異動になったので仕事を辞めたい。
このようなお悩みを抱えてはないでしょうか。
異動を望んでいないのに会社から部署異動を命じられたなら、仕事を辞めてしまいたいと思うのは当然です。
異動によって人間関係がうまくいかなかったり、新しい仕事を覚えられなかったり、望んでいない仕事をムリにさせられたり、異動がきっかけで仕事人生が大きく変わることもあります。
希望しない異動を命じられたとき、それをきっかけに仕事を辞めるのはありなのでしょうか?
この記事では、異動が耐えられなくて悩んでいる人向けに会社を辞めるべきかどうかを解説します。
異動を断ることはできる?
異動命令が出たとき、断ることができるかどうかは就業規則によって変わります。
会社に転勤命令権が定められている場合、異動を断ることは就業規則違反になるので断ることはできません。
日本の大企業や比較的規模が大きな中小規模になると、多くの企業の就業規則に異動する内容が記載されています。
まずは就業規則を確認して異動のルールがどうなっているのか確認してください。
また、就業規則に転勤命令権が定められていたとしても、異動を断ったからと言ってすぐに解雇になるわけではありません。
しかしながら就業規則に書かれているため、異動を断ると企業にはマイナスの印象を与えることになります。
出世や昇給などにも関わり、周囲からは冷たい目で見られるかもしれません。
異動を断ることはできますが、今より立場は悪くなる可能性が高いです。
異動を言い渡されたので辞めたい…どうすれば良い?
異動を言い渡されて仕事を辞めたいと思う場合、選択肢として「異動の拒否」と「離職・転職」があります。
それぞれのパターンを紹介します。
異動を拒否する
異動を言い渡されたら会社の指示に従うのが鉄則です。
しかし、正当な理由がある場合に限っては異動の拒否を申し立てることができます。
異動の拒否ができるケースとして以下の3パターンがあります。
・入社時の雇用契約書に異動の可能性が明記されていない
・やむを得えない事情がある
・異動の理由が不当な場合
それぞれ見ていきましょう。
入社時の雇用契約書に異動の可能性が明記されていない
入社するときに雇用契約書にサインをしますが、雇用契約書に勤務地や職種が限定されているなら、契約違反になるので異動を拒否することができます。
会社の長い歴史の中で仕事内容が変わることは多々あります。
入社したときは小規模な会社だったのに、どんどん成長して他部署や県外にも拠点を作っていく場合、入社時と勤務条件も変わって異動が必要になるケースもあります。
雇用契約書に異動の可能性が明記されていないなら異動を拒否するのもありですが、会社に貢献する意欲がないと判断されてしまい不遇な扱いをされる可能性は否定できません。
やむを得えない事情がある
やむを得ない事情があって異動できない場合、会社に相談することで異動しなくてよくなる場合もあります。
やむを得ない事情とは、たとえば、
・要介護の親がいて面倒を見る人がいない
・子どもが病気で治療を受けている
・配偶者が大けがをして長期治療を受けている
などです。
異動によって本人や家族に大きな負担がかかる場合、異動を拒否して受け入れてもらえることもあります。
異動できない明確な理由がある場合は、早めに会社に相談することをおすすめします。
異動の理由が不当な場合
異動と言っても、現職より昇格する栄転もあれば、現職よりも低い地位や役職に落とされる左遷もあります。
左遷は会社で問題がある社員を対象に行われることが多いですが、上司に反抗したり嫌われたりした場合に報告人事で異動させられることもあります。
明らかに報復人事だと分かる場合は拒否権があります。
それでも会社が応じない場合は裁判で争うことになりますが、周囲の人の証言や日々の記録、録音などの証拠が必要となります。
自分で判断するのではなく、まずは以下の機関に相談することをおすすめします。
・労働基準監督署
・労働局
・弁護士会・司法書士会
離職・転職をする
望まない異動を命じられて会社を辞めたいと思うなら、離職や転職をして会社を辞めるのもありです。
会社側としても、異動した後に辞められるよりも異動する前に辞められた方が人員補充の面から助かります。
ただし、望まない人事異動命令を受けて退職や転職する場合も「自己都合」の退職になります。
会社都合の離職にはならないため、失業手当がもらえるのは3か月後であり、受け取れる期間も短くなります。
異動したけど合わないので辞めたい…どうすれば良い?
