「薬剤師を辞めたい」「職場を変えたい」と悩み始めている人へ向けてお役立ちの情報をまとめました。
自分が何について悩んでいたのか改めて自覚できるように幅広く理由を取り上げてみました。
薬剤師が辞めたいと思う上位の理由とその対策
人間関係が悪い
給料が低い(足りない)
勤務先が遠い
他の仕事も一緒に始めたい(時間的な余裕が欲しい)
結婚や子育てで辞めたい
仕事のプレッシャーや責任がしんどいので辞めたい
仕事がうまくいかない
などなど、様々な理由があります。しかし概ね、仕事自体が嫌だという声はあまりなく、仕事の環境をきっかけに辞める人がいるようです。
仕事とは別のところに問題がある場合
人間関係が悪い
薬局では決して広いとは言えない空間の中で同じ人たちと作業をともにします。
新人の場合
特に新人であったりする場合は肩身の狭い思いをする人も少なくないようです。
仕事を覚えるまでの先輩からのプレッシャー、何より患者に対して誤った処方箋をしてしまわないかの不安などなどです。
責任がどうしても大きいため先輩方もかなり厳しい態度で接してくることもありそれが余計にストレスとなって辛いと感じている人も少なくないのではないでしょうか。
パワハラと言えるほど、厳しい先輩や上司がいるのであれば職場を変えるのも手です。
しかし、ここはどうしても職場の運によるところであるため、何度もできることではないので勢いだけで決めるべきところではないでしょう。
新人以外の場合
忙しいのにさらに急かしてくる
業務量に差が大きくあって辛かった
上司の指摘や圧力に配慮がなく辞めたくなった
などなど、上司との関わり方や仕事のスタイルの違いでいざこざが起こりやすいようです。
現場が忙しくなると心に余裕がなくなり、他人のアラがいつもより大きくなってしまうのではないでしょうか。
心の余裕の無くなってしまった人が上司だった場合はトバッチリを受け続けますしなかなかのストレスでしょう。
仕事のやりやすさや仕事の出来は環境によって大きく変わりますが一度、仕事がこの人は遅い、と印象を与えてしまうとこの先もずっとその印象のまま人間関係が出来上がっていってしまいます。
それで可愛がられるのであれば良いのですが、あることないことを自分の責任にされたりしてしまうようであれば一度リセットも含めて環境を変えるための行動をとっても良いかもしれません。
一方でこうしたところはコミュニケーションの工夫次第で改善できる可能性もあり、コミュニケーションの改善によって失うものは殆どありませんので最初はそこから始めると良いのではないでしょうか。
人は自分に似ている人間に好感を抱く
「類似性の法則」と呼ばれる心理学の用語があり、これはお互いの共通点が見つかると相手に好感を持ちやすくなる法則のことです。
これを応用して相手の頷き方のマネをしたり、相手の好きなものを「私はこれが好きなんですよね」と伝えてみたりして意気投合を狙うことで仲良くなることができます。
プライベートをあえて晒す
「開放性の法則」とは、プライベートの一面を見せることで好感を持たれやすくなる法則です。
休日に何をやっているのか分からない人より、趣味やそれとなくやっている出来事などを休憩中に教えることで好感を相手に与えると良いでしょう。
給料が低い(足りない)
「仕事内容に対して給料が低い」
「大学を卒業するまでに凄い学費がかかっている割りには給料が足りていない」
日本国内の平均世帯年収と比べれば当然高い薬剤師の仕事です。
しかし年収の高い印象を受ける医療業界で国家資格の保有者として少し物足りないのではないでしょうか。
薬剤師は400万円台から高くても700万円台ほどが年収の目安となります。
加えて昇給に関しても緩やかで40代あたりになってくると頭打ちとなってきます。
将来的には自身が受験勉強をやってきたように子供にも良い受験環境を用意したり、ローンを組んで新築の家を建てたりすることを検討している場合は400万円台であれば厳しいものがあります。
一方で製薬会社の研究や開発の部門へ行き実績を出していけば年収1000万円台も30代〜で目指せるといいます。
