体験談

離婚をきっかにピアノを手放し22年の音楽講師から別業界の自動車損害保険コールへ転職した話

離婚をきっかにピアノを手放し22年の音楽講師から別業界の自動車損害保険コールへ転職した話

転職満足度10点/10点

Puamakana 女性・43歳の頃(現46歳)

職業: ピアノ教室講師→コールセンター(自動車保険)

年収: 360万円→360万円

従業員規模: 180人→14,861人

これは43歳までピアノ講師一筋だった私がピアノを手放し民間企業へ転職したお話です。

子供の頃からの夢~ピアノ講師として22年活動

幼児期からピアノを習い始め、小学校に入学した直後には「ピアノの先生になりたい!」と将来の夢が決まっていました。

夢を信じて疑わず、音大に進学しヤマハ音楽教室のピアノ講師として22年間後身の指導に携わって参りました

幼児期のお子様から音大受験生、大人の方まで幅広くレッスンを行い多数の生徒さんを育成。コンクールにおいても優秀な成績を修める生徒さんを輩出。

指導をしながら、ピアノ演奏研究会を発足し定期的な演奏会を開催、合唱団や市民オペラの会などの伴奏も行っておりましたので、充実した日々だったと思います。

演奏活動でも収益があり、研鑽・努力を積みかさねることにやりがいを感じていました。

結婚後もピアノ講師として仕事を続け、自宅でも個人教室を主宰。

レッスンを通して「音楽って楽しい!」と生徒さんと共有できる時間は、とても幸せでした。

ピアノを習い始めて間もないお子様が「先生の歌を作ってきたよ」と弾き語りで歌ってくれることもあり、生徒さんから多くの感動を味合わせてもらったと思います。

ところが、人生最大の転機が訪れます。

悩みに悩んだ末、43歳で離婚を決断。

時代は少子化が進みピアノ教室に通う生徒さんが激減する中、(もはやピアノ講師一筋では生きられない…)ピアノを手放すことを決めたのです。

離婚を決断!絶望を払拭し就職活動

覚悟を決めて就職活動を始めるもピアノ演奏や指導以外にアピールできる資格はなく

何十社に応募しましたが採用面接まで進めない日々。

当時の私は、(本当に自力で生活していけるのかな…)経済的な不安しかなく何から手をつけて良いのかわからない状態でした。

そりゃそうです。

ピアノ講師になるため就職活動してから22年経過していたのですから。

そんなある日、応募していた医療事務の企業から面接の案内が届きました。

(やっと面接に進めた!)緊張しながらも面接に行きました。

こちらの事情を理解しながら話を聞いて下さる親切な面接官でしたが採用枠は一人しかなく結果は不採用。

当時の私は、「早く仕事を決めたい」という気持ちの焦りと経済的な不安が前面に出ていたのだと思います。

今思うと不思議なのですが最初から正社員募集にこだわって応募していたのです。

“正社員=安定” といった先入観があったのでしょう。

でも1度面接に行った経験が自信になり前向きな気持ちに変化していきました。

離婚による精神的な感情や経済的な不安はいったん横におき、「自分はこの先の人生何をしていきたいか」「今までの自分の経験をどんな風に生かしていきたいか」思考を変えてみることにしました。

「リクルートエージェントに相談しプロの話を聞いた方が良いのでは」と家族からのアドバイスを受けて、直ぐにリクルートエージェントに相談の予約をしました。

リクルートエージェントに相談

リクルートエージェントから「面接対策」の参考書類が届き、電話相談の日程が決まりました。

約束の日時に緊張状態で電話を待ちます。

相談時間は、わずか15分ほどでしたが、その時の担当者のアドバイスが的確でとても励まされたことを今も鮮明に覚えています。

(瞬時にこちらの状況を読み取り自信を持たせてくれるなんて、さすがプロ…)

【リクルートエージェント担当者からのアドバイス内容】

1. 「正社員登用あり」と採用情報に記載がある企業に積極的に応募することは良いが、最初から正社員にこだわると採用の可能性が狭まることが考えられるので、非正規雇用も応募していくと良い。

