります。
転職期間の目安を考えるときは、どちらの転職活動を行うかによっても変わってきます。
余裕をもった計画を事前に立てよう!計画流れの例
転職期間の目安を決めたら、その期間内で転職を成功させるために大まかなスケジュールを決めます。そのあとは要所ごとに具体的な転職計画を立てましょう。
ここでは4カ月を転職期間の目標とし、具体的な計画の事例を紹介します。
①1ヶ月目 自己分析や方向性を決める
転職を成功させるためには、自己分析をして自分の強みを知ることから始めます。
自分の強みが分かれば、その強みを活かせる業種・職種を探して大まかな方向性を決めていきましょう。
自己分析することで、自分のことを他人に説明しやすくなるメリットもあります。
自己分析は、これまでの人生を振り返り、できごとやエピソードを書き出して1つずつ深堀りするやり方があります。
(例)
「ポジティブな分析」
・中学時代は陸上部でキャプテンをしてみんなをまとめていた
┗リーダー力がある。管理者などに向いている。
・高校時代はファーストフード店でアルバイトをして上司に接客を褒められた
┗コミュニケーション能力が高い。人と接する仕事に向いている。
・高校時代はバーチャル株取引にはまっていた
┗経済、投資に関する知識がある。
・前職は他の従業員と仲良くなってプライベートでも遊んでいた
┗良好な人間関係を築ける。集団を好む。
・遊びの計画や旅行の計画は自分がいつも立てていた
┗企画力、提案力がある。
「ネガティブな分析」
・中学時代は工作、美術が苦手だった
┗クリエイターに不向き。コツコツ何かをすることが苦手。
・高校時代は数学の空間図形が苦手だった
┗物事を深く考えることが苦手。
・工場のアルバイトをすぐに辞めた
┗単調作業が苦手。
ポジティブな分析とネガティブ名分析をしていくと、「人と関わりがある仕事に向いていて、単調作業になりやすい事務やアイデアや発想が重要なエンジニア・製造などの仕事に不向き」なのが見えてきます。
方向性としては人と関われる仕事、もしくは人をまとめる管理職などになります。
上記は簡単な自己分析でしたが、自己分析をしてどんな仕事が向いているのか考えましょう。
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②2ヶ月目 ①をもとに業界を選定し企業や業界研究する
1カ月ほど自己分析や方向性の選定に時間を費やしたら、次は①をもとに転職先の業界を選定し企業や業界研究を行います。
- の自己分析から仕事に役立ちそうな能力と能力を活かせる業界・職種を思いつくまま書いてみましょう。
・コミュニケーション能力
┗営業、テレホンサポート、接客業、美容師、FP
・企画力
┗旅行業、イベント、各業界の企画部
・提案力
┗営業、コンサルタント
・管理能力
┗マネジメント、チームリーダー
・経済、投資の知識
┗証券、金融、経営
次にピックアップした業界・職種の中から、自分の強みが活かせる業種と職種を絞っていきます。
(例)
・業種:保険業界、金融業界、旅行業界
・職種:営業
などが候補として挙がります。
このうち知識や経験が活かせる業界があるならその業界を選び、前職とまったく関係のない業界なら、「自分がどの業界で働きたいか」を重視して選びましょう。
同時に、業界のトレンド、採用ニーズの変化、企業のタイプなどの業界研究・企業研究を行い、自分が活躍できる会社や自分の強みが活きる会社をピックアップします。
業界・職種が決まったら、転職サイトや求人サイトなどを使って該当する求人情報があるか探してみましょう。
いくつか候補の企業があるようなら、求人票に記載されている給料や待遇などを参考にして、第一希望・第二希望・第三希望のように順位をつけておきます。
③3ヶ月目 面談も並行しつつ応募する
気になる求人が見つかって応募しても、すぐに書類選考や面接が始まるとは限りません。
1社の書類選考と面接だけで1カ月以上の期間がかかることもあります。
面接に落ちてしまったら、次の求人探しに再び時間がかかり、転職期間がどんどん伸びて効率的ではありません。
このような時間のムダをなくす方法として、同時期に複数の企業に応募する「複数応募」が主流になりつつあります。
1社に絞って転職活動を進めるのではなく、面談も並行しながら求人に応募する方法が効率的でムダがありません。
気をつけないといけないのは、求人応募の数が増えれば増えるほど、1社の企業研究や面接準備に費やせる時間が減ることです。
多くても10社以内に留めておきましょう。
また何でもかんでも応募するのではなく、「その企業を志望する動機」、「その企業に感じている魅力」、「その企業で自分が何をしたいのか」などの質問にはしっかり答えられる企業を選んでください。
応募の順番については、「②2ヶ月目」のところで紹介した働きたい企業の希望順で応募するとよいでしょう。
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④4ヶ月目 面談しつつ選考結果を待つ
4カ月目は3カ月目に行った面談の結果が出てくる頃です。
結果が出るまでの期間は企業によって異なるので、第一希望の企業から面接を受けたとしても、他の企業の結果が先に通知されることもあります。
内定通知を出した企業は、「すぐにでも返事が欲しい」というのが本音です。
結果が出てから2~3日以内に返事をするのが基本ですが、きちんとお願いをすれば入社諾否の連絡を待ってもらえます。
