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介護離職でUターン転職のメリット・デメリット

介護離職でUターン転職のメリット・デメリット
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たかーし
二児の父親。家族との時間を作るために、一念発起して某証券会社を退職。現在は個人事業者として自由に働けるスタイルを確立し、以前より家族との時間も収入も増えました。 簡単な道のりではなかったですが、あのとき仕事を辞めてよかったと心の底から思える今があります。転職経験がある個人事業者の立場から転職のアドバイスを発信していきます。

親や家族の介護のために、会社を退職する介護離職が増加しています。要介護者が身近にいるなら今の仕事を続けながら介護サービスを利用する手もあります。

しかし、要介護者が田舎にいるなら、離れた場所から介護やサポートを直接することはできません。

せっかく就活して見つけた仕事なのに、介護離職でUターンするのは本意ではないという人もいるでしょう。
その一方で、大切な家族や親の介護が必要になったら近くにいたいという気持ちもあると思います。

後悔しないためにも、介護離職でUターン転職するメリット・デメリットや離職の注意点、Uターンせずに介護する方法などを知っておきましょう。

Uターンしても働きながらの介護は多大な労力を覚悟する必要あり

田舎の親に介護が必要になったとき、実家に帰って面倒を見る「Uターン介護」があります。
親の近くにいれば何かあってもフォローができますし、親も環境が変わらないので安心できるなどUターン介護にはメリットが多いように感じますね。

ただ、要介護者の状況にもよりますが、働きながらの介護は多大な労力を要します。

私も母と一緒に末期ガンの父を在宅介護しながら看取った経験がありますが、仕事で疲れて帰ってから入浴・食事・排せつ補助などを行っていました。

これらの補助は子育てでも経験することですが、子育ては成長に伴って手から離れていくので、大変でも希望を持ちながら行うことができます。
しかし、介護については終わりが見えません。要介護者の死を持って介護から解放されます。

元気だった自分の親に介護が必要になるという現実も、最初のうちは受け入れがたいものです。
介護離職でUターンするなら、慣れている仕事を辞めて新しい仕事に就くことになります。仕事も介護も1からのスタートです。

仕事でストレスが溜まり、介護でストレスが溜まり、ストレスの発散場がなくなって要介護者にあたってしまうという悲しい現実もあります。
「親の介護が必要になったので地元に帰って他の仕事を探したらいっか」くらいの感覚でいると、仕事と介護の両立の壁にぶち当たります。

都心部に比べると地方の求人は少ない

東京をはじめとする都市部には、全国の大中小企業が集まっています。
職種の幅も広く、最先端の技術を用いている会社もあります。都市部は求人数が多く、仕事を選ばなければ働ける場所はたくさんあります。

その一方で、企業数が少ない地方は求人数そのものが多くありません。介護離職でUターンしようと思っても、仕事そのものが見つからないケースもあります。

求人数や求人している職種は地方によってばらつきがあります。

たとえば、私の住んでいる愛媛県では、県庁所在地がある松山には数多くの企業があるので求人数も比較的多いです。
愛媛県の東側(東予地域)はタオル・製紙が盛んなこともあり、工場・製造などの二次産業の求人があります。
一方、愛媛県の南側(南予地域)は農業・漁業が盛んなこともあり、農業・漁業関係の求人が中心です。

地方は、求人があっても自分の希望する職種が見つからないこともあります。

たかーし

まずは求人サイトで地元にどんな求人があるのか調べよう!

規模の問題で都心部での経験を生かせない可能性もある

転職する際には、過去の経験やスキルを活かしてキャリアアップ転職を狙う人も多いです。
キャリアアップ転職することで、収入増加や新しい知識・技術を習得できるメリットがあります。

このようなキャリアアップ転職ができるのは、求人の幅が広い都市部だからこそです。
求人数が少なくなるUターン転職は、都市部での経験を生かせない可能性もあります。

たとえば、某大手IT企業で「JAVA言語のプログラミング技術を習得し、データベースはMySQLでアプリケーション開発ができる。」
というスキルと経験があるとします。IT業界では重宝される人材ですが、それ以外の業界ではあまり評価されず宝の持ち腐れになります。

