早期リタイアとは、定年を待たずに仕事を辞めて引退することです。
早期リタイアはアーリーリタイアと呼ばれることもあります。
一般的には50代に入ってからアーリーリタイアを考え始める方が多いです。
会社を辞めて早期リタイアしたくても、年金をもらえるまでの生活が不安!という方も多いでしょう。
早期リタイアするなら資産や戦略を練る必要があります。
この記事では、50代で早期リタイアして会社を辞めたい人に必要な資産と戦略を紹介します。
投資収入が年間支出を上回ればリタイア成功のFIRE(早期リタイア)
早期リタイア後の人生設計の1つにFIREと呼ばれるものがあります。
FIREとは、
・F:Financial:経済的
・I:Independence:自立
・R:Retire:引退
・E:Early:早期
になります。
簡単に説明すると、早期退職してお金に縛られることなく自分の思うように生きるライフプランや概念です。
早期リタイアするなら、FIREを目指すのもポイントになります。
FIREを実践できている人は毎年の生活費をカバーできるような貯蓄と節約だけでなく、リタイア後に始められる投資で一定の収益を得て経済的自立を目指します。
投資収入が年間支出を上回ればリタイア成功のFIREです。
それでは早期リタイアとFIREについて細かく見ていきましょう。
資産1億円に対して税引後の年利3%なら年間支出を300万円に抑えれば良い
FIREで4%ルールと呼ばれるものがあります。
これは運用している資産額の4%の生活費なら、毎年切り崩したとしても資産が30年続く可能性が高いというものです。
税を考慮し、資産額の3%を年間の生活費と考えます。
資産が1億円あるなら年利約3%(300万円)に生活費を抑えることができればFIREです。
早期リタイアでFIREするためにはかなりの資金が必要ですが、退職金や貯蓄があれば十分にできます。
地方なら支出を抑えやすい
早期リタイアを成功するためには、リタイア後の支出を減らすのもコツです。
生活費の支出を抑える方法として地方での生活があります。
地方は都市部に比べて、家賃・土地がかなり安いです。
また地方は人の流出に悩みを抱えるところが多く、移住者に対してさまざまな支援を行っている自治体も多くあります。
このような支援を上手に活用すれば、コストを抑えながら好条件で移住を実現することができます。
移住支援の概要は一般社団法人の移住・交流推進機構に分かりやすくまとめられているので参考にしてください。
地方で抑えられる出費は家賃・土地!それ以外の費用は都会とそこまで変わらないので注意
50代は子育ても落ち着いた世代で贅沢しなければリタイアは余裕
人生においてお金がかかるイベントと言えば、マイホームの購入・結婚・子育てなどです。
このうち子育てについては子どもが成人するまでお金が断続的にかかるため、子育ての年齢で多い30代や40代は早期リタイアしたくても子育てが理由で出来ない人も多くいます。
50代になると子育てが落ち着いた世代が多くなり、他にお金がかかるイベントもほとんどありません。
生活費を確保できればいいので、贅沢しなければリタイアは余裕です。
早期退職の流れが大きくなり定年退職説が崩壊していく近未来
日本は長年にわたって終身雇用制度に守られ、この制度のおかげで入社すれば退職するまで安泰でした。
しかし、近年はグローバリズムやIT化の進展、コロナなどによって働き方が大きく変わってきており終身雇用制度も崩壊すると言われています。
日本を代表する大手企業のトヨタの社長でさえも、「終身雇用は難しい」という後ろ向き発言をしています。
韓国でも50代の早期リタイアが当たり前になっていることから、日本でも早期リタイアが当たり前になる時代は近いと言えます。
働く環境は急速に変化している!時代の流れに取り残されないためにも最新の情報を取り入れる必要がある
パナソニックやホンダは早期退職者を募集
早期リタイアの流れの前兆とも言えるのが、大手企業のパナソニックやホンダの早期退職者募集です。
パナソニックと言えば、「社員は家族」、「社員は絶対に解雇しない」という初代社長の松本幸之助の社員ファーストの考えが有名です。
しかし、2021年に退職金に最大4000万円を上乗せするという条件で早期退職者を募りました。
リストラという言葉は使っておらず、表向きは希望退職者を募る形となっています。
しかしながら、50代の退職希望者に手厚い支援が行われる仕組みになっており、50代をターゲットに人員削減しようとしているのは明白です。
ホンダについては55歳以上の社員を対象とし、早期退職者には退職金に年収の3倍を加えるという条件で早期退職者を募りました。
このように早期退職者を募る大企業は増えており、今後も他の企業で同じような流れが続くと予想されます。
手厚い退職金で早期リタイアを目指す機会になるか
パナソニックやホンダの早期退職の条件はかなりいいです。
もともとある退職金に上乗せされる退職金を加えると、それだけで5000万円以上の資金になります。
退職金に貯蓄を合わせると1億円を超えるという人も少なくないでしょう。
このような手厚い退職金がもらえるなら早期リタイアするのもありです。
ただし、すべての企業でパナソニックやホンダのような手厚い退職金がもらえるわけではありません。
どれくらい退職金がもらえるかを計算し、その上で早期リタイアできるかどうかプランニングしなければなりません。
必要な資産額はいくら?元証券マンからみたFIREに必要な資産とは
早期リタイアに必要な資産額はいくらでしょうか。
まずは4%ルールに従って、FIREに必要な資金額を計算していきます。
年間の支出が200万円なら5000万円、年間の支出が300万円なら7500万円、年間の支出が400万円なら1億円が目安です。
これだけ見ると、「現実的ではない!」と考える方が多いのではないでしょうか。
4%ルールは、
・アメリカの株式市場が年間7%の成長率を続けてきたこと
・インフレ率が3%であること
などが考慮されて差し引き4%という基準になっています。
日本のインフレ率は1~2%と低水準ですが、年間7%のアメリカ株式に日本から投資することができることを考慮すると、日本では5~6%とゆとりを持って考えることもできます。
仮に6%で計算するなら、
・年間の支出が200万円:約3400万円の資金
・年間の支出が300万円:約5100万円の資金
・年間の支出が400万円:約6800万円の資金
このように資金を低く抑えることも可能です。
6%で計算すれば、退職金と貯蓄でカバーできるという方も増えると思います。
早期リタイアの目安にしてください。
##年利数%の利益を手堅く生み出すための投資先の候補には何がある?
