web作成に欠かせない職業のwebデザイナー。
フリーランスにも人気の職業ですが、その年収は意外と低いことをご存知でしょうか。
実際にwebデザイナーとして働き、年収が低いことを理由に転職する方も多いです。
その一方で、webデザイナーとして成功し、平均年収より多く稼いでいる方もいます。
webデザイナーとして働いている人、これから働きたい人はwebデザイナーの年収事情を知っておきましょう。
この記事では、webデザイナーの年収が低い理由や年収を増やす方法を紹介します。
Webデザイナーの年収が低くなりがちな理由
webデザイナーはクリエイティブ関連の職種になります。
2020年12月に行ったdodaの調査によると、クリエイティブ関連の平均年収は381万円です。
そしてwebデザイナーの平均年収は363万円となっています。
全職種の平均年収も409万円ですから、webデザイナーの年収が他の職種に比べても低いのが分かりますね。
なぜwebデザイナーの年収は低いのでしょうか?
webデザイナーの年収が低くなりやすい理由を紹介します。
利益率の低い事業のデザインが多い
webデザイナーの年収が低い理由として、利益率の低いデザインの多さが挙げられます。
最近はフリーランスや個人事業主の増加に伴って個人向けのwebサイト作成の需要が高まり、webデザイナーの需要が高まっています。
しかし、フリーランスや個人事業主などの小規模事情だと、webサイト作成に出せる予算が限られます。
結果的に利益率が低い事情のデザインが多くなり、仕事をこなしていても会社の利益は少なくなって社員に還元される年収も減るわけです。
一昔前は利益率の高い大企業のwebサイトを手がける機会も多くありましたが、今はすでに取引先が決まっていることや既存のサイトを更新していく形になるので、利益率の高いデザインの受注が難しくなっています。
今後も新たに大口の受注が増えるとは考えにくく、利益率の低い事情のデザインの多さは変わらないと考えられます。
Webデザインはある程度は形が決まっているので差をつけにくい
webデザインはネットの知識が少々あれば、ネットで配布されている無料のテンプレートを使って自分で行うこともできます。
またテンプレートを見ても分かるように、webデザインはある程度形が決まっています。
その上でお金を払ってwebデザインを依頼するのは、他のサイトと差別化を図ることや、より興味を持ってもらうwebデザインにすることなどが目的です。
それでもネットには無数のwebサイトがあり、デザインのアイデアを新しく出すことは簡単ではありません。
他のサイトと似たり寄ったりのデザインになってしまうと利益も低くなり、webデザイナーに還元される収入も少なくなります。
副業ブームでWebデザイナーが買い手市場になっている
webデザイナーはパソコンがあればできる仕事なので、フリーランスや副業の仕事としても人気があります。
フリーランスや副業のwebデザイナーは、会社の維持費や人件費などの固定コストがかからないため、企業に依頼するよりも安くwebデザインの発注ができるメリットがあります。
最近はクラウドソーシングなどを使って簡単に個人受注ができるようになり、webデザイナーは買い手市場になっています。
仕事の奪い合いの状況が作られ、何かに特化したスキルがないwebデザイナーの年収は低くなってしまうわけです。
働き方改革でフリーランスが増えていることや副業を許可する企業が増えていることから、今後もwebデザイナーの買い手市場は続くと想定されます。
そのため、webデザイナーの年収も今後上がることは考えにくいです。
年収の高いWebデザイナーはスキルが尖っている
年収の低いwebデザイナーですが、年収1000万円を超えるようなwebデザイナーもたくさんいます。
つまり、稼げるwebデザイナーもいるわけです。
年収の低いwebデザイナーと年収の高いwebデザイナーはスキルや経験が違います。
年収の高いwebデザイナーはスキルが尖っています。
ここでは、年収の高いwebデザイナーの特徴を紹介します。
有名企業やコンテストで経験や実績を積んできている
年収が高いwebデザイナーは数多くの経験・実績があります。
たとえば、誰もが知るような大手企業のサイトのwebデザインを手がけた実績があれば、それだけで一目置かれるようになります。
さらに「○○企業のwebデザインを手がけた」という肩書きが年収アップにもつながります。
他にも、以下のようなコンテントで実績を残せば、箔がついて年収アップにつながります。
・Yahoo! JAPAN インターネット クリエイティブアワード
稼いでいるwebデザイナーはだいたい上記のようなアピールできる経験や実績があります。
アピールできる実績がいくつあるか挙げてみよう!
