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パナソニックの退職金は何を意味するのか【早期リストラ】

パナソニックの退職金は何を意味するのか【早期リストラ】
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たかーし
二児の父親。家族との時間を作るために、一念発起して某証券会社を退職。現在は個人事業者として自由に働けるスタイルを確立し、以前より家族との時間も収入も増えました。 簡単な道のりではなかったですが、あのとき仕事を辞めてよかったと心の底から思える今があります。転職経験がある個人事業者の立場から転職のアドバイスを発信していきます。

パナソニックの早期退職者募集と50歳以上に退職金4000万円の上乗せが波紋を呼んでいます。

早期退職者募集は珍しくないですが、「事業は人なり」をモットーに人材を大切にしてきたパナソニックが50代をターゲットに早期リストラを行うのは異常事態と言えるでしょう。

パナソニックの早期退職者募集や退職金の上乗せは、これまで日本が築いてきた終身雇用制度や年功序列制度に反することです。

このような対策を講じることになったのはなぜでしょうか。

この記事では、パナソニックの退職金が意味するものを解説してみました。

パナソニック、50歳以上の早期退職者に退職金4000万円を上乗せした意図とは

現在会社勤めをしている人にとって、「退職者4000万円の上乗せ」はどのように感じるでしょうか。

老後に必要な資金は2000万円と言われており、退職金4000万円は老後資金の2倍になります。

これだけの退職金がもらえたら十分だろうという方もいるでしょう。

しかし、これまで長年勤めてきた会社でリストラの対象になるのは想像以上に苦しいものです。

仕事を辞めて転職したとしても安定した給料は望めず、社外に活躍できる場があるとも限りません。

そのまま会社に居残ったとしても、「自分が会社から不要な人材と見られている」ことを感じながら職場に残るのも辛いものがあります。

会社に残るにしても、転職して退職金をもらうにしても辛い立場に変わりはありません。

パナソニックが50代以上の早期退職者に退職金4000万円を上乗せした意図は何でしょうか?

詳しく見ていきましょう。

これまで就職氷河期でも守ってきた団塊世代が戦力外だった

パナソニック側が50代をターゲットにしていると公にはしませんが、早期退職者募集と退職金4000万円の上乗せは50代をターゲットにしたものです。

今回、退職金に上乗せされる「割増退職金」はキャリアデザイン支援金と呼ばれるもので、加算額は月収の何カ月分という指標で算出されます。

パナソニックの管理職の加算額のレートは「50歳=支給額50カ月」がもっとも多く、51歳=支給額49カ月、52~53歳=支給額48カ月になっています。

加算額のレートを見ても分かるように、パナソニックはリストラのメインターゲットを50代にしています。

この世代は団塊世代の子どもにあたります。

終身雇用制度に守られ、スキルや能力がなくても当たり前に出世して高給をもらっている世代です。

就職氷河期においてもリストラの対象にならず会社に守られてきました。

パナソニックが50代を早期退職者のターゲットにしたのは、能力がないのに給料が高く人件費が多大にかかることが理由としてあります。

しかしながら、終身雇用制度というのは能力の有無に関わらず、退職まで従業員の面倒を見るというものです。

能力がなく人件費がかかるという理由でリストラするのは、終身雇用制度が崩壊しているとも言えます。

パナソニックは景気が良い?退職金は将来の負担を先払いできる余力の証

退職金4000万円の上乗せは、かなりの大盤振る舞いです。

パナソニックとしては、「4000万円を余分に払ってでも会社を辞めて欲しい」ということになります。

パナソニックの4000万円退職金が話題になったのは、終身雇用制度を大切にしてきた社風と4000万円という高額な退職金です。

パナソニックはリストラすることで4000万円のコストを回収できると計算しています。

たとえば、50歳で年収1000万円の社員をリストラしたとします。

4年間で4000万円を回収できる計算になりますね。

60歳まで雇い続けるなら1億円のコストがかかりますから、6000万円の黒字になるとも言えます。

4000万円の退職金は、見方を変えると将来の負担を先払いできる余力の証です。

資金力があって景気がいい大企業にしかできない対策と言えます。

4000万円を上乗せしてでも退職して欲しいという意味

4000万円を上乗せしてでも退職して欲しいのは、バブル世代を中心とした「働かない50代」が社内に居ることが会社にとって大きなデメリットになっているからです。

こうした背景には日本の雇用体制の変化、世界経済の変化なども大きく関わっています。

少子高齢化の影響によって若年層の人材が不足し、若手人材確保のために成果主義を導入する企業も増えています。

スキルや能力を高めてこなかった50代よりも、可能性がある若手を積極的に採用したいというのが企業の本音です。

時代の変化についていけない50代の高給取り社員よりも、時代の変化に対応できる若い世代の社員を雇う方が会社にとっても大きなメリットになります。

たとえ、4000万円のコストが余分にかかっても、パナソニックの資金力や将来を考えると、退職金を上乗せして早期退職者を募集するメリットの方が大きいのです。

他の企業も追随する可能性がある

終身雇用に力を入れて「人材を宝」としていた大企業がリストラするわけですから、パナソニックの早期退職者を対象とした退職金4000万円の上乗せは、パナソニック以外で働く社員にも大きな衝撃を与えました。

しかし、終身雇用の崩壊は日本経済にとって悪いことばかりではありません。

企業の人材が新陳代謝され、新しい事業やアイデアが生まれることで会社の業績が上がる期待もあります。

パナソニックのように誰でも知っている大企業が、使えない50代に厳しい姿勢を見せたことで、日本社会に根強く残っている「終身雇用」にすがる社員にプレッシャーを与えることになります。

