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転職の空白期間(ブランク)が不利にならないアピール方法とは

転職の空白期間(ブランク)が不利にならないアピール方法とは
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たかーし
二児の父親。家族との時間を作るために、一念発起して某証券会社を退職。現在は個人事業者として自由に働けるスタイルを確立し、以前より家族との時間も収入も増えました。 簡単な道のりではなかったですが、あのとき仕事を辞めてよかったと心の底から思える今があります。転職経験がある個人事業者の立場から転職のアドバイスを発信していきます。

採用企業の選考判断基準の1つに、経歴の空白期間(ブランク)があります。

一般的に、空白期間が長くなると転職には不利になると言われているので、空白期間が長くなってくると転職に対する不安が大きくなります。

頑張って転職活動をしているのに仕事が決まらず空白期間が長くなる人もあれば、しばらくゆっくり休みたいという理由で空白期間が長くなる人もいるなど、人によって事情が異なります。

今回の記事では、転職の空白期間が不利にならないアピール方法をはじめ、空白期間が長くなった理由ごとに転職先へのOKな伝え方とNGな伝え方を紹介します。

空白期間がキャリアと繋がるものであったように伝えると空白期間は不利でなくなる

そもそも空白期間が長くなると、転職に不利になるのはなぜでしょうか。

空白期間が長い求職者に対し、採用側の会社は以下のような不安を持ちます。

・働く意欲が低いのでは?

・計画性がないのでは?

・仕事を長く休んでいたので入社しても働く環境に慣れないのでは?

・高望みして仕事が決まらないのではないか?

・以前の知識やスキルが通用するのか?

・会社への不満などから後先考えず前職を退職したのでは?

空白期間があっても、上記のような不安を払拭できるような理由があれば転職に不利ではなくなります。

たとえば、「スキルアップのために資格取得の勉強をしていた」、「やりたいことがあって挑戦していた」、「留学していた」などの理由で空白期間が長くなっている人は、空白期間があっても経験をキャリアに活かせます。

空白期間に遊んでばかりいた人に比べると転職に不利にはなりにくいです。

まずは空白期間が長くなった理由を考え、それがキャリアとつながる内容かどうか考えてみましょう。

たかーし

空白期間に何をして何を考えていたのか?前職を辞めた理由と共に振り返ってみよう!

不利にならない転職までの空白期間の目安は3ヶ月~半年未満

en エン・ジャパンが以前に行った転職活動期間に関する調査によると、1カ月以内に転職が決まる割合が17%、3カ月以内に転職が決まる割合が58%、6カ月以内に転職が決まる割合が22%、7カ月以上かかる割合が3%になっています。

この調査から分かるように、離職してから3カ月以内の転職は一般的なので、空白期間を気にすることはありません。

離職して求人情報を探し、書類選考や面接などを受けていると、次の仕事が決まるまでに3カ月くらいかかるのは普通です。

3カ月を超えてくると少し長いように感じますが、真面目に転職活動をしても求人がすぐに見つからないことはよくあります。

6カ月くらいまでなら空白期間を気にする必要はありませんが、それ以上になってくると企業からも空白期間について聞かれるようになります。

3ヶ月を超えると書類選考で不利になることはある

転職の流れは、「求人に応募→履歴書・職務経歴書(書類)の提出→面接→合否」の順番が一般的です。

空白期間は、履歴書や職務経歴書から分かりますが、3カ月を超えると書類選考で不利になることもあります。

面接なら、空白期間をキャリアにつなげてアピールすることも可能です。

しかし、書類選考は文章のみでのアピールになるので、空白期間が長いという理由だけで落とされてしまう可能性もあります。

面接より前に書類選考になるので、空白期間の長い理由を釈明することもできません。

対策としては、職務経歴書に空白期間が長くなった理由をきちんと書いておくことです。

内容によっては面接までたどり着けることができます。

長期間のブランクは個人に何か問題があるのかどうかを疑われる

長期間の空白期間が転職に不利になるのは、個人に何か問題があるのかどうかを疑われるからです。

あなたが採用者だったとして、同じようなスペックの空白期間が「3カ月の求職者」と「2年の求職者」の2人の求職者がいたと仮定して考えてみましょう。

あなたなら、どちらの求職者の方が安心して採用できますか?

