SEを辞めて転職したい・・
SEと言えば人気の職業の1つで、高給取りのイメージを持つ人も多くいます。
そのイメージとは裏腹に、SEとして働いている人の中には定時でまともに帰宅できない、この先もずっとテスターで消耗していきそう、常駐先が古い体質の会社ばかりでキャリアアップが目指せないなど不満はたくさんできますよね。
すべての企業のSEへの待遇が悪いわけではありませんが、ブラック企業が多いのも事実でメンタルや体調を崩す人もたくさんいるのも事実。
特に身体・精神的な負担を大きく感じる女性SEは、仕事を辞めたいと悩むことも多いかもしれません。
辞めて転職先はあるのか?他の仕事も同じようにきついのでは?など、辞めたくてもなかなか踏ん切りがつかない人もいるでしょう。
この記事では、SEを辞めたいと悩んでいる女性が辞める前に考えておきたいこと、転職するならどんな職業がいいのか、など紹介していきます。
SE女性が辞めたくなる時
SEを辞めたくなる理由は、人によってさまざまです。
「今後どうするか?」を考えるときに、SEを辞めたい理由を整理しておく必要もあります。ここではSE女性が辞めたくなるタイミングを紹介していきます。
そもそもSEをやりたくてなった訳じゃない
SEの仕事を始めた女性の中には、最初からSEをやりたかった訳ではない人もいるでしょう。
たとえば、
・理系大学を出ているという理由だけで一般企業のSE部署に配属させられる
・パソコン系の資格を持っているという理由だけでSEをさせられる
・経験がないのにSE部門の人材不足という理由だけでSE部署に配属させられる
SEは人気の仕事のイメージがありますが、ハードワークで責任も大きいことから敬遠されて人手不足になっている会社も多いのが現実です。
最初からSEを目指していた人と違い、そもそもSEになりたくてなった訳じゃない人はSEの仕事がきつく感じて辞めたいと感じることも多いでしょう。
またSEと言っても職場によって仕事内容は異なります。
プログラミングはプログラマー、仕様はSEのように明確に仕事が区分されているところもあれば、プログラミングも仕様もSEの仕事のように本来は関係のない仕事をさせられることもあります。
想像していたSEの仕事と現実のSEの仕事が大きく異なることも、SEの仕事を辞めたくなる理由の1つです。
地獄のプロジェクト続きでもう嫌だ
SEは1つのプロジェクトをチームでこなしていくのが一般的ですが、プロジェクト中は長時間の残業、徹夜、休日出勤などプロジェクトメンバーに極端な負荷がかかります。
SEのプロジェクト進行中の過酷労働は「デスマーチ」と呼ばれていますが、プロジェクト要因がプロジェクトという死に向かって行進するという意味が込められています。
デスマーチが当たり前になっている職場だと、プロジェクト要因は心身ともに重い負担を強いられ、急激な体調悪化や開発の破棄なども起こります。
プロジェクトに失敗するわけにはいかず、プロジェクトの中でも責任の比重が大きいSEには大きなプレッシャーがかかります。
プロジェクトを無事にクリアすることができても喜びは束の間で、すぐに新しいプロジェクトに向けて始動しなければなりません。
地獄のプロジェクト続きで「体も精神も耐えられない!」という理由でSE業界を去っていく人もいます。
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他にやりたいことが見つかった
SEを辞めたい理由の中には、「他にやりたいことが見つかった」というケースもあります。
SEは顧客にヒアリングを行い、顧客のニーズを実現するシステムの設計を行っていきます。職場によってはさまざまな職種の人や仕事内容に触れることになり、SEとして他の仕事に関わる中で「この仕事やりたいな」と思うこともあります。
特に「今の仕事がきつい、しんどい、やめたい」と思っているなら、他の仕事に対する興味も自然と大きくなるものです。
他にやりたいことが見つかった場合に注意しないといけないのは、「本当にその仕事をやりたいと思っているのか?」をゆっくり考えることです。
今の仕事から逃げたいという理由で他にやりたいことを見つけているなら、その仕事に転職できても長続きしないかもしれません。
本当に他にやりたいことが見つかったのか、それとも今の仕事から逃げたいだけなのか、まずは冷静に考えてみましょう。
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人間関係にクセがある人が多い
SEは1つのことに集中するタイプの人が多く、コミュニケーション能力が低い人も多くいます。
個人プレイの仕事なら問題ないのですが、プロジェクトチームを組むときにコミュニケーション能力が低い人ばかりだと業務を円滑に進めることができません。