大事なことは、「自分が今後何をしていきたいか」「仕事の内容や中身」「キャリアをどう生かせるか」「どんな社会貢献ができるか」そういう観点で企業を選び応募すること。正社員であっても非正規雇用者であっても関係なく、仕事を通して会社にとって信頼できる大事な存在になれば良い。

2. 貴方の場合、電話対応の印象から「コミュニケーション能力・提案力・集中力」を面接時にアピールすると良い。

このアドバイスは、とても自信を持たせていただき励まされた内容です。

3. 志望動機については、「志向・貢献・共感」この3点を意識してアピールすると良い。

志向→御社で“こんな仕事”をしたいです

貢献→自身の能力を生かし御社に“こういう貢献”ができます

共感→御社の“ここ”に惹かれました

4. 面接官は、「どんな表情?」「どんな話し方?」「コミュニケーション能力は?」を面接時に見ています。

面接官から見た視点について教えてもらいました。

5. 最後に必ず質問をすること→やる気が伝わります。

「何か質問はありませんか?」の問いに対して何も質問をしないのは印象が悪い。

6. 注意点として、内定を頂いた時に即答をしないこと。条件や書類内容から精査し確認した上で返事をすることが大事。返事をせかしてくる企業は要注意。

例:「内定ありがとうございます。大事なことなので家族とも相談した上でお返事させて下さい。他社にも応募していますので○月○日までお時間をいただけますか?」

リクルートエージェント担当者との電話相談は、とても有意義な時間ですごく前向きな気持ちになりました。

相談後、電話内容を丁寧に書きとめ面接時にアピールしたい内容を整理しました。

この時のファイルは今でも大事に保管しています。

そして、2度目の採用面接の日がやってきます。

転職活動から学んだこと~離婚後の経験は人生の宝物

1度目とは大きく違い準備万端の状態で自信を持って採用面接に向かいました。

その時の採用面接官との出逢いは、その後の信頼関係に繋がっていきました。

採用面接では、リクルートエージェント担当者のアドバイスや声を思い出しながら自分らしさを表現できたと思います。

「縁を感じるな。どこかですれ違っていたかもしれないな。積極的に採用の方向で進めます」と面接官は仰いました。

(どうやっても初めて会っているのに…何という思い込みの激しい方なのだろう)

私は冷静でした。

世の中そんなに甘くないと認識していましたし結果通知が届かない限りわからないので、帰宅後も次の面接に向けて準備を進めました。

そして翌日、面接官から「採用です」とお電話をいただきました。

挑戦したい職種だったので直ぐに内定をお受けしました。

自動車損害保険コールセンターオペレーターとしてデビューしました。

仕事を覚えるまでは、大変な日々だったと思います。

見習い期間中は緊張状態で思うように対応ができず怒られたことも多々ありました。

(私はいったい何をしてきた人だったっけ…)

帰宅時、途方にくれて空を見上げたことも数えきれないほどあったと思います。

でも日々研鑽を積み仕事を覚えてからは、とてもやりがいを感じ納得してお客様対応をできるようになりました。

事故現場からどうしたら良いかわからず混乱状態で電話をかけてくるお客様に事故受付と適切なアドバイスを行い、必要に応じて修理工場やレンタカーの手配、ロードサービスの案内、お怪我で救急搬送された病院への連絡、事故相手の対応など様々な仕事をこなせるようになりました