空白期間が2年の求職者に対し、「2年も仕事をせずに何をしていたのか?仕事を辞める必要があったのか?仕事ができるのか?人柄に問題があるのでは?」と不安に思いませんか?

だったら仕事のブランクが少ない3カ月の求職者を選びますよね。

空白期間が長いと、そうでない人と比較されたときに不利になります。

空白期間別!空白期間でやっていたことのNGな伝え方とOKな伝え方

空白期間は長くなればなるほど転職には不利になります。

同じ理由でも空白期間が1年未満と1年を超える場合では、採用担当者の捉え方も変わってくるので、伝え方も柔軟に変えていかなければなりません。

ここでは、空白期間でやっていたことのNGな伝え方とOKな伝え方を紹介します。

空白期間が1年未満の場合

空白期間が1年未満だと、ある程度説得力のある理由が求められます。

ここでは、空白期間が1年未満の場合に、空白期間のNGな伝え方とOKな伝え方を紹介します。

資格勉強していた場合

空白期間中にスキルアップをするために時間を使っていたなら、採用企業から好感を持たれやすいです。

特に資格取得のために資格勉強していたなら、具体的なスキルアップのアピールができてメリットもあります。

ただし、資格の内容が転職先の業務とまったく関係ないとアピールにならないので注意してください。

[OKな伝え方]

「空白期間中は簿記の資格を取得するために勉強していました。資格取得を目指したのは、事務職に就きたかったので、簿記の資格勉強の過程で事務の知識や経験も身につくと思ったからです。」

[NGな伝え方]

「空白期間中は何かの役に立つかと思って簿記の資格を取得するために勉強していました。」←資格取得する意味が伝わってこない。

ニートをしていた場合

空白期間中にニートだった場合、「なぜニートをしていたのか」、「なぜ転職を決意したのか」を伝えられるかどうかがポイントです。

[OKな伝え方]

「離職してどんな仕事がしたいか考えるうちに半年ほど時間が経ちました。そんな中、拝見した御社の求人に「年次関係なく意見を出しあってより良いサービス作りをしている」という部分に惹かれました。」

[NGな伝え方]

「ずっと働いてきたので少し休んでリフレッシュしたかったからです。」←働いている面接官からするといい気持ちはしない。

転職活動をしていた場合

1年未満の空白期間なら、転職活動が長引いてしまったという理由も通用します。

転職活動に時間がかかった理由を納得してもらえるように伝えるのがコツです。

[OKな伝え方]

「在職中は多忙だったので退職してから転職活動をはじめました。転職活動は思ったような結果が出ず、再度自己分析・キャリア分析をしたところ、自分が挑戦したい分野は○○だと気付いて御社に応募しました。」

[NGな伝え方]

「離職してから転職活動していましたが、自分の希望や条件に合う仕事がなかなか見つかりませんでした。」←計画性がない。

語学留学・海外放浪をしていた場合

空白期間中に、語学留学・海外放浪などを行っていた場合は、さまざまな経験をするために行動していたことをアピールするのがコツです。

[OKな伝え方]

「空白期間中は、グローバル化に対応できるように、海外に行って語学や文化を学んでいました。海外で学んだ語学を御社の○○業務に活かせると思い応募しました。」

[NGな伝え方]

「離職したタイミングで、以前から行きたかった海外旅行に行っていました。」←余暇を楽しんでいるアピールは好感を持たれない

夢追いしていた場合

夢を実現するために行っていた行動がある場合は、それを空白期間の理由にするのもありです。

[OKな伝え方]

「空白期間中は、小説家になるために貯金で生活をしていました。そこで得た経験や知識を活かし、さまざまなアイデアを採用してビジネスにつなげることを強みとする御社に応募しました。」

[NGな伝え方]

「空白期間中は、バンドマンになる夢を追いかけていました。夢を諦めて転職することにしました。」←採用企業からすると妥協されたような感じがする。

持病の場合

病気やケガで仕事に就けない事情はやむを得ません。

すでに回復していることを伝え、休職中に努力していたことを伝えるのがコツです。

[OKな伝え方]