Webデザインプラス他のスキルを持っている
最近のwebデザイナーは、webデザインだけでなく他のスキルも多く持ち合わせています。
たとえば、
・プログラミング
・CMS
・JavaScript
・SEO分析
などの技術的なスキルや、
・コミュニケーション能力
・情報収集力
・プレゼンテーション能力
・判断力
などのマーケティングスキルなどです。
webデザイナーはたくさんいますが、その中で複数のスキルを持っている人は多くありません。
webデザイナーはwebのデザインが仕事ですが、もっと広い目で見るとサイトに集客するためのデザインです。
ネット関連やマーケティングのスキルがある方が、より集客性が高いデザインのサイトを作ることにもつながります。
特にフリーランスや副業のwebデザイナーは技術や能力のアピールをする上で、webデザイン以外のスキルを持っている方が受注も多く年収もアップしやすいです。
単価の高い分野のWebデザインの仕事をやっている
年収が高いwebデザイナーは単価の高い仕事を多く受注しています。
単価の高い分野としては、
・官公庁業界
・大手企業
などがあります。
これらの取引先から安定して受注を受けられる会社であれば、webデザイナーの年収も多くなります。
官公庁業界や大手企業などは信用・実績などを特に重視するため、フリーランスや副業では受注しにくく、webデザインの実績が豊富にある大中規模の会社からの受注がメインになります。
またゲームアプリのデザインも高単価な案件が多く、特に人気のゲームアプリのデザインを手がけている会社のwebデザイナーは年収も多いです。
これからWebデザイナーが年収UPしやすい人
webデザイナーの年収が低い理由と稼いでいるwebデザイナーの特徴を紹介してきました。
これらを踏まえ、これからの時代にwebデザイナーが年収を増やすために必要となるスキルや経験を紹介します。
マーケティング要素のあるWebデザインができる人
一昔前までは、おしゃれでクールなwebのように見栄え重視のデザインが重視されていました。
そのため、「人気のwebデザイナー=アート気質が高い人」でしたが、最近は見栄え重視のデザインはそこまで求められていません。
代わりに求められているのは、サイトデザインを通じていかに訪問数や商品の購入につながるかというマーケティング要素のあるデザインです。
データ解析を含めた論理的なサイト構築ができるwebデザイナーを求めている企業が多く、今後もこのようなwebデザイナーの需要が増えると予想されます。
マーケティングスキルを有したWebデザイナーとして、「UIデザイナー」や「UXデザイナー」などがいます。
これらはユーザーがスムーズにサイトを作れることを意識したデザインや、サービスの利用によって得られる意義のある体験ができるデザインが作れる専門家です。
またWebディレクターやWebプロデューサーの経験があるWebデザイナーも、マーケティング要素を取り入れたデザインができます。
マーケティングは、「現状分析」、「戦略決定」、「対象決定」、「位置の決定」、「相手への訴求」などの5つの要素で成り立ちます。
これらの要素を意識してないとマーケティングスキルは身につかず、マーケティング要素のあるWebサイトは作れません。
デザインの良し悪しは見栄えで判断できない!クオリティの高さはビジネス面での寄与で決まる
コーダー不要のWebデザインを提案できる人
コーダーは、Webデザイナーがデザインしたサイトやアプリなどをユーザーがネットで閲覧・動作できるように作り上げる職種です。
コーダーが必要なサイトだと、Webデザイン費用とコーダー費用がかかります。
またコーダーに時間がかかることから、Webサイトを作り始めてから完成するまでの時間も長くなります。
コーダーにかかるコストが大きいことから、最近はコーダー不要のWebデザインを手がけるデザイナーも増えています。
発注する企業にとっても、サイトのクオリティを落とさず依頼できるならコーダー不要の方がいいものです。
これからはコーダー不要のWebデザインを提案できるWebデザイナーの需要が高まると考えられます。
コーディングをせずにサービスやある程度の高品質なサイトを作れるようになってきている
最近はコーダーなしで受注するWebデザイナーも増えています。
コーダーなしでサイトを作れるようになったのは、コーティングなしでWebサイト制作ができるツールが登場したためです。
「STUDIO」というツールを例に挙げてみます。
STUDIOは、コードを自分で打ち込む必要がなく、ボックスレイアウトを使って各コンテンツを配置できるのが特徴です。
コードやテンプレートに縛られることなく、誰でも自由自在にデザインができます。
またJavaScriptを使わずに動きのあるサイト作成を行うこともできます。
他にもコーダー不要のツールが登場しており、コーダー不要のWebデザインの需要も高まることが考えられます。
今後は、コーダー不要でWebデザインできるスキルや経験なども必要になるでしょう。
営業力の高い自営業Webデザイナー