Uターンした先にIT企業があれば経験を活かしたキャリアアップ転職もできますが、時代の先端にいるようなIT企業は都市部に集中しているので、Uターンしても経験を活かせる確率は低いです。
もし地方にIT企業があったとしても規模が小さいため、都会の大手IT企業のような給料や待遇は見込めません。

たかーし

Uターン転職は知識・経験を活かしにくい!1からやり直す気持ちも必要

Uターン転職で収入もダウンしやすい

マイナビ転職が行った調査によると、Uターン転職における不安は以下のようになっています。

給料が下がる39.8%
仕事に就けるか心配33.6%
求人数が少ない29.6%
新たに人間関係を築くのが大変19.8%
興味が持てる求人が少ない19.0%
生活の利便性が悪くなる18.4%
地元の景気が良くない14.4%

この結果を見ても分かるように、給料が下がることに不安を持っている人が多いのが分かりますね。
実際にUターン転職で収入はダウンしやすいです。

Uターン転職で給料が下がる原因として、

・大手企業が少ない

・マーケットが小さく収入が少ない企業が多い

・採用職種、業種が少ない

などがあります。
単純に考えて「収入が多い企業=給料が多い企業」です。人口が集中している都市部はマーケットが大きいので収入も多く給料も高くなります。

私も最初は地方の証券会社で働いていましたが、年収600万円で止まりました。
さらに多くの給料をもらうために都市部の大手証券会社に転職し、最終的に年収1000万円を超えました。
同じ業種でも都市部の方が規模も大きく、それだけ収入が多くなることを実感しました。

ただ、今はUターンしましたが、独立して大手証券会社時代よりも収入は増えています。
場所によって仕事の内容が変わらない、「ネット関係、業務委託、テレワーク系」は地方でも強いです。
Uターンで収入は減りやすいものの、働き方によっては収入を減らさずUターン転職できることもあります。

介護サービスを活用して離職しない方法

介護離職せずに田舎の親を介護する方法に、介護サービスを利用した「遠距離介護」があります。

遠距離介護のメリットは、

・住み慣れた土地なら親も安心して暮らせる

・今の仕事を辞めずに介護ができる

・介護のストレスが軽減される

などがあります。

遠距離介護のデメリットは、

・介護費用がかかる

・何かあってもすぐに対応ができない

などがあります。

介護サービスの多くは介護保険が適用されるため、実際にかかる金額の1~3割負担でサービスの利用ができます。

遠距離介護で活用したい介護に関するサービスを以下の表にまとめています。

介護サービス名概要
訪問型サービス訪問介護員による身体介護や生活援助が受けられる。介護予防訪問介護と同様のサービスが受けられる。
通所型サービス被介護者が自ら生活する場所とは違うところを訪れ、身体介護・レクレーション・生活援助などが受けられる。だいたい送迎がついている。
宿泊型サービス被介護者が宿泊して身体介護や生活援助が受けられる。
活用したいサービス概要
見守り遠くにいる家族の代わりに高齢者をサポートするサービス。訪問型、センサー型、オート電話、カメラ型、宅配型などがある。セキリュティ会社や介護施設などが行っている。
交通費割引介護割を利用して交通費の節約ができる。各航空会社、JRなどが行っている。

このような介護サービスを組み合わせることで、遠方にいながら介護離職をせずに親の介護ができます。

たとえば、

・週2回のデイサービス

・月4回のショートステイ

・週3回の訪問介護

・週1回の訪問リハビリ

・見守りサービス

・交通費割引で月1回の帰省

このように離れていながら複数の介護サービスを使うことも可能です。ただし、介護サービスは要介護度によって受けられるサービス内容が変わります。
まずは地域包括センターや市役所・区役所の介護課に相談しましょう。

たかーし

介護サービスを利用すると心も体もラクになる!介護は1人ですべてを抱え込まないように

介護サービスと在宅介護の比較

介護離職でUターン転職を考える場合に、介護の方法として「在宅介護」か「介護サービス」の2パターンがあります。

在宅介護とは、親の介護を子どもが担って要介護者を介護する方法です。
介護サービスは、訪問・通所・宿泊サービスなどを利用して介護の一部、またはすべてを介護スタッフに任せて介護する方法になります。