パナソニックを皮切りに、今後は同じように「早期退職者募集・退職金の上乗せ」で人員削減する企業が増える可能性があります。

たかーし

終身雇用=安心が通用しない世の中になる!生き残るのは能力がある者

パナソニックほど余力のない会社は退職金が上乗せされない

「4000万円退職金を上乗せするから会社を辞めてくれ!」と聞くと、残酷に感じるかもしれません。

これまで長年にわたって会社に尽くしてきた人にとって、自分がリストラの対象になるのは想像以上にショックなことです。

しかし、他の企業に勤める従業員から見ると、「4000万円の退職金が上乗せされるだけマシじゃないか!」と思うでしょう。

今後は同じように「早期退職者募集・退職金の上乗せ」をする企業が増えるとお伝えしましたが、パナソニックのように高額な退職金が上乗せされる可能性はかなり低いです。

パナソニックほど余力のない会社だと、退職金の上乗せが一切ないかもしれません。

パナソニックの早期リストラは残酷なように思えて、退職金という形で会社が従業員に対してできる最大限のフォローをしています。

損保ジャパンは介護事業を買収して社員を左遷

例えば損保ジャパンに関して言えば買収した介護会社に大量に人を送り込むことで間接的に自主退職を促しています。

おそらく退職金を支払う企業としての体力がなかったのでしょう。

しかしパナソニックと異なりこちらのような対応でサイレントに人件費を減らされていく方が現実的な未来に思えてきてしまいます。

韓国では50歳近くで退職が勧められ早期退職後は自営業をはじめる流れができている

早期退職者募集は終身雇用制度の日本だと話題になることも多いですが、成果主義の諸外国では、能力がない者や事業にマッチしてない人材は当たり前のように早期退職者を迫られます。

たとえば、韓国では多くの企業が50代の初め~半ばくらいで退職を迫ります。

韓国においても50代は転職のハードルが高い年代で再就職先を見つけるのは困難です。

退職した50代は、これまでの貯金や退職金などを使って食料品店や食堂などを開いて自営業者になるケースが多くあります。

日本では早期退職者の多くは転職という道を進みますが、これまでの経験やスキルを活かして独立するという流れができるかもしれません。

たかーし

終身雇用制度の崩壊で働き方は多様化する!早いうちからリストラされた後のことをイメージしておく必要がある

終身雇用に頼らないキャリアパスも踏まえておく

パナソニックのリストラ&退職金騒動は、これからの雇用体制に大きな影響を与えることは間違いありません。

大企業にいるから安泰ということはなく、会社によっては退職金が上乗せされずにリストラされる可能性もあります。

リストラの対象になって慌てないためにも、終身雇用に頼らないキャリアパスを踏まえておく必要性があります。

転職経験者の方が50歳以降も転職のしやすさは高まる理由

一般的に、転職回数が多いほど転職には不利になると言われています。

これは、性格や行動に何らかの問題があって、1つの職場で長く働くことができないと企業に思われてしまうからです。

しかし、50歳以降で次の仕事を探す場合は、まったく転職の経験がない人よりも転職経験者の方が転職のしやすさは高まります。

1つの職場経験しか経験していないと、その会社でのルールが染みついて新しい会社の風潮に馴染むことができません。

それよりも他の職場を経験している50代の方が新しい環境に馴染みやすいと捉えられるからです。

また複数の職場を経験することで習得するスキルの数が増えれば、転職先の候補も増えて転職のハードルは下がります。

パナソニックのリストラの件も踏まえ、1つの企業に固執して働くのではなく、スキルアップを図るために転職を経験するのもありです。

会社の看板に頼らないツテを形成しておくと良い理由

リストラにあった場合、問題となるのが転職です。

パナソニックのように50代をターゲットにしたリストラだと、年齢的に次の仕事を見つけるのが難しくなります。

ただし、ツテがあればコネで好条件の会社に転職できることもあります。

会社の看板に頼らないツテを形成し、転職が必要になったときに仕事を紹介してもらえるように早めに対策しておくのもよいでしょう。

私は大手証券会社から独立した経歴を持ちますが、大手証券会社時代に顧客や取引先の方と積極的にコミュニケーションを取ってツテを作っておいたおかげで、独立した際に多くの人に助けてもらいました。

中には、「今よりもいい条件でうちの会社に来ない?」と誘ってくれた人もいました。

いろいろな転職の方法がありますが、ツテを形成しておくと何かと役立ちます。

日ごろから人付き合いを大切にして顔を広めておきましょう。

たかーし

人脈は宝!困ったときに役立つ!人付き合いを大切に

会社の将来性が不安であれば分析した上で転職の選択肢もあり

会社の将来性が不安でリストラの噂や可能性があるなら転職という選択肢もありです。

転職する上で重要なのが、自分のスキルや能力を活かせる仕事選びになります。

自分のスペックは自分で判断することは難しいため、転職支援のプロである転職エージェントを利用して分析してもらうことをおすすめします。

転職エージェントは無料で利用ができるサービスです。

自分のスキルや経験にマッチした求人を探してもらうことや、履歴書・職務経歴書などの書類添削、面接サポートなども受けられます。

在職中でも利用できるサービスなので、条件がいい仕事が見つかってから離職の準備を進めていくのもありです。

まとめ

パナソニックが最大4000万円の退職金を上乗せして早期退職者募集をしたことからも分かるように、確実に日本の雇用制度は変わりつつあります。

1つの企業で退職するまで働き続ける終身雇用は崩壊し、今後はスキルや能力が求められる成果主義に変わることが考えられます。

今勤めている会社でも同じように早期退職者を募り、自分がリストラの対象になる可能性もあります。

少しでも今の会社の将来に不安があるなら、早いうちからツテを形成して転職を視野に入れて将来設計をしましょう。

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