Webデザイナーは独立のハードルが低いことから、Webデザインの勉強をして自営業やフリーランスに転身するケースも増えています。
自営業は固定費が少ないため、独立して安定して仕事を受注できるようになれば、会社勤めよりも高い年収が期待できます。
Webデザインの仕事は多岐にわたりますが、ライバルが多いため、独立しても年収が低いWebデザイナーは少なくありません。
生き残るのは営業力が高い自営業Webデザイナーです。
ここで言う営業力には以下の3つがあります。
・新しいお客さんを紹介してもらう人脈力
・自ら新しいお客さんを集める集客力
・既存のお客さんに継続して利用してもらうリピート力
営業の経験がなくてもコミュニケーション能力があれば、自営業でもWebデザイナーとして十分に通用します。
しかし、コミュニケーション能力がなく営業力もなければ、どれだけスキルがあってもWebデザイナーとして仕事をもらうことは難しいでしょう。
営業力に自信がないなら、会社に勤めてWebデザイナーをすることをおすすめします。
ディレクション分野で活躍するWebデザインができる人
ディレクションの経験があるWebデザイナーも年収アップを目指しやすいです。
ディレクションは、売り上げを伸ばすWebサイトを作り、クライアントと自社の売り上げに貢献することを目的にプロジェクトに関わる企画・編集・デザイン・制作などを行います。
「どうすれば売り上げが上がるか?」、「どうすれば集客できるか?」などを常に考えているため、ディレクションの経験者は集客や売り上げを意識したWebデザインが作れます。
Webデザインを依頼する側も、ディレクションの経験がある方が安心・信頼感を持てます。
ディレクションの経験がないという方は、ディレクションの経験を積んでからWebデザイナーに転身するのもありです。
高速で下書きのデザインを作って顧客の欲しい機能を視覚化できる
ディレクションをしていると、プレゼンテーションの機会も多くあります。
売り込みたい企画や商品を説明するために欠かせないことですが、プレゼンテーションは相手の要望も取り入れながら目的をしっかりと意識して伝える能力が必要です。
こうした経験をもとに、Webデザイナーとしても顧客の要望に応えることができて、欲しい機能の視覚化もいち早く行えます。
デザインの知識や経験があれば、サッと紙を出して顧客のイメージを聞きながら下書きをして提案することもできるでしょう。
その場で提案できればデザインまでの着手も早くなり、効率よく仕事をこなすことができます。
受けられる案件も多くなるので年収UPにもつながるでしょう。
単価の高いWeb制作業界や高単価なアプリ、Webサービス分野への参入も考える
Webデザイナーの年収が低いなら、単価の高いWeb制作業界や高単価なアプリなどのサービスを行っている企業への転職や、自営業なら新規開拓をして年収を増やす方法を考えましょう。
単価の高いWebデザインの仕事は世の中に数多くありますが、単価が高くなればなるほど求められるスキルや経験も増えます。
誰でも単価の高い仕事にありつけるわけではありません。
最初から単価が高い仕事を探そうとしても見つからないので、Webデザインの仕事をこなして経験値を積みスキルアップを図る必要があります。
年収を増やすためにも目の前の仕事を全力でこなして経験値&スキルを高めよう!
事業の利益率が低く将来性が高くない場合は転職も検討する
企業に勤めているWebデザイナーは、長く勤めていると昇給・賞与アップによって年収アップが期待されます。
しかし、事業の利益率が低く将来性に不安を感じる会社に勤めると、昇給・賞与アップは期待できません。
このような会社はスキルや経験が少なくてもできるような仕事が中心なので、長く働いてもアピールできるスキルや経験の習得にはつながりにくいです。
今の会社に将来性を感じられないなら、将来性がある会社に転職するのも選択肢としてあります。
「Webデザイナーとして今よりいい条件で働けるところがあるの?」と不安に感じる方もいるかもしれません。
まずは無料で使える転職支援サービスの転職エージェントに相談してみることをおすすめします。
転職支援の経験豊富なプロが、自分の能力やスキルにマッチしたWebデザイナーの仕事を紹介してくれます。
ハローワークや求人サイトで取り扱ってないような高待遇の非公開求人を紹介してもらえることもあります。
転職に失敗しないためにも、転職エージェントの利用をおすすめします。
Webデザイナーが年収アップを目指すなら転職がおすすめ!転職活動は転職エージェントの力を借りよう
まとめ
Webデザイナーの年収が低いのは、ライバルが多くスキルや経験がないと高単価の仕事にありつけないことが理由としてあります。
年収を増やすなら、マーケティングや技術的なスキルが欠かせません。
すぐにでも年収を増やしたいなら転職するのも方法の1つです。
これまで積み重ねてきたスキルや経験が、今の会社より高く評価してくれる会社も見つかるかもしれません。
転職を検討するなら、転職エージェントにまずは相談してみましょう。