美容師に憧れて就職したけど、実際に働いてみるとイメージと違った!
と感じている方もいるでしょう。
美容師になりたての20代の方の中には、今すぐ辞めたいと考えている人もいるかもしれません。
20代は転職市場における売り手市場になります。
美容師を辞めたい!と思って辞めても、新しい仕事はすぐに見つかるでしょう。
しかし、お金をかけて努力して美容師になったなら、美容師の経験やスキルを活かせる仕事に転職したいものです。
今回の記事では、20代で美容師を辞めたい人が事前に考えておきたいことを紹介します。
20代で美容師を転職するのはあり
厚生労働省が発表している新規短大等卒就職者の産業別離職状況によると、平成28年3月に短大などを卒業した美容師を含む生活関連サービス業に就職した人は14302人となっています。
そのうち、1年目までに離職した人は4180人、2年目までに離職した人は6353人、3年目までに離職した人の数は8027人です。
3年目には50%の人が離職している計算になります。
この結果からも分かるように20代で美容師を辞める人はかなり多いです。
20代で美容師を辞めたいと思うのは珍しいことではなく、多くの人が同じように考えているとも言えます。
20代は売り手市場なので、美容師を転職するのはありです。
特に美容師はコミュニケーション能力が評価されやすいので、人との関わりが多い仕事なら年収アップも期待できます。
それでは、20代で美容師から転職する場合について詳しく見ていきましょう。
同じコミュニケーション能力でも生かす業界によって成果は全く異なる
コミュニケーション能力を活かせる仕事には以下のようなものがあります。
・営業職
・接客業
・介護福祉士
・ファイナンシャルプランナー
・ネイリスト
コミュニケーション能力と言ってもさまざまなタイプがあります。
たとえば、相手の話しを聞くのが得意な人なら「介護福祉士」に向いていますし、話題が豊富で相手との壁をすぐになくすことができる人なら「営業」や「接客業」、「ネイリスト」などに向いています。
また相手が何を求めているかを即座に判断し、適切なアドバイスができる人なら「ファイナンシャルプランナー」が向いています。
同じコミュニケーション能力でも生かす業界によって成果は異なるため、美容師から転職を検討しているなら自分のコミュニケーション能力のタイプに合った仕事を見つけることが大切です。
証券業界であればコミュニケーション能力の高さと工夫で年収1000万円を超えることもある
私は証券会社で営業マンとして働いていた経歴があります。
最初は小規模の証券会社で実績を残し、5年ほど働いて大手証券会社にヘッドハンティングされました。
特に金融の知識や資格を持っていたわけではありませんが、コミュニケーション能力の高さを活かして結果を残すことができました。
20代のうちに年収1000万円に達し、そのあとは独立してセミナーや執筆、コンサルタントとして働いています。
コミュニケーション能力はさまざまな仕事において大きな武器になります。
スキルや経験が必要ない職種でも、営業のように結果主義の仕事ならたくさん稼げる可能性があります。
美容師として働く中で「コミュニケーションには自信がある!」なら、コミュニケーション能力を活かせる仕事に転職するのがベストです。
20代で美容師を辞めたくなる理由
20代は売り手市場ですが、キャリアに傷がついてしまう可能性を考慮すると勢いで辞めてしまうのはもったいないです。
仕事を辞めてしまう前に、「どんな理由で辞めたいのか?」をよく考えて頭を整理してみましょう。
ここでは、20代で美容師を辞めたくなる理由を紹介します。
給料が安い
DODAの平均年収ランキングによると、理容・美容・エステの平均年収は274万円です。
同調査によると20代の平均年収は348万円なので、美容業界の平均年収はかなり低いのが分かります。
美容師の給料は以下のような理由で低くなっています。
・安値競争によって売り上げが伸びないため
・客単価が安いため
・美容院には高い固定費がかかるため
指名がたくさん入るような人気の美容師になれば給料も大幅に上がりますが、人気美容師になれる保証はありません。
安い給料で働くことに嫌気が差して、美容師を辞めたい!と思い始める20代は多いです。