そのため製薬会社への転職も視野に入れると良いのではないでしょうか。ただし修士や博士が優遇されているため学歴の壁があります。
勤務先が遠い
物理的に遠いと給料の発生しない通勤時間が長くなってしまいます。
個人の努力ではどうしようもなく、職場を変える以外に方法はありません。
勤務先が遠い→職場の拘束時間も長く多忙→ゆったりできる時間がほぼなくなる
といったことにも繋がることでしょう。自由に使える時間、すなわち”可処分時間”を増やすというのは人生において大切なことですので転職などの検討するには良いかと思います。
他の仕事も一緒に始めたい(時間的な余裕が欲しい)
先ほどと同様に”可処分時間”を増やすことですね。
現在の職場だけでなく副業として他の職場にも入りたいという人も中にはいます。
転職を検討しても良い同期ではないでしょうか。
仕事そのものに不満があって辞めたい
仕事のプレッシャーや責任がしんどいので辞めたい
何度も聞かされたりしているかもしれませんが処方箋を誤ると人の命に関わってしまいます。
もしミスをしてしまうと自責の念に駆られるだけでなく職場全体の人からも非難の目でみられることでしょう。
そして上司も責任を一緒に負わされることでしょう。そうした恐怖もあり上司は心の余裕を無くし厳しく接してしまうのは気持ちはわかりますよね。
とはいえ職場の緊張感がやりがいを生み出すわけもなく、むしろ下手な手を打ちたくないという心から自分なりのより良い提案ができなかったりします。
新人が出てくるのを待つ
会社を辞めたところで職場のプレッシャーは運に左右されます。
しかし一方で誰が一番、職場で注意を支払われているのかといえば新人です。
「仕事ができないやつ」のレッテルを貼られてしまっていないのであれば殆どのケースにおいて新人に最も厳しい態度が取られやすくみんなの注意も新人へ向かいやすいです。
そのため毎年、新人がくるのであれば「あと1年だけ我慢しよう」と期限をきめて続けてみても良いかもしれません。
仕事がうまくいかない
「仕事がうまくいかない。」「仕事でやらかしてしまった。」
色々と仕事を続ける上で自分に自信が持てなくなるタイミングもあることでしょう。
しかし、単純に経験値が足りていない、他の人より時間がかかるだけ、一時的な落ち込み、心身ともに疲れ果てていることに気がついていないだけ、など色々な理由が考えられます。
したがって仕事がうまくいかない、という理由だけで早とちりして辞めるのはもったいないのではないでしょうか。
仕事でやってはいけないミスをしてしまった場合
これは相談して失敗をバネにするしかないのではないでしょうか。
優秀な上司は部下の失敗を望んでいるといいますが早い段階での失敗は人を成長させる力もあります。
とはいえ自分の気持ちがどうしても浮かばれないこともあるでしょう。もうやっているかもしれませんが身内に相談したり、カウンセリングを得意とする人に話を聞いてもらうなどもアリではないでしょうか。
やりがいを感じない
仕事にマンネリ化を覚え袋に薬を詰めるだけの仕事に感じてきてしまう。
医療に役に立っている実感がわかない。
昇任した未来も管理薬剤師とわかっておりそこに魅力を覚えない。
調剤する仕事に未来を感じない。
などの理由によってやりがいを感じないで燻りを覚える人もいます。
薬剤師の仕事でも製薬会社のように研究開発ができる部署もありますし、論文などを読んで先端の医療知識が身に付く職場もあります。
現在の職場でキャリアを積むことでそうした会社へ転職しやすくなるのであればそれをモチベーションに続け、すぐにでも環境を変えたい人は転職先を決めた後に辞めてしまっても構わないかと思います。
まとめ
薬剤師の仕事は職場の環境、責任の重さ、それらによる心の余裕をなくす人たちなどにモチベーションが左右されていることがわかりました。
とはいえ日本の平均年収は300万円を下回っていますし薬剤師の業界以外も先細りしています。
焦らず時間をつくり休日には自分にできることを元に別のプロジェクトを立ち上げてみたり、すぐに実践できる工夫を実践してみたり、その上で薬剤師を辞めても遅くないのではないかと思います。