30代から自衛隊へ転職してもやっていけるのかな?
自衛隊は国を守る仕事。
今の仕事を辞めて自衛隊に転職しようと考えている30代の方もいるかもしれません。
自衛隊には18歳以上33歳未満という年齢制限があります。
転職できるのは30代前半に限られますが、条件をクリアしているなら自衛隊への転職も可能です。
この記事では、仕事を辞めたい!辞めて自衛隊に転職したいと考えている30代の方向けに、自衛隊に転職するのはありかどうか元証券マンの視点で解説していきます。
収入が目的の場合は良い選択肢ではない
自衛隊の収入が良いと聞き、自衛隊に転職しようと考えている30代の方もいるかもしれません。
実際、自衛隊の平均年収は20代前半が310万円で全国平均年収の258万円を上回っており、50代以降だと自衛隊の平均年収は736万円で、全国平均年収の504万円を大きく上回っています。
民間企業に比べて自衛隊の方が平均年収は多く、年収アップを目指して転職をする方もいます。
しかし、収入だけを目的に自衛隊に転職するのは注意が必要です。
自衛隊は定年退職が早く、入隊してもしばらくは契約社員のような立場になります。
自衛隊に転職するデメリットを紹介します。
定年退職が早い
自衛隊は精強さを保つために、若年定年制や任期制という制度の採用を行っています。
多くの自衛官が50歳半ばや30代半ばで退職することになっています。
定年があまりにも早いことから、他の国家公務員ならもらえていたはずの給料がもらえないことになります。
年金が支給されるまでに約10年の期間があり、その期間中は退職金や若年給付金制度で支給されるお金で生活しなければなりません。
30代で自衛隊に転職を考えているなら、自衛隊を退職した後のライフプランも考えておく必要があります。
正社員扱いの3曹になれるまで契約社員のような立場に
自衛隊では任期制自衛官のことを「士」と呼んでおり、士の階級は民間企業で言うところの契約社員になっています。
退職期間までいる正社員的階級は、陸・海・空ともに曹と呼ばれる3曹からになります。
また曹昇任試験は非常に厳しいため、3曹になれる確証はありません。
3曹になれる見込みがないと容赦なく任期で退職させられることになります。
本気で自衛隊員として活躍したいという気持ちがあるなら別ですが、30代で転職先が見つからないという理由や収入がいいという理由から自衛隊に転職すると失敗する可能性があります。
民間企業には倒産やリストラのリスクがありますが、それでも正社員として働いているなら定年退職まで働き続けることができます。
年金がもらえるまでのお金の心配をしなくていいという点では、自衛隊よりも民間企業で働くメリットが大きいと言えます。
退役後も自衛隊出だから転職先が見つかりやすいというわけではない
自衛隊を辞めたあとは、年金がもらえるまで生活をするために仕事をしなければなりません。
自衛隊を出ているからと言って転職先が見つかりやすいわけではなく、むしろ年齢的には転職が厳しいため、次の仕事がなかなか見つからない可能性もあります。
一方、自衛隊は車両系、建築系、医療系、会計系、語学系などさまざまな資格を取得することができます。
自衛隊員として働いている間に資格を取得し、その資格を活かして転職するパターンも多いです。
ただし、資格を取得していても年齢の壁に加えて職種未経験だと転職のハードルはグッと上がります。
未経験でも歓迎しているドライバー系の仕事なら転職しやすいですが、すぐに仕事が見つかるとも限りません。
自衛隊の経験は転職にあまり役立たない!ただし、鍛えられた肉体・精神は役立つ
30代以降は指示をする立場の能力が求められやすい
20代のうちは転職で求められるのは即戦力ですが、30代以降は持っているスキルや資格に加えて「何ができるか」が重要視されます。
民間企業であれば、30代以降は指示をする立場の管理系の仕事も増えます。
自衛隊に転職して定年退職したあと、管理能力やスキルがなければ転職のハードルが上がります。
もちろん自衛隊員で管理職を目指すという選択肢もありますが、30代前半で自衛隊に転職してからキャリアを積むとなると、若い頃から働いている自衛隊員よりは不利です。
自衛隊を出ているからと言って簡単に転職できるという甘い気持ちは持たないようにしましょう。
体力・精神力が追いつかない
自衛隊は「きつい」、「しんどい」と言うイメージを持っている方は多いと思います。
自衛隊員は体を鍛えることも仕事の1つであり、体力的に厳しいと感じている自衛隊員も多いです。
また上下関係がはっきりしているので、嫌な上司にあたってしまうと精神的苦痛も感じます。
配属される部隊によっては、パワハラ・セクハラ・モラハラが当たり前という状況です。