被介護者の状況によって変わってきますが、まずは介護サービスと在宅介護のメリット・デメリットをまとめた以下の表をご覧ください。

メリットデメリット
在宅介護・住み慣れた自宅で生活が続けられる・介護サービスを利用するよりも介護費用を抑えられる・家族の負担が大きい・適切な介護がしにくく、寝たきりになりやすい・介護用品、設備に費用がかかる・徘徊時に周囲に迷惑をかけることがある
介護サービス・プロによる24時間体制の介護サービスが受けられる・家族の負担が小さくなる・入居者と交流ができる・費用がかかる・他の入所者と人間関係トラブルを起こすことがある

在宅介護のメリットは何といっても介護費用の負担が小さいことです。
ただし、介護離職でUターン転職して収入が下がるなら、今の仕事を続けたまま介護サービスを利用し、遠距離介護する方が総額で見ると安くなることもあります。

介護サービスのメリットは家族の負担が小さく、プロの介護サービスが常に受けられることです。
また入居者同士の交流ができることで、やりがいや生きがいが見つかることもあります。

「Uターン転職して給料が上がる見込みがある。ずっと親のそばにいたい。」
という場合は在宅介護でも良いですが、そうでなければ介護サービスを使って介護する方が精神的にも肉体的にも負担は少ないです。

たかーし

在宅介護と介護サービスを組み合わせるのもあり!柔軟性を持ってライフスタイルに合わせよう

介護休業給付を利用する方法

家族の介護の準備、介護が理由で仕事を休む場合などに使えるのが「介護休業給付」です。
雇用保険の被保険者で一定の条件を満たすと、職場復帰を前提として賃金の約67%の給付金を受け取ることができます。

(介護休業給付金の受け取り条件)

・介護休業を取得した雇用保険の受給資格者

・介護休業の開始日の前2年間に雇用保険に12カ月以上加入している

また介護休業を開始した日前2年間に被保険者期間が12カ月ない場合でも、本人に病気がある場合は受給要件が緩和されることもあります。

介護休業給付を受けるためには介護休業を事前に取得しなければなりません。
介護休業は対象家族の介護のために休業できる制度で、介護が必要な対象家族1人に対して通算93日の休みが取得できます。
介護休業は3回まで分割して取れるので、「31日・31日・31日」や「50日・30日・13日」のように状況に応じて休めます。

介護休業給付の申請は、介護休業が終了してから行います。介護休業期間中は給付金の受け取りができないので注意してください。
申請機関は介護休業終了日の翌日から2か月後の月末までです。

介護休業期間中に有給や手当などで給与を受けていると、その金額によっては支給額が減ることや支給されないこともあります。

長期的な介護だと介護休業給付金だけで問題解決にはなりませんが、遠距離介護の環境を作るためや在宅介護の環境を整えるなど一時的に介護で休業したいときには役立つ制度です。

介護離職をする前にUターン転職ができるのかどうかエージェントに相談するのもあり

介護離職でUターンして仕事が見つからなかったら、介護の問題だけでなく仕事・お金の問題ものしかかります。
焦って転職をしても長続きはせず、心にも体にも大きな負担になります。

そうならないために、介護離職する前にUターン転職ができるか確かめておく必要があります。

「遠方にいながら転職活動はできるのだろうか・・」と不安を持つ方もいるかもしれません。
そこでおすすめするのが、転職エージェントです。転職エージェントを利用すれば、仕事をしながらでも転職活動のサポートが受けられます。

転職のプロの支援が受けられるので、介護離職やUターンに関する悩みや不安なども気軽に相談してアドバイスをもらうこともできます。

転職エージェントは非公開求人も多く取り扱っているので、条件がいい地方の求人情報が見つかるかもしれません。
転職エージェントは基本的に無料で利用ができるサービスなので、安心して利用できます。

まとめ

介護離職でUターン転職すると、給料は今より下がる可能性が高いです。在宅介護するなら体や心の負担もかかってくるので、これまでと同じような生活を送ることは難しくなるでしょう。

どうしても家族の側で介護がしたい!というのであれば、Uターン転職をして在宅介護をするのも方法としてあります。
転職エージェントを活用すれば、地方でも好条件の求人が見つかるかもしれません。

収入を減らしたくない、仕事を辞めたくないというのであれば、介護サービスを活用して遠距離介護することをおすすめします。
1人で悩む前に、介護のことは地域包括支援センターや自治体の福祉課、転職のことは転職エージェントなどにまずは相談しましょう。