資産が数千万円あれば、年利数%でも年間の生活費の多くをカバーできます。
年利数%で手堅く利益が狙える投資の候補として以下の表を参考にしてください。
年利 | 特徴 | |
株式投資 | 4%~7% | 企業に出資する対価として、株主総会で議決する権利や配当金・株主優待を受け取る権利 |
投資信託(ヘッジファンド) | 3%~5% | 投資家から集めたお金を一つの資金としてまとめ運用の専門家が代わりに運用する |
不動産投資 | 3%~7% | 不動産を購入して運用し、家賃収入や売却益を得る |
この中でも不動産投資や投資信託は長期運用で手堅く利益を得ることができます。
最近はFXや仮想通貨取引などの投資が人気ですが、これらは短期的な利益は期待できても長期的な利益は期待できません。
投資にはリスクがつきもの! 1つの投資に資金を注ぎ込むのではなく分散投資でリスク分散を!
投資詐欺に注意
投資詐欺とは、「未公開株」、「社債」、「仮想通貨」、「事業への投資話」などの話しを持ち出してお金を搾取する詐欺のことで高齢者を中心に多く発生しています。
知人から勧誘されて詐欺に遭うケースも多いですが、知人も詐欺に遭っていることに気付いていないケースも多くあります。
甘い話しには必ず裏があるので、投資詐欺に遭わないように十分に注意してください。
また投資詐欺に遭わないためにも、投資に関する相談は銀行や証券会社など信頼できる金融機関で行いましょう。
##今の会社では貯金できない場合は働きながら高年収の会社へ転職もアリ
早期リタイアを目指したいけど退職金が期待できない場合、今の会社では貯金ができない場合は働きながら高年収を目指せる会社に転職するのもありです。
好条件の求人を見つける方法としておすすめするのが転職エージェントの利用です。
転職エージェントは、無料の転職支援サービスになります。
転職のプロが転職に関する相談に乗ってくれて的確なアドバイスをくれます。
また自分の市場価値を客観的に判断し、その価値に見合う求人を探してもらうこともできます。
転職で通用するスキルや経験があれば、50歳以上でも条件がいい転職先が見つかる可能性は高いです。
転職エージェントは相談だけでも可能なので、まずは相談して今よりもいい条件で働ける会社があるかどうか聞いてみましょう。
転職エージェントに記載されている会社は比較的に資金に余裕がある
好条件の求人が見つかりやすいのは、転職エージェントを利用するメリットの1つです。
転職エージェントに条件がいい求人が多いのは、転職エージェントに登録するためにはまとまった資金が必要であり、登録している企業は資金的に余裕があるためです。
転職エージェントによっては1人を採用するために数百万円のコストがかかるところもあります。
それだけのお金を転職エージェントに支払うのは、優秀で長く働ける人材を見つけるメリットの方が大きいからです。
大企業の非公開求人も多く取り扱っているので、今より条件がいい求人が見つかる可能性も十分にあります。
早期リタイアを目指す前に短期間で貯蓄を増やすなら給料が多い会社に転職するのが近道です。
転職エージェントを上手く活用して転職活動を進めていきましょう。
まとめ
50代で早期リタイアして会社を辞めたい人は年間にかかる生活費を算出し、そこからリタイアするために必要な資金を計算しましょう。
思い切って物価が安い地方に移住するのもありです。
早期リタイアするために十分な資金がない!という方は、高収入が目指せて早期リタイアまでに貯金ができる企業に転職するのもおすすめです。
転職に関する相談は無料で質の高い非公開求人も多く取り扱っている転職エージェントを活用しましょう。