「ありがとうね!」と事故現場にいるお客様から言っていただいた時は涙が出るほど嬉しかったです。

採用面接官は現場マネージャーとして一緒にお仕事をさせていただきました。

自分の人生においてピアノを手放す日が来るとは夢にも思っていませんでした。

でも43歳で新たな仕事にチャレンジし学んだ経験は色々な感情を含めて人生の宝物です。

その気になれば自分次第で何歳からでも人生の道を切り開くことができます。

自分の可能性を信じて経験を生かし前向きに取り組むこと、そして良き相談相手を持つことも大切です。修正点を見直し改善していく素直さも大事ですね。

これからの生き方を考えて2年半就業したコールセンターを退職し、今新たにライターとして活動を始めました。

もともと趣味も多く旅行も好きなので、いつか旅先で執筆活動ができたら最高だなと思っています。

今の私に不安はありません。

転職活動とオペレーターとしての就業経験が良い自信を与えてくれたと思っています。

Puamakanaさんへインタビュー

編集長

43歳から音楽の世界から全く異なる世界へ転職されたということで素晴らしい体験談でした。

いくつか質問させていただければと思います。

ピアノ講師の世界から別の民間企業への転職ということで面談においても会社で仕事がちゃんとできそうなのかに関して色々と尋ねられたと思います。

面談の際に、どのようなところが内定につながったと思いますか?

Puamakana

ピアノ講師として指導研究を積み重ね、相手(生徒さん)に歩み寄り個々のキャラクターを捉え、わかりやすく伝えることの大切さやコミュニケーション能力を習得してきたことをまずアピールしました。

また自身の演奏活動を通して緊張の場面でも自分らしさを発揮する精神力や集中力を学んできたことを伝えました。

長年かけて培ってきた経験を今度はオペレーターとして、事故でお困りのお客様のニーズを捉え的確なアドバイスを行いご安心頂ける対応をすることで社会貢献していきたいと明確な意思をお伝えできたところが内定に繋がったと思っています。

リクルートエージェント担当者からアドバイスをいただくまでは、43歳までピアノ講師の経験しか“ない”に意識が向いていました。

ところが、ピアノ講師として培ってきた経験が“ある”に意識を向けたことで一気に好転していった気がしています。

編集長

どこにでも通用する部分を言葉にして伝えられたところが大きいということですね。

ちなみにリクルートエージェントを利用されたとのことですが、他にも何かエージェントは利用されましたか?

また、各エージェントの良かったところと悪かったところを教えていただきたいです。

Puamakana

体験談でもお話さしたリクルートエージェント1社のみです。

電話のみで相談をしました。ですので面談は行っておりません。

良かったところは、面接時の注意点や自身のアピールする能力など的確にアドバイスして頂いたところです。悪かったところはありません。

編集長

なるほど、ありがとうございます。

最後にですが、過去のPuamakanaさんと同じように音楽講師の世界から別の世界への転職に悩んでいる人へ向けて何かアドバイスをお願いいたします。

Puamakana

今はコロナ禍において転職を考えざるを得ない方も沢山いらっしゃると思います。

緊急事態宣言中にレッスンを休講し無収入になり悩まれているシングルマザーのピアノ講師のインタビューをニュースで拝見したことがあります。

もしも離婚の時に転職をせずピアノ講師を続けていたらと想像すると、私も同じ状況に陥っていたかもしれないという気持ちになりました。生活や経済的な不安、将来を憤る気持ちが手に取るように伝わりました

転職の悩みは不安でいっぱいになると思いますが、まずは一人で抱え込まず周囲の人やプロに相談することが大切だと思います。

人に相談することで改善策が必ず見えてきます。

そして前向きに考え、今までの自身の経験を“どう生かせるか” “自分は何をしてどんな生き方をしていきたいか”自分の気持ちを大切に選択することをお勧めします。

最優先したいことを書き出してみるのも良いと思います。

“お子様のこと”“経済面のこと”“自分らしさ”など、何を優先したいかによって選択肢が変わってくることもありますね。

メリットデメリットを比較して最終的には自身が納得した道を選ぶことが何より大切なことだと思います。

「 この道を選びこの経験ができて本当に良かった」と思える人生が多くの方に訪れると良いですね。

編集長

一人で抱え込まずに人に相談して落ち着いて自分の優先にしたいことを見つけていく。ですね。

これでPuamakanaさんへのインタビューは終わりにしたいと思います。ありがとうございました。