内定辞退の返事が遅れるとトラブルにつながることもあります。
同じエリアで複数の企業に応募している場合、希望する企業に入社したときに内定辞退した企業と関わりが出てくるケースもあります。
希望順位が高い企業から内定通知が来たら、内定通知をもらう前でも他の企業には内定辞退の連絡を入れましょう。
転職期間が伸びる人の特徴
転職期間は3~6カ月以内なら平均的ですが、それ以上の期間になるとその人に何らかの問題があると考えられます。
ここでは、転職期間が伸びる人の特徴を2つ紹介します。
現状から逃げるために転職する人
「人間関係がつらい」、「仕事がブラック」などを理由に会社を辞める人は、転職期間が伸びやすい特徴があります。
現状から逃げるために離職する人は、次の仕事を考える余裕もなく「とにかく早く辞めたい」と考えながら仕事をします。
反対に、「○○の仕事がやってみたい」、「今より給料が多い会社に転職したい」など、次にやってみたい仕事や、次の仕事に希望する条件が明確になっている人は転職期間が伸びにくいです。
現状から逃げて離職すると転職期間が伸びやすいのは、次の仕事を本格的に考え始めるのが離職した後になるためです。
離職してから仕事を探すにしても、次にやりたい仕事が大まかに決まっていれば、3~4カ月で転職することもできます。
実力以上の高望みをする人
転職するなら、少しでも条件のいい会社で働きたいと思うのは当然です。
しかし、あまりにも転職先に求める条件が多い場合や、自分の実力以上の高望みをすると転職先は見つかりません。
雇う側が重視しているのは、即戦力や実力、将来性などです。
そして、これらの要素を判断する材料になるのは、経歴・スキル・知識・実績などになります。
実力以上の条件の会社にたまたま転職ができたとしても、転職して結果を残すことができなければ辞職を余儀なくされます。
転職期間を伸ばさないための対策
転職先期間を伸ばさないためには、離職する前に転職について考えておくことが大事です。
特に現状から逃げるという理由で転職をする場合、「今の仕事を辞めたい」と考えるだけでなく、「今の仕事を辞めたあとは○○の仕事がしたい」と次のことまで考えましょう。
辞めることを目的にするのではなく、辞めてから次の仕事を見つけることを目的にしないと転職期間は伸びてしまいます。
実力以上の高望みをして転職期間が伸びる人は、自己分析や自分の市場価値を知る必要があります。
たとえば、「大手企業の営業に転職して1000万円の年収を目指す!」という場合に、「中小企業の事務職しか経験がない」という人が経歴・スキル・知識・実績のアピールをしても、高い給料を払って採用しようとは思わないですよね。
自分の市場価値を知って身の丈にあった会社を選び、なおかつ転職までの具体的なスケジュールを立てれば、転職期間が伸びることを防げます。
貯金がない人は働きながら転職しよう
会社を辞めてから転職活動をする場合、転職活動期間中に「生活費」や「転職活動費」などの費用が発生します。
仮に生活費が月に20万円かかるとすると、3か月仕事をしなければ60万円、6カ月仕事をしなければ120万円の出費です。
転職期間にかかる費用は貯金・退職金などを切り崩して使いますが、貯金も退職金も少ない場合は身動きができずに思うような転職活動ができません。
貯金がなく退職金をあてにできない場合は、働きながら転職活動をするのがおすすめです。
働きながら転職活動をして、離職するタイミングで次の仕事が決まっていれば、貯金がなくてもお金の問題に直面せずに転職ができます。
他にも、働きながら次の仕事を見つけるメリットには、
・次が決まっていることで退職の交渉がしやすい
・転職に伴う税金、保険の支払い手続きを自分でしなくていい
・時間をかけて理想の求人を探せる
などがあります。
仕事をしながら転職活動するデメリットは、本業があるので転職活動に十分な時間が取れないことです。
ただし、転職エージェントを利用して、コンサルタントに転職活動をサポートしてもらうことで働きながらでも少ない負担で次の仕事が探せます。
働きながら次の仕事を探すなら転職エージェントの活用をおすすめです。
自己分析や自分の市場価値は転職エージェントで知ることができる
転職エージェントのメリットは、転職のサポートだけではありません。
転職のプロがこれまでの転職サポートの実績をもとに、求職者の自己分析・市場価値をさまざまな要素から客観的に判断してくれます。
転職期間が伸びやすい人の特徴のところで、自分の実力以上の高望みをする人は転職期間が伸びやすいと紹介しました。
転職エージェントを利用すれば、自分の実力に見合った求人を紹介してくれるので高望みして転職期間が伸びてしまうことの対策にもなります。
転職エージェントは無料で利用ができるサービスなので、お金の心配をしている人も安心して利用できます。
転職期間を平均以下にするなら在職中の転職活動が必須になるので、転職エージェントの利用も欠かせません。
転職エージェントは求職者の心強い味方!上手に活用してスムーズな転職活動を
まとめ
平均的な転職期間は3ヶ月〜6ヶ月です。
転職期間が長くなるほど生活費や転職費用のコストが多くかかります。転職エージェントを活用して仕事をしながら次の仕事を見つけ、転職期間を短くすることをおすすめします。
転職期間を伸ばさないためには、自己分析をして自分の強みを知り、転職のスケジュールを具体的に決めることも大切です。
この記事が、転職を検討している方の転職期間を考えるきっかけになれば幸いです。