転職理由の1つにパワハラがあります。
会社での地位を背景としたパワハラ行為は後を絶たず、精神的な限界を迎えて病気になる人も少なくありません。
そうなる前に転職をして環境を変えるのも方法の1つです。
ただし、パワハラ理由に転職するなら面談のときに自分から積極的に話すのは避けた方がいいケースもあります。
その理由について解説していきます。
パワハラを全面に出して面談するのは辞めよう
パワハラを受けたという理由で会社を辞めることは一般的にあることです。
転職希望先で面談を受けるときに「パワハラを受けた」と言うと、担当者も転職したい理由として納得はするでしょう。
しかし、パワハラを全面に出して面談するのは転職を不利にする可能性もあります。
ここでは、パワハラを全面に出すことが転職に不利になる理由を解説します。
初めましての採用人事からするとどの程度まで会社か本人の責任かがわからない
面談のときに「前の会社で上司にパワハラを受けました」と伝えても、採用担当者は本人の責任か会社の責任か分かりません。
もちろんパワハラ自体はダメなことですが、業務で必要な叱責や注意などをパワハラと捉える人が多い現実もあります。
採用担当者としては求職者の話しばかりを鵜のみにする訳にもいかず、「本人にも何らかの問題があったのでは?」と疑いながら話しを聞いているものです。
本当に被害届を出すくらいのパワハラを受けていたとしても、初めましての採用人事にそれが事実かどうかを判断する根拠はありません。
被害者アピールばかりしていると逆効果になってしまう可能性もあります。
採用目線ではあなたに同情はしてもすぐに辞められたり問題が起こることの方が怖い
採用人事は、パワハラの話しを聞いて同情することがあっても、だからと言って雇いたいとはなりません。
自分が採用人事になったつもりで考えるとイメージしやすいですが、パワハラを受けたトラブルがありそうな人よりもトラブルがなさそうな人の方が安心して雇えます。
冷たいようですが、会社が人材を採用する目的は利益を増やすためです。
パワハラされたアピールをされても、それが会社の利益にはつながりません。
むしろ、「採用するとパワハラと騒いですぐに辞めてしまうかもしれない」という不安の方が大きくなります。
転職においては、パワハラされたという事実を伝えることにメリットはほとんどありません。
キャリアアップやスキルアップなど前向きな理由を伝える
パワハラが原因で転職する場合は、他の転職理由を考えるのが望ましいです。
その場合、ネガティブな理由ではなくポジティブな理由を伝えるようにしましょう。
ポジティブな転職理由として挙げられるのはキャリアアップやスキルアップなどです。
それでは詳しく見ていきましょう。
深堀されたら初めてパワハラがあったことを慎重に伝える
面談では前職について深堀されることもあります。
キャリアアップやスキルアップを転職理由にしても、内容によっては過去のパワハラに触れなければならないこともあるかもしれません。
その場合、パワハラにあったことを慎重に伝えても問題はないです。
自分からパワハラされたと最初からガツガツ言うのは印象も悪いですが、人事採用が話しを聞く中で仕方なくパワハラについて触れたのであれば印象はそこまで悪くありません。
同じ「伝える」でも前者は最初から前の会社が悪かったと決めつけていますが、後者は最初から悪かったと伝える気がなかったと捉えられます。
ただ、パワハラはデリケートな問題なのでこと細かく説明する必要する必要はありません。
人事に聞かれる範囲で最低限のことを伝えましょう。
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キャリアアップやスキルアップなどの障壁となっていたことを伝える
パワハラを転職理由に入れるなら、キャリアアップやスキルアップと絡めるのがコツです。
パワハラを受けていても、前の会社で得た知識や技術などもあると思います。
これらの知識や技術を転職後に活かしたいことを伝えていきます。
また「前の会社で働き続けてもキャリアアップやスキルアップが図れない」と伝えることによって転職理由も前向きに受け止めてくれるはずです。
ただし、キャリアアップやスキルアップができない理由をパワハラだけのせいにしてはいけません。
「上司や会社の方針と自分の考えがずれていた」のように、どちらかを一方に責めるのではなく方向性や方針などの違いを全面に出せばそこまで印象は悪くなりません。
自分の範囲でできる工夫をしていたらそれも伝えよう
面談時にパワハラについて触れる場合は、そのときどんな対応をしていたかも伝えましょう。
具体的には、パワハラを受けていたことだけを話すのではなく、パワハラを受けていたときに「解消する努力をしたか」、「パワハラを会社の誰かに相談したか」などです。
パワハラへの対応を聞かれる理由は、採用して問題が発生したときにどんな行動を取るのかを把握するためです。
誰に何も言わずに我慢して辞めた場合、採用しても同じように我慢して会社を去っていく可能性があります。
そのあとパワハラを受けていたと噂を流されても困るのが本音です。
しかし、会社に相談して自分なりに問題解決をしようとしたことが分かれば、採用して問題が発生したときも同じように解決を図ろうとすることが想像できます。
また、「転職できたら、今までよりも他の従業員と積極的に交流を図って問題点を解決し合えるように努力したい」など、自分自身が努力したいことも伝えることができれば印象はかなり良くなります。
パワハラの定義とは何かを知っておこう
パワハラとは、同じ職場で働く者に対し、職務上の地位や人間関係などの職場内での優位性を利用して業務の範囲を超えて精神的・肉体的に苦痛を与える行為です。
具体的には以下のような行為になります。
・殴る、蹴るなどの身体的攻撃
・人格否定、長時間の叱責、複数の同僚に対する侮辱的な言葉を使った連絡
。1人だけ孤立させる、会議への出席を認めないなどの人間関係からの切り離し
・業務上明らかに不要なことやできないことを強制させる行為
・プライベートに立ち入る
・能力とかけ離れたレベルの低い仕事を命じる行為
などです。
ちなみにパワハラの相談がしたいときは、以下のような相談場所があります。
・総合労働相談コーナー
・労働条件相談ほっとライン
・社会の相談窓口
他にも、法的な問題解決を希望するなら弁護士に相談するのも方法の1つです。
まだ在職中の場合は転職活動を始める前に関係機関に相談することで問題解決の糸口が見えてくることもあります。
パワハラ行為に対して厳罰化が進んでいる!辞めるくらいなら事前に相談しよう
相談しづらいパワハラを理由に転職するならエージェントで相談するのもあり
パワハラを理由に転職するにあたり、転職理由をなかなか伝えることができないときは転職エージェントの利用をおすすめします。
転職エージェントは無料で利用できる転職支援サービスです。
転職のプロが求職者の悩みや希望、転職に求める条件などを聞いた上で、最適な求人情報を紹介してくれます。
また面接対策も行っているため、パワハラで転職したいときの理由の伝え方などのアドバイスを受けることもできます。
転職エージェントは条件がいい非公開求人も取り扱っているため、今よりも条件がいい求人が見つかる可能性もあります。
相談したからと言って転職を強制されるわけではないため、まずは気軽な気持ちで相談することをおすすめします。
まとめ
パワハラを理由に転職するときは、面談時にパワハラを全面に出すのは控えましょう。
転職理由はスキルアップやキャリアアップのようにポジティブな理由が望ましいです。
「転職理由が上手く伝えられない」、「パワハラについて触れられたら上手く対応できない」などの不安がある場合は転職エージェントの利用をおすすめします。
転職エージェントを利用すると、非公開求人を紹介してもらえることや面談先の企業と条件交渉をしてもらえることもあります。
自分が不利にならないためにも、プロにアドバイスをもらって転職活動しましょう。
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