休みや休憩が少ない
美容師の休みは月曜日や火曜日が一般的ですが、完全週休二日制で休みが取れる美容室は多くありません。
また美容室の多くはオープンしてからクローズするまでずっと開いているため、お客さんが集中して来ると休憩を取ることも難しくなります。
休みや休憩が少ないことも美容師が辞めたくなる理由の1つです。
また以下のような「美容師あるある」も仕事を辞めたい理由につながります。
・休みの日は研修に半強制参加
・ご飯を食べる暇がない
・休日が友人と合わない
それぞれ見ていきましょう。
休みの日は研修に半強制参加
美容師になりたての20代は、美容室で勤務すると研修に参加させられることも多いです。
研修への参加は、最新の美容業界の動向を知ることや技術を高める上で大切なことと言えます。
しかし、もともと休みが少ないところに研修を入れられてしまうと、ゆっくり休める日がなくなります。
研修によっては参加しなくてもいいような内容もあり、このような研修が続いてしまうと時間のムダに感じてしまいます。
研修の多さも20代が美容師を辞めたい理由の1つとしてあります。
ご飯を食べる暇がない
美容師によっては休憩時間をしっかり確保しているところもありますが、規模が小さな美容室になると休憩時間がその日の客足に左右されます。
ご飯をゆっくり食べる時間が確保できず、仕事が終わってから最初の食事になる場合もあります。
20代のうちなら休憩時間が少なくても勢いで乗り越えられますが、30代や40代になってくると休憩がないのは体に堪えます。
自分の将来を考えたときに、休憩もゆっくり取れない環境で働き続けることに不安を感じ、美容師を辞めたいと考える方もいるでしょう。
休日が友人と合わない
美容師の休みは平日が一般的です。
20代は遊びたい盛りでもありますが、一般企業に勤めている友人だと休みは土日や祝日になります。
休日が友人と合わず、一緒に出掛けることもできません。
周りの友達が土日や休日に遊んでいる話しを聞くと、自分も同じように遊びたいと思う方もいるでしょう。
そして不満が募って美容師を辞めたい!と思うようになります。
下積み期間が長い
美容師の資格を取得したからと言って、すぐに美容師として働けるわけではありません。
通常はアシスタントとして、カラーやパーマに使用する薬剤や道具を用意し、シャンプーやブローの手伝い、マッサージなどを行います。
美容師のアシスタント期間は3年から5年ほどですが、さらに期間が伸びるケースもあります。
下積み期間が長く思ったような仕事ができないという理由で、美容室を辞めたいと思い始める20代も多いです。
客寄せばかりでカットできない
競争が激しい美容室が生き残るためには固定客を増やすことが重要です。
そのためにも、まずは集客をして美容室を利用してもらうことが最初のポイントになります。
以前はチラシなどの紙媒体で集客していましたが、最近はSNSが主な集客ツールになっている美容室も多くあります。
美容師として働いている方の中には、お客さんのカットをさせてもらえず、客寄せパンダとして営業ばかりしている方もいるかもしれません。
「こんな仕事がしたくて美容師になったんじゃないのに・・」という不満が出て、美容師を辞めたい!と思うようになる20代もいます。
健康面で問題が出ている
美容師は激務なので、体力や精神的な負担も大きいです。
20代と言えば若くて病気知らずのイメージもありますが、過酷な労働環境を強いられると病気のリスクが高まります。
特にうつ病のような精神面の病気になると、仕事を続けることができずに離職を余儀なくされます。
健康面で少しでも不安に感じることがあれば、まずは大きな病気につながる前に病院で診察してもらいましょう。
無理して働き続けるのは厳禁!働けなくなる前に必ず診察してもらおう
美容師を辞めずにできること
美容師の仕事が嫌いになって辞めたいなら別ですが、美容師の仕事が嫌いになったのではなく労働環境や条件などで辞めたいと思うだけなら、今すぐ辞めてしまうのはもったいないです。
ここでは、美容師を辞める前に考えておきたいことやできることを紹介します。
下積み期間が終わるまで我慢する
下積み期間が辛いという理由で美容師を辞めたい場合、下積み期間が終われば悩みも解消される可能性が高いです。