仕事で簡単なミスが多くなり、さらに人間関係が悪化する悪循環に陥りやすいのもSEの特徴になります。
特に男性だらけの職場だと女性SEは思うようにコミュニケーションが取れず、人間関係の悩みを抱えやすいです。
ただでさえ激務な上に人間関係に問題があると、仕事を辞めたくなるのも仕方ありません。
改めて考えるSE女性としての良いところ
女性がSEとして働くのはデメリットばかりではありません。
SEで働くメリットも考えた上で、本当に今の仕事を辞めたいのかどうか判断しましょう。ここでは、女性がSEとして働くメリットを3つ紹介します。
手に職がつく
SEはIT関係の仕事の中でも特に専門スキルが身につきやすいので、仕事をしながら手に職をつけることができます。
職場によってはプログラミングを行い、プログラマーのスキルを身につけられるところもあります。生活に欠かせないコンピューターの専門知識を身につけられるのもSEのメリットです。
SEのスキルは他業種にも重宝されやすく、肩書きだけでハイクラス転職に成功している事例が数多くあります。
またSEはプロジェクトのまとめ役も担うため、リーダー力も培われます。
働く場所を選ばない
SEはパソコンを使った業務がメインになるため、リモートワークに対応している職場も多くあります。
リモートに対応しているなら自宅でも仕事ができるので、家庭があっても働くことができるのは大きなメリットです。
物理的にリモートワークができない職種は多いことから、場所を気にせず働きたい人にはSEが向いています。
給料がいい
賃金構造基本統計調査(H29)のデータによると、女性SEの平均年収は約620万円になっています。
20代前半でも約340万円となっており、女性の平均年収である約300万円を大幅に上回っています。
職場によっては給料が低いケースもあるものの、基本的にSEは給料が高い職業の1つです。
SEは給料が安いと言われることもありますが、これは仕事のハードさで考えると給料が低いのであって、他の職業に比べて給料が安いわけではありません。
給料がいいのも、女性がSEで働くメリットの1つです。
SEを辞めるべきではない人
以下の理由でSEを辞めたいと考えている人は、SEを辞めるのを踏みとどまった方がいい人です。
・仕事は好きだけど給料が低い
・仕事は好きだけど人間関係がつらい
・仕事は好きだけど待遇が改善されない
要するに、エンジニアの仕事は好きであることが前提で、外的要因で仕事を辞めたいと考えている人はすぐに辞めない方がいいです。
待遇や給料の低さは実績に応じて改善されますし、人間関係のつらさはプロジェクトが終われば改善される場合もあります。
IT人材が不足している昨今において、エンジニアとしてのスキルが高い人は需要が多く待遇もかなり手厚くなっています。
エンジニアの仕事が嫌いになったのではないなら、SEを簡単に辞めてしまうのはもったいないです。
どうしてもしんどい、仕事が辛い場合はSEを辞めるのはアリ
以下の理由でSEを辞めたいと考えている人は、SEを辞めて他の仕事を探した方がいい人です。
・エンジニアの仕事が嫌い
・ストレスが溜まってうつ状態になっている
・1つのことを続けるのが苦手
エンジニアの仕事が嫌いでストレスが溜まってうつ状態になる人、1つのことを続けるのが苦手な人はSEに向いていません。このまま仕事を続けても状況が改善される可能性は低く、思い切って他業種に転職を検討してみるのもよいでしょう。
仕事環境が嫌で辞めたい原因の場合は同業種への転職もアリ
人間関係、職場環境、リモートワーク非対応など、仕事環境が嫌でSEを辞めたい場合は同業種に転職をして仕事環境を変えるのもありです。
SEは人手不足に陥っていることから求人もたくさんあります。
地方でもリモートワークに対応している企業なら、本社が離れていても自宅で働ける場合もあります。同業種への転職をするなら、在職中から求人情報を集めましょう。
辞めてから仕事を探すとなると、仕事をしてない空白期間が増えることへの焦りや生活費をカバーするために貯金を切り崩すことへの焦りなどから、妥協した転職になりがちです。
せっかく同業種に転職ができても、転職先の仕事環境が今より最悪だと意味がありません。転職に失敗しないためにも、在職中から転職活動を進めていきましょう。
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SEからの転職候補
SEの仕事が自分に向いていないと感じるなら異業種の転職をおすすめします。
異業種と言ってもSEの経験を活かせる仕事は多くあるので、経験が優遇されて給料が下がりにくい仕事に転職することをおすすめします。
ここではSEからの転職候補となる仕事をいくつか紹介していきます。