「○○の病気を患っていました。今は完治しています。病気で休んでいる間も次の仕事に活かせるように、○○の本や○○の資格勉強をしていました。」

[NGな伝え方]

「○○の病気を患っていました。自宅療養が終わったので転職活動を始めました。」←体調に対する不安が残る。

空白期間が1年を超える場合

空白期間が1年を超えてくると、その間にどれだけ仕事のプラスになるような経験を積んできたかのアピールできるかがポイントになります。

ここでは、空白期間が1年以上の場合に、空白期間のNGな伝え方とOKな伝え方を紹介します。

資格勉強していた場合

資格と言っても、数か月で簡単に取得できる資格もあれば、数年かけてようやく取得できる資格もあります。

数年かかって取得できる資格に挑戦していたのであれば、1年以上の空白期間があっても採用担当者に納得してもらいやすいです。

[OKな伝え方]

「前職は金融関係の仕事でしたが、もっと言葉に説得力を持たせたいと思ってFP1級の資格取得に向けた資格勉強をしていました。資格取得で得た知識やスキルを活かせる御社で働きたいと思い応募しました。」

[NGな伝え方]

「今後の仕事に活かせると思い司法書士の資格取得を目指していました。」←1年以上の空白期間を作るだけの根拠としては浅い。

ニートをしていた場合

1年以上ニートをしていた場合、期間が長いので「勉強していた」、「転職活動していた」などの言い訳は通用しません。

ニートをしていたことを話し、これから転職して仕事を頑張るという熱意を伝えるのがコツです。

[OKな伝え方]

「前職を辞めて今後何をしたいか考えているうちに仕事をする意欲がなくなり就業しない期間が長くなってしまいました。そんな中、御社のサービスを利用したときに、こちらの要望に向き合ってくれる対応に感動し、私自身もその一員となって活動に参加したいと感じました。」

[NG]

「就業していない期間が1年、2年となり、このままではいけないと思い転職することにしました。」←仕方ないので転職しようという感じが見える。

転職活動をしていた場合

自己分析、キャリア分析ができていないという理由などで、転職活動をしても1年以上の空白期間が生じることがあります。

この場合、採用担当者は「具体的に何をしていたのか?」、という部分が気になるものです。

[OKな伝え方]

「私は○○の知識や経験を活かし、○○関連の仕事に就きたいと思い転職活動を行っていましたが上手くいきませんでした。ハローワーク、転職サービスなどを利用して自己分析やキャリア分析を見直すうちに、○○の仕事に挑戦したいと思い御社に応募しました。」

[NGな伝え方]

「ずっと仕事を探していましたが、自分が希望する条件の仕事が見つかりませんでした。御社の求人票を拝見し、ようやく自分が希望する条件の仕事が見つかりました。」←半年以内なら通用するが、1年以上になると時間をかけすぎている印象が残る。

語学留学・海外放浪をしていた場合

語学留学・海外放浪などで数年の空白期間があっても、そこまで転職には不利になりません。

海外に行って学んだ知識、経験や新たに生まれた感性などは、他の仕事をしているのと同じくらい貴重です。

留学や放浪で得た知識や経験が仕事に役立つようにアピールするのがコツです。

[OKな伝え方]

「以前から海外の文化を体験したくて3年間ほど留学していました。そこで英語を習得し、ボランティアを通じてさまざまな人と交流しました。英語とボランティアの知識や経験が御社の○○の事業に活かせると思い応募しました。」

[NGな伝え方]

「昔からの夢だった海外放浪をしていました。一通り回った夢が叶ったので帰国しました。○○がもともと好きなので、御社に応募しました。」←海外の経験が転職理由に活かせていない。

夢追いしていた場合

夢を追いかけることは、自分のやりたいことを重視する価値観を持ち、それを仕事にしたいと考えていることになります。

やりたいことを仕事にするという意志があり、このようなやりたい志向そのものは採用担当者もそこまでマイナスに捉えません。

ただし、やりたい志向を言い訳にして働かないことを正当化するのはよくありません。

その上で経験が活かせるようにアピールを含めて伝えるのがコツです。

[OKな伝え方]