美容師の仕事が好きという気持ちが変わらないなら、下積み期間が終わるまで我慢して働くのも選択肢の1つになります。
下積み期間にしている仕事はムダに感じるかもしれません。
しかし、お客様の大切な髪をカットするわけですから、経験が少ない人に任せるのはお客様に対しても失礼になります。
今は学びの時だと割り切り、下積み期間が終わるまで我慢して働いてみることも考えてみましょう。
下積み期間はすべての美容師が通る道!1つ1つの雑務にも意味がある
常連を何年もかけて少しずつ作る
美容師として働いている方の中には、「いつか独立したい!」と考えている方もいるでしょう。
独立して働くことができれば、ある程度は自分の好きなようにできます。
美容室の勤務形態や待遇に不満があるという理由で美容師を辞めたいなら、独立に向けて頑張ってみるのもよいでしょう。
独立するために必要なことは「自分のファンを作ること」です。
知識や技術があっても常連客がいないと独立は厳しく、反対に知識や技術が長けてなくても常連客がいれば独立できます。
20代ならこれからコツコツ常連客を作ることもできるので、独立を見据えて今の仕事を割り切るのもありです。
個人事業主に間貸しする美容室へ行って個人の裁量で休みを取る
最近は個人事業者の美容師やフリーランスの美容師に間貸しする美容室が増えています。
間貸しとは美容室の空いているセットを借りて、オーナーと売り上げに応じた歩合報酬による請負契約を結ぶことです。
美容室を一定の金額を支払って借り、そこで美容師として自由に働くというスタイルになります。
オーナーからすると使ってないスペースを有効活用できるメリットがありますし、美容師目線でも高い固定費を払うことなく仕事ができるメリットがあります。
この方法なら個人の裁量で休みが取れます。
ただし、ある程度の集客力がないと美容師一本で生計を立てることは難しいため、アルバイトやパートをしながら美容師も続けるというスタイルを視野に入れる必要があります。
海外で活躍したり単価の高い美容室へ職場を変えられるようにする
「美容師として成功したい!」、「美容師としてもっと広い分野で活躍したい!」という強い意志があるなら、海外での活躍を視野に入れたり、給料が高い美容室に転職したりするのもよいでしょう。
日本の美容師はレベルが高いこともあり、海外で活躍している美容師もたくさんいます。
また独自の強みを見つけて、カリスマ美容師になっている人もいます。
20代なら努力して成長できる年代です。
美容師の仕事にやりがいを感じているなら、美容師を辞める前に成長できる方法を考えてみましょう。
店長クラスを目指して給料をUPさせる
美容師の給料水準は高くありませんが、店長などの役職が付くと給料はアップします。
店長は店舗のリーダーであり、お店のマネジメント業務も行う必要があります。
仕事量は増えますが、給料面ではメリットが大きいです。
給料に不満があって美容師を辞めたいなら、店長を目指すのも方法の1つです。
店長になるためには周囲から信頼される技術力はもちろん、スタッフをまとめる管理能力も必要になります。
20代なら、これから店長を目指しても遅くはありません。
目標があればモチベーションも上がる!店長になることを1つの目標にしてみよう
美容師は今後もライバルだらけでレッドオーシャン
美容師は競争の激しい業界で、今後もライバルだらけのレッドオーシャンです。
特に価格競争においては「より早く、より安く」を目標にしているお店も多く、今後も給料が上がりにくいことや激務になることが想定されます。
美容師として成功したいという目標があるなら別ですが、給料アップや待遇改善を期待して美容師として働き続けても未来はそんなに明るくありません。
いろいろ試してみて美容師を辞めたいという気持ちが変わらないなら、美容師で培ったコミュニケーション能力などを活かして他の業界に転職するのもありです。
業界が変わるだけで同じ努力で成果が全く異なる
美容師として血の滲むような努力をしても、レッドオーシャンである以上は結果が出ないこともあります。
しかし、競争相手が少ないブルーオーシャンなら同じ努力で高く評価される可能性が高く、成果はまったく異なったものになるでしょう。
努力をして結果を残したいという気持ちがあるなら、美容師として働き続けるのではなく、努力が評価される業界に転職することをおすすめします。