Webマーケター
Webマーケターとは、ウェブサイトやアプリ、SNSなどのオンラインサービスを活用したマーケティングの職業です。
簡単に説明するとインターネットを使って商品の魅力を伝え、購買やサービスの利用を促す仕事内容になります。
企画や提案などがメイン業務になり、プロジェクトチームで内容を固めてサービスの実用化を進めていきます。
SEは企画や提案をもとにプログラムを作るため、1つのプロジェクトが完了するまでに時間がかかります。
Webマーケターはプログラムを作るわけではなく、プロジェクトの期間が短く精神的な負担が小さいメリットがあります。
プロジェクトを遂行していくという点でSEとWebマーケターは似ており、プロジェクト遂行能力が買われることからwebマーケターへの転職はしやすいです。
ディレクター
ディレクターは、ウェブサイトやアプリを構築する「編集・デザイン・SE・プログラマー」などのスタッフを取りまとめるリーダーとして業務を円滑に進捗させる仕事です。
クライアントや自社の売り上げを意識しつつ、プロジェクトに関わる企画や制作なども行います。
ディレクターには大きく分けて以下の4タイプがあります。
・システム会社に属する「システムディレクター」
・サイト制作営業をメインに行う「営業系ディレクター」
・社内の制作部署に属する「企画、マーケティングディレクター」
・web制作会社に属する「クリエイティブディレクター」
ディレクターはSEのITの知識が優遇されますが、特にも優遇されやすいのは「システムディレクター」です。実際、SEからディレクターに転職する人は多くいます。
プロジェクトマネージャー
プロジェクトマネージャーとは、プロジェクトを統括してマネジメントを行う仕事です。
SEと混合されることも多いですが、SEはシステム開発における設計を行うのがメイン業務になるため、プロジェクトマネージャーはSEを管理する立場になります。
プロジェクトマネージャーはSEの知識に加えて、リーダー力やコミュニケーション能力が必要です。職場によってはSEからプロジェクトマネージャーに昇格できるところもあります。
SEから転職をするならステップアップ転職になりますが、求人そのものは比較的多く、SEとしての実績が認められたら転職できる可能性は高いです。
プロジェクトすべての責任を負う立場になるため、重圧やストレスはSEよりも大きくなります。その代わり、社会的地位や給料、賞与などはSEに比べて高くなります。
ベンチャー系の会社
ベンチャー系の会社とは、革新的なアイデアや技術をもとに新しいサービス・ビジネスを展開する会社を指します。
ベンチャー系の会社に明確な基準はないですが、以下のような会社がベンチャー系と言われています。
・成長過程にある会社
・ベンチャー指定を受けている
・投資機関から資金援助を受けている
ベンチャー系は自由性の高い会社が多く、社内業務が少なくルールを自分で作ることや変えることもできます。
パソコンでシステムを作っていくSEもベンチャー系の会社と相性がよく、実際にSEからベンチャー系の会社に転職する女性も多いです。
大企業の古いしきたりに捉われたくない、ライフスタイル重視で働きたい!という人にベンチャー系の会社をおすすめします。
技術もわかるデザイナー
SE女性の転職先として多いのがWebデザイナーです。
SEはシステムの裏側を設計するのに対して、Webデザイナーはシステムの表側を設計する仕事になります。
人の目に一番多く触れるのがサイトやアプリのデザインであり、どれだけシステムが素晴らしくてもデザインがダメならユーザーはなかなか増えません。
WebデザイナーはSEのプロジェクト経験やスキルを活かせるため、「ホームページやアプリのデザインを考えるのが好き」、「イラスト書くのが好き」という人には特におすすめです。
未経験からWebデザイナーに転職するよりも、システム・プログラムの作成ができるSEの方がニーズは高く、今よりも好条件で転職ができるケースも多くあります。
デザインができるようになればSE時代の知識と技術を活かし、自分でサイトやアプリを設計、開発、デザインできるようになるため、独立の足掛かりにするためにWebデザイナーに転職するのもよいでしょう。
まとめ
SEを辞めたいと悩んでいる女性は、どんな理由で辞めたいのか整理してみましょう。
仕事環境が嫌で辞めたいなら同業種に転職、SEの仕事が嫌で辞めたいならSEの知識や経験が活かせる職場に転職することをおすすめします。
SEの知識や経験が活かせる職場は多く、他の仕事に比べて需要もあります。
しっかり準備をして転職活動をすれば、今より条件がいい仕事にありつける可能性も高いです。
転職をするなら、転職エージェントなどのサービスを利用して在籍中から転職に向けた準備をしましょう。