「子どもの頃から夢だったミュージシャンになるために日々過ごしていました。親からは30歳になるまでに叶わなかったら諦めるように言われていて、30歳になったのをきっかけに夢を追うのをやめました。夢を追いかけていた過程で、自分が中心となって何かを売ったり、販売したりすることに喜びを感じていたので、音楽機材関係の営業職に就きたいと思い御社に応募しました。」

[NGな伝え方]

「夢を追っていましたが、思うようにいかず夢を諦めて転職することにしました。前々から興味を持っていた○○の商品を取り扱っている御社で働きたいと思い応募しました。」←夢を完全に諦めきれているのか?、転職を妥協だと思ってないか?と感じる。

持病の場合

病気やケガで長期的に働けないことはやむを得ない事情であり、1年未満の空白期間でも1年以上の空白期間でも伝え方はそこまで変わりません。

ポイントは、病気やケガなどが完治して仕事復帰ができるようになった状態であることをしっかりと伝えて安心感を与えることです。

[OKな伝え方]

「○○のケガで長期入院していました。今は完治して日常生活も問題ありません。ケガで休んでいる間は、○○の資格勉強をしていました。」

[NGな伝え方]

「○○のケガで長期入院していました。少し心配なところもありますが、日常生活を送れるくらいになったので社会復帰しようと思います。」←ケガに対する不安が残る

アルバイトやフリーランスは職務経歴に含める

空白期間中にアルバイトやフリーランスをしていたなら、これらの経験を必ず職務経歴に含めてください。

<例>

・○○のお店で1日5時間のアルバイトを週に3日ほどでしていました

・副業サイトを利用し○○の仕事を請け負っていました

ニートで過ごしていたのと、アルバイトやフリーランスで収入を得ながら過ごしていたのでは、採用担当者のイメージも大きく変わります。

少なくとも、「働くことの意志」はアルバイトやフリーランスから感じることができます。

面談先の会社にも生かせるような経験を積んだことをアピールする

空白期間中にアルバイトやフリーランスで収入を得ていたことだけでもプラスになりますが、面談先の会社にも生かせるようなエピソードがあれば転職成功率がグッと上がります。

たとえば、仕事の経験がエンジニアしかない人がアパレル関係でアルバイトの経験をしていたとします。

まったく違う分野の仕事ですが、以下のように伝えると面談先の会社に経験のアピールができます。

「アパレル関係のアルバイトで初めて接客の仕事をしました。最初はお客さんとコミュニケーションを取ることに苦労しましたが、お客様の立場になって考えて接客を心がけているうちにリピーターさんがついてくれました。
このアルバイトで得たコミュニケーション能力は、チームワークを円滑にすることや取引先との交渉などに活かせると思います。」

アルバイトやフリーランスの経験は、面談先の会社で何かしらの役には立つはずので、考えてみましょう。

たかーし

アルバイトの離職回数は転職回数から外して問題なし!すぐに辞めても不利にならないのでしっかり書いておこう

自分で考えてもわからない場合は転職エージェントを活用してみる

転職の空白期間の理由を考えても、採用担当者に上手く伝えられないと感じる場合は転職エージェントを活用してみるのもおすすめです。

転職エージェントは転職サポートが受けられるサービスで、非公開求人や自己分析・キャリア診断などから自分に最適な求人を探してくれます。

求人関係の悩みや不安だけでなく、履歴書・職務経歴書の書き方や添削、面接サポートなどを受けることも可能です。

転職エージェントのコンサルタントに空白期間の悩みや不安を相談することで、空白期間が不利にならないアピール方法や避けるべきワードのアドバイスなどが受けられます。

せっかく見つけた求人を空白期間で台無しにしないためにも、転職エージェントを積極的に活用しましょう。

たかーし

転職の悩みは1人で考えないこと!まずは気軽に転職エージェントに相談してみよう

まとめ

空白期間が長くなると一般的に転職には不利になりますが、空白期間が生じた理由の内容によっては有利になることもあります。大切なのは伝え方です。

転職活動を少しでも有利に進めていくためにも、空白期間の伝え方には十分に注意してください。

転職の空白期間に不安を感じるなら転職エージェントに相談してみるのもおすすめです。