「教員を辞めたい!でも、辞めてしまって本当にいいのか…」お悩みではないでしょうか。
教員は多忙であることに加えて、生徒や保護者、同僚との人間関係が複雑な職業です。
離職後のことを考えると不安になる気持ちも分かりますが、結論から言うと仕事が辛かったら辞めてしまっても大丈夫です。
この記事は、教員を辞めたいけれど辞めてしまって良いのか悩んでいる方向けに、どんな教員の現状や転職の候補先、方法などを紹介しています。
多忙すぎると正常な判断ができなくなる
多忙すぎると正常な判断が困難になります。
ひどくなると、「仕事を辞めた方がいいのかどうかも考えるのが面倒」になり、体や心の疲労は蓄積する一方です。
教員を辞めたいけど辞めることができない人は、正常な判断ができなくなっているのかもしれません。
また多忙すぎて判断力が鈍ると仕事にも影響が現れてきます。
生徒の悩みやトラブル、保護者のクレーム対応にも影響が出始めると、仕事はさらに辛くなって心の負担が大きくなります。
このような悪循環に陥らないためには早めの対策が必要です。
一時的に休暇をとってから考えよう
教員を辞めたいけど辞めることができないときは一時的に休暇を取るのがおすすめです。
ちなみに、教員の休暇には以下の4種類があります。
年次休暇 | 年次休暇とは心身の疲労を回復してゆとりある生活を保障するために付与される休暇。1年に20日と定められている。 |
病気休暇 | 最大90日間取得ができ、その間の給与は全額保障される。 |
特別休暇 | リフレッシュ休暇、育児休暇、資格試験休暇、法事休暇、生理休暇、結婚休暇、海外視察休暇、選挙権行使休暇等。 |
介護休暇 | 要介護者の介護をするために認められる休暇。 |
このうち、一時的に休暇を取ってリフレッシュしたいときは「年次休暇」や「特別休暇」などが該当します。
また病院にうつ病と診断されたときは病気休暇を取得することもできます。
このように教員にはさまざまな休暇制度が用意されています。
責任感が強い教員も多く、中には「自分が休んだら周囲に迷惑をかけてしまう」と思って休暇を取れない人もいます。
しかし、我慢して働き続けて十分なパフォーマンスを発揮できないデメリットの方が学校にとっても大きいです。
疲れを感じる場合は思い切って休暇を取ることをおすすめします。
昔に比べると休暇は取りやすくなっている!無理をせず休みを取るクセをつけることも大事
教員が職場の環境を変えることは困難
教員は定期的に異動があるため、人間関係のトラブルについては異動で解消されることがあります。
しかし、残業の多さや給料、労働環境などについては勤務先が変わっても根本的に変わりません。
現在は働き方改革の流れで教員が働きやすい職場環境の構築を進めていますが、こうした取り組みがある一方で教育現場の変化によって増えている負担もあります。
教員でうつになる人も増えています。
教員の働き方の現状について解説します。
教員への負担はどんどん伸びていく
近年はコロナ対策の影響もあって教員の負担は大きくなっています。
コロナ対応の消毒、生徒の細かな体調管理などはコロナ禍の前にはなかった業務です。
それ以外にも、会議や研究、報告書類の作成などの業務増加をはじめ、部活動で事故やトラブルが発生すると、瞬く間にSNSで拡散されることから部活動の監視にかかる時間やストレスも以前より増えています。
また各種行事の準備や実施、保護者会、PTA、研修など、教育以外の仕事についても多岐にわたります。
今後も教員への負担はどんどん伸びていくことが予想されます。
教員でうつになる人が増えている
文部科学省が令和2年に行った「令和2年度公立学校教職員の人事行政状況調査について」によると在職者に占める精神疾患の割合は0.56%で5180人に上ります。
教員の精神疾患者は高止まりの状況が続いています。
ネット普及による人間関係の複雑化や、業務が増えることによる体や心への負担増の影響で今後もうつになる人は増えることが予想されます。
教員は誰でもうつになる可能性があります。
うつになって長期休暇が必要な状態になってしまうと、教員に再起できないだけでなく転職そのものも難しくなります。
少しでも体や心に負担を感じるなら、休暇を取ることや転職を検討することをおすすめします。
うつ病は誰でもなりえる!自分は大丈夫と過信しないことが大事
教育分野のオンライン教育の需要は大きくなっている
日本において「教育のICT化」が推奨されています。
学習スタイルや教材などにデジタル技術を活用し、教育とテクノロジーを合わせたEdTechという技術が注目されています。
たとえば、Skypeを使った英会話や学生向けのスタディサプリ、タブレットを使った授業、社会人向けのリカレント教育などがEdTechとなります。
オンライン授業が注目されるようになったのは、コロナによってオンライン授業を導入する学校が増えたためです。
オンライン授業は教育を続ける遠隔授業として全国に広がりを見せています。
この流れを受けて教育分野のオンライン教育の需要が増しており、教員の転職先としても注目されています。
民間企業で教育系ベンチャーも少なくない
EdTech市場が急成長しています。
2018年では世界市場が約17兆だったのが、2025年には2倍以上となる38兆円に成長することが見込まれています。
EdTechは世界的に成長している分野であり、日本においても民間企業で教育ベンチャーが増えています。
教育ベンチャーでは教員のような高い教育スキルを有した人材を募集しています。