たとえば、私が勤めていた証券会社は、営業成績が給料に反映されるシステムだったので、努力が評価される仕事でした。
歩合制のようなシステムを取っている会社だと努力が成果につながりやすいです。
転職するならどういう方向性が良いのか
美容師を辞めたい20代が転職するなら、美容師時代のコミュニケーション能力を活かせる仕事や努力が評価されやすい仕事がおすすめです。
ここでは、美容師が転職する際の方向性について考えてみましょう。
コミュニケーション能力の高さを生かせる業界全て
美容師の経験において他業界にアピールできるポイントになるのが「コミュニケーション能力」です。
コミュニケーション能力は営業、接客などで活かせますが、それ以外の職種でも人との関わりがある仕事なら活かせます。
たとえば、事務職はコミュニケーションと関係のない仕事のように思えますが、上司や同僚、部下とコミュニケーションを積極的に取ることで業務の効率化につながることや、伝達ミスをなくすことができます。
ほとんどの業界でコミュニケーション能力は活かせるので、やりたい仕事があるなら美容師時代に培ったコミュニケーション能力を積極的にアピールしましょう。
BtoB向け商材を扱う企業は待遇が良く収益性が安定していることがある
BtoBとはビジネス用語ですが、企業が企業に対してモノやサービスを提供するモデルです。
資本が大きな企業が取引先になるため、受注単価が大きく取引も継続的になりやすいので安定した収益が見込めます。
法人営業や法人が主な取引先になっている企業だとBtoBです。
美容師時代のように顧客の動向に振り回されることなく、安定した給料と休みが期待できます。
美容師を辞めて安定を求める!という人には、BtoB向け商材を扱う企業への転職がおすすめです。
Web制作は営業力があればいきなりフリーランスになりやすい
美容師を辞めて他の業界に転職しても、給料や休日などはあらかじめ決められています。
待遇が良くなったとしても自由性の高い働き方を企業に求めるのは難しいところです。
もっと自由に働きたいという方はフリーランスの仕事をおすすめします。
私も証券会社を辞めてから独立しましたが、仕事を辞める前に比べて給料も自由な時間も増えました。
私のケースだと20代のときに独立を意識して準備を進め、30代の初めころに独立しました。
フリーランスの仕事はいろいろありますが、Web業界だとパソコンを使ってできる仕事が多いため、他の業種に比べてフリーになりやすいです。
特にWeb制作なら営業力があればいきなりフリーランスになることもできます。
美容業界のWeb制作に特化したサービスを提供するなど、美容師時代の経験や知識を活かすことができれば独立で成功を収められるかもしれません。
20代は一般的な社会常識があればいくらでも転職しやすい
20代は一般的な社会常識があれば転職先はたくさんあります。
「美容師を辞めたいけどしたい仕事が見つからない」という方もいるかもしれませんが、転職について悩みがあるなら転職エージェントを利用しましょう。
転職エージェントは無料の転職支援サービスで、自分の経験やスキルにマッチした仕事を紹介してもらうことができます。
また履歴書、職務経歴書などの添削サービスもしているので、初めての転職で分からないことがあっても安心です。
さらに転職エージェントは条件がいい非公開求人をたくさん取り扱っています。
ハローワークや求人サイトにはないような好条件の求人が見つかる可能性もあるので、転職活動を始めるなら転職エージェントの力も借りましょう。
20代の転職は引く手あまた!よりよい条件で転職するためにも転職エージェントを利用しよう
まとめ
20代で美容師を辞めたい場合、すぐに辞めるのではなく工夫して働き続ける方法を模索しましょう。
美容師の仕事そのものが嫌いになったわけではないなら、美容師を辞めて他の仕事にすぐ転職するのは惜しいです。
それでも辞めたい気持ちが変わらないなら、今より条件がいい企業に転職できるように転職エージェントを活用しましょう。
20代はさまざまな可能性がある年代で、キャリアをリセットして1からやり直すこともできます。
転職を視野に入れるなら、まずは気軽に転職エージェントに相談してみることをおすすめします。