年に2回ほどあるヒアリングで人間関係の悩みを相談しても、もみ消されることも多く問題の解決は難しいです。
自衛隊に転職したい方の中には、今の仕事を辞めたい理由が仕事のきつさや人間関係の方もいるでしょう。
しかし、民間企業で働いている方が体力・精神面はラクです。
自衛隊は強靭な体力・精神力を必要とする!半端な精神では体力・精神力は追いつかない
体が故障しやすい
自衛隊は過酷な訓練で体が故障しやすい仕事です。
ケガをしないために体を鍛えていることや訓練中のケガなどの対応のための安全管理も重視していますが、それでも民間企業で働くよりケガのリスクは高いと言えます。
また人間関係のトラブルから精神的にダメージを受けやすく、うつ病などの病気のリスクもあります。
若い頃から体育会系の環境で育ってきた人や体力がある新卒でも厳しいので、体を動かす機会がほとんどない民間企業勤めの30代だと自衛隊に転職して体を故障するリスクはさらに上がります。
20代前半の上官がいる
30代は自衛隊に入れるギリギリの年齢です。
民間企業なら若手として重宝されやすいですが、自衛隊の世界では若手になりません。
入隊すると20代が先輩になります。
ただでさえ上下関係が厳しい自衛隊なので、入隊すると20代の上官に指示やきついことを言われることもあります。
年下の上司と上手にコミュニケーションを取る必要があり、それができないと大きなストレスに感じます。
こんな人は転職するのはアリ
仕事をやめたい理由が、お金や今の環境を変えたいなら民間企業から自衛隊員への転職はおすすめできません。
自衛隊に入りたいという強い意志がなければ自衛隊に転職しても長続きしないでしょう。
自衛隊に転職する明確な意志や目標があれば、民間企業から自衛隊員に転職するのもありです。
ここでは、自衛隊に転職するおすすめの人を紹介します。
世の中に貢献できて誇りを持ちたい人
自衛隊に向いている人は、世の中に貢献できて誇りを持ちたい人です。
自衛隊は国の平和や独立を守るという使命の下、領土・領海・領空を守る活動をはじめ、災害時の捜索や医療対応、海外での国際平和協力活動などをしています。
また多様な分野の仕事があり、最新の戦車や艦艇に関わる仕事をはじめ、人事や総務など、陸・海・空それぞれに幅広い選択肢が用意されています。
いろいろな形で世の中に貢献できるのが自衛隊の魅力です。
私も証券マンとして長らく働いてきましたが、お金や気持ちに余裕が出てくると世の中に貢献したいという気持ちが強くなります。
私の場合は年齢制限の壁があるので自衛隊員として働くことはできないため、今は独立して寄付など別の形で世の中に貢献していますが、それでも体を張って自衛隊員として働いている方はかっこよくて素敵に思えます。
厳しい訓練が好きな人
厳しい訓練がきつくと逃げ出す自衛隊員もいますが、反対に自衛隊の厳しい訓練に居心地の良さを感じている隊員もいます。
特に学生時代にスポーツ系の部活に入り、部活に時間をささげてきた体育会系の人は自衛隊に向いています。
自衛隊の仕事はきついですが、見方を変えれば仕事をしながら体や精神を鍛えることができる仕事です。
長い人生を考えると、健康で生き続けることが何より財産になります。
h3 挑戦しないと後悔しそうな人
挑戦しないと後悔しそうな人は自衛隊に転職した方がいいです。
私も証券会社から独立した経緯がありますが、当時は年収1000万円を超えていたこともあって「転職して後悔するのでは?」という不安がありました。
それでも行動しないと後悔すると思い、思い切って独立することにしました。
最初のうちは仕事もほとんどなく「辞めるんじゃなかった」と思ったこともありましたが、後悔を無くすために頑張ろうと決意してからはひたすら努力をしました。
現在は証券マン時代よりも収入が格段とアップし、以前よりも自由に使える時間が増えました。
あのとき独立してよかったと思えるようにもなりました。
民間企業には年齢制限がないですが、自衛隊には年齢制限があります。
30代で自衛隊に転職を考えているなら、早めに行動に移して決断しないと手遅れになります。
30代なら失敗してもやり直しがきく!後悔しないための行動を
まとめ
30代で自衛隊に転職するのがありかなしかは、転職したい理由によって変わってきます。
今の仕事をやめたいから、収入を増やしたいから、という理由だけで転職すると長続きしません。
自衛隊に憧れている、自衛隊員になって人の役に立ちたいなど、自衛隊員になりたい理由がはっきりしている人は30代でも自衛隊に転職するのはありです。
30代は自衛隊の年齢制限にかかってくるので、転職を考えている場合は入隊条件を確認して早めに行動しましょう。