異動したけど合わないので辞めたいと思う場合、まずは退職したい理由を客観的に分析してみましょう。
環境が変わると、誰しも慣れるまでには時間がかかるものです。
異動して辞めたいと考えている方は、新しい職場に馴染むことができないという理由で辞めたくなっているかもしれません。
この場合はすぐに辞めてしまうのではなく、「慣れるまでには時間がかかる」と割り切って今の職場のいいところをなるべく探しましょう。
人間関係、環境の問題などは時間が経てば解決することも多いです。
しかし、業務内容が合わないという理由や、不当に異動させられたなどの理由が原因だと、時間が経っても辞めたい気持ちは変わりにくいでしょう。
この場合は、離職や転職を視野に入れることをおすすめします。
辞めたい理由を整理しよう!どうしても無理なら早めの転職活動を
辞めたい理由がしっかりしていれば面談において不利にはならない
異動が原因で仕事を辞めたい場合、その理由を転職希望先の面談でどのように伝えたらいいのでしょうか。
転職希望先の企業にも異動がある場合、異動を理由に前職を辞めたと伝えてしまうと、「採用しても異動時に辞められてしまう」というネガティブな感情を持たれます。
もちろん異動で辞めたい理由と言っても左遷のように企業側に原因があるケースもありますが、「遠方に行くのが嫌」、「他の職種は嫌」のように環境が変わる程度の理由だと良い印象は受けません。
異動が原因で仕事を辞めたいときは、面談で不利にならないように辞めたい理由をまとめておく必要があります。
たとえば、「今の職場は変化を好まない会社の風土であり、アウトソーシングの提案や増員要望を出しましたが、聞き入れてもらうことはできませんでした。テレワークやアウトソーシングなどをいち早く取り入れ、時代に合わせた働き方を提案している貴社で働きたいと転職を決意しました。」
このように異動が離職の直接的な原因であっても、異動を除いた離職理由を前面に出して面談対応するのもありです。
辞めたい理由がしっかりしていれば面談で不利になることはありません。
今の会社を辞めたい理由と転職希望先で働きたい理由を明確にしておこう
キャリアプランにとって不利になったのであれば転職はあり
近年、キャリアプランという言葉を見聞きする機会が増えました。
キャリアプランとは、「自分の将来の理想像を明確にして理想の実現を目指して構築された具体的な行動計画」のことを言います。
たとえば、「10年後のあなたはどうなっていますか?」
という質問を受けたとします。
キャリアプランができていない人は、
「分かりません。」や「今より良くなっている」
など曖昧な答えしか返ってきません。
キャリアプランができている人は、
「○○の役職に就いて○○の仕事をしている」、「独立して○○の事業をしている」
など具体的に10年後の自分をイメージできています。
キャリアプランを描きながら仕事に励んでいる人にとって、異動は「予想外のできごと」になります。
異動で違う職種を経験することになるとキャリアプランの再構築が必要です。
異動によってキャリアプランが不利になっても再構築できるなら仕事を続けるのもありですが、転職した方が新たなキャリアプランが築けるなら転職することをおすすめします。
働きながら転職エージェントを活用してみよう
異動がきっかけで仕事を辞めたい場合、すぐに仕事を辞めるのではなく次の仕事が見つかってから仕事を辞めるのが望ましいです。
一般的に異動の内示は2週間前から2カ月前くらいに内示が出ることが多く、家族を含めて転居が必要になる場合は3カ月前から6カ月前くらいに内示が出ます。
異動する前に辞めたい場合は、内示されてから退職するまでの期間が短いため、自力で求人を見つけようとしてもなかなか転職先は見つかりません。
そこでおすすめするのが転職エージェントの活用です。
転職エージェントは転職支援サービスのことで、転職したい人なら誰でも無料で利用できるサービスになります。
自分のキャリアに合った求人を探してくれることや、履歴書・職務経歴書などの添削、面接サポートなどを行ってくれます。
在職中でも転職サポートを受けられるため、仕事をしながらでも転職活動が進められます。
転職相談のみの対応も行っているので、「異動で仕事を辞めたい!」と悩んでいる場合は相談してみることをおすすめします。
転職エージェントを利用して自分の市場価値を知ろう!転職の幅が広がる
まとめ
異動が耐えられずに仕事を辞めたいなら、仕事を辞めて新しいキャリアを模索してみるのもよいでしょう。
特に現職よりも低い地位や役所に落とされる異動だと、仕事をするモチベーションを保つことも難しくなります。
スムーズに転職するためにも、早い段階から転職エージェントの力を借りて転職活動することをおすすめします。
まずは、転職エージェントに自分に合っている仕事や離職のタイミングなどを気軽に相談してみましょう。