教育系ベンチャーは教員のように学校に出向いて授業をするスタイルのところは少なく、オンライン授業のスタイルを取っているところが多いです。
教員と違って面倒な人間関係に悩まされることや部活動の責任を負うこともありません。
教育系ベンチャーは教員からの転職先の1つとしておすすめです。
エンジニアリングは勉強が得意な人が強い
教員の転職先としてエンジニアリングがあります。
エンジニアリングは、科学技術の応用によって物品を生産することやこれらを研究する学問の分野です。
工学分野と言っても以下のように幅広くあります。
・機械工学
・生産機械
・人間機械工学
・機械情報システム工学
・応用機械工学
実際、教員からエンジニアリングの道に転向する人は多いです。
エンジニアリングになるためには勉強をして資格取得をしなければなりません。
簡単な資格ではありませんが、教員なら幅広い知識を有していることや教員試験でコツコツ勉強することに慣れています。
またエンジニアリングの中でも特に注目度が高いのはITエンジニアリングです。
情報システムの開発や運用などをはじめ、loTやAI、ビックデータなどの分野も急成長しています。
他にもITのスキルを習得することで、教員の経験を活かしてIT講師に進むという道もあります。
時間をとって考えた上で辞めたい人は転職を検討しよう
休暇を取ってゆっくり考えた上で教員を辞めたい気持ちが変わらないなら転職することをおすすめします。
ちなみに教員は知識やコミュニケーションの面で万能性が高いと評価されやすいですが、その一方で「ビジネススキルがないのでは?」と民間企業に評価されやすい傾向にあります。
また「即戦力は期待できない」、「売り上げや数字への意識が低い」などのネガティブなイメージも持たれがちです。
年齢によっても教員から民間企業への転職のハードルは変わります。
20代であれば第二新卒としてポテンシャル採用してもらいやすく、まったく経験がない分野の企業に転職できる可能性も高いです。
これが30代や40代になってくると未経験分野の転職ハードルは高くなるため、教員の知識や経験を活かせる教育業界や講師職などが選択肢になります。
転職を検討する際は相談や準備なども重要です。
転職を検討するなら転職エージェントに相談しよう
転職を検討するなら転職エージェントへの相談をおすすめします。
転職エージェントは転職支援サービスで、利用者は基本的に無料で利用できるサービスです。
転職エージェントを利用するメリットは以下の6つです。
- 無料で転職相談ができる
- 自分の転職市場価値を分析してもらえる
- 自分の希望に合った求人や非公開求人を紹介してもらえる
- 履歴書や職務経歴書の添削が受けられる
- 面接サポートが受けられる
- 転職先との仲介役になってくれる
転職相談をしたからと言って転職を強要されるわけではありません。
客観的に見てもらい、転職しない方がいいとアドバイスをもらうこともあります。
また非公開求人を多く取り扱っているのも転職エージェントの強みです。
非公開求人は給料や待遇が好条件のケースが多く、教員からの転職でも現状より条件で働ける求人を紹介してもらえる可能性があります。
転職エージェントを賢く活用しよう!相談するだけでも心は楽になる
転職の準備を進めよう
教員が転職活動を行う場合、辞めるタイミングとしては学年末がおすすめです。
学年末で転職を行うなら8月くらいから準備を進めていくのが望ましいです。
スケジュールとしては以下のようになります。
・8月:転職エージェントに相談
・9月:求人を探し始める
・10、11月:面接を受ける
・12月:転職先の決定
・1月:退職の相談
・2、3月:退職の準備
もちろん、体や心的に働き続けることが厳しいと感じるなら早い退職でもいいですし、もっと時間をかけて準備を進めても問題ありません。
うつになると長期的に引きずる可能性がある
教員として限界を感じているなら早めの休職や転職をおすすめします。
うつになってしまうと症状が改善するまでに半年から1年以上かかり、さらに長期化してしまうケースも少なくありません。
私もうつ病で3年間ほど仕事を休みがちになったことがありました。
うつ病になった原因は、仕事が忙しく気づかないうちに体や心が弱ってしまったためです。
最初のうちは頭がぼーっとすることが増え、「自分は何をしているんだろう」と思うようになり現実感が喪失しました。
そうこうしているうちに朝起き上がることができず、自宅から出ようとすると動機や冷や汗が止まらなくなりました。
仕事が嫌いだったわけでも人間関係に悩みを抱えていたわけでもありません。
仕事が忙しかったことにも不満があったわけではなく、むしろ長い時間働くことにテンションが上がっていました。
こんな状況でもうつ病になるわけですから、ストレスが多大な環境で働いていると簡単に心は壊れてしまいます。
うつ病になって長期休暇を余儀なくされるくらいなら、早めに休職や転職を検討しましょう。
まとめ
仕事が忙しすぎて教員を辞めたいなら、体を壊してしまう前に休職や転職をしましょう。
教員を辞めても働き先はたくさんありますし、教員の仕事を通して得た知識や経験を活かせる民間の企業もたくさんあります。
我慢して働くよりも、自分のペースで働ける仕事を選んだ方が絶対に良いです。
転職を検討するなら転職エージェントに相談してみましょう。
「教員以外の職業で働ける自信がない」と悩んでいても、転職のプロに相談すると自分の知識や経験にあった求人を探してくれます。
まずは気軽に相談してみましょう。