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【失望注意】地方への転職のこんなはずじゃなかったを防ぐ

【失望注意】地方への転職のこんなはずじゃなかったを防ぐ
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たかーし
二児の父親。家族との時間を作るために、一念発起して某証券会社を退職。現在は個人事業者として自由に働けるスタイルを確立し、以前より家族との時間も収入も増えました。 簡単な道のりではなかったですが、あのとき仕事を辞めてよかったと心の底から思える今があります。転職経験がある個人事業者の立場から転職のアドバイスを発信していきます。
困っている男性

地方ならではの落とし穴なんかあったりするのかな?転職したいけれど気をつけておきたいところを把握しておきたいな

という人へ向けて記事を書きました。

近年、地方自治体は町おこしや移住サービスなどに力を入れて仕事の担い手を増やしています。

地方の良さがピップアップされるようになり、「自分もUターンやIターンで地方に転職して仕事がしたい」という方もいるでしょう。

私自身、愛媛県の地方で仕事をしていますが、地方に憧れて東京から転職してくる人をたくさん見かけます。
転職で成功している人もいれば、こんなはずじゃなかったと嘆いている人もいます。
しかし、失望している人は実際には少なく、ほとんどの人は充実した生活を送っています。

地方への転職で失望しないためには、地方で働くメリットだけでなくデメリットも把握してくことが大事です。

この記事では、地方への転職の「こんなはずじゃなかった」を防ぐために知っておきたいことを解説しました。

東京から地方へ転職する際に知っておきたいこと

地方への転職に対し、「地方は人間関係が密で温かい」、「若手が少ないので転職しやすい」などのイメージをお持ちではないでしょうか?

人間関係は東京に比べて地方の方が濃密で、若手の流出に頭を抱えている地方が多いのはイメージ通りです。
だからと言って地方の方が生活しやすく転職しやすいことにはなりません。

東京から地方に転職する際は以下のようなデメリットもあります。

・給与は下がる傾向にある

・大規模な仕事に携われない、経験を活かしづらい

・求人が少なく同じ地域での転職が困難になる場合がある

・地方によってはプライベートの付き合いに疲れることがある

それぞれの項目について解説します。

給与は下がる傾向にある

東京から地方への転職は、給料がダウンしやすい傾向にあります。

2019年9月~2020年8月の1年間にdoda転職エージェントに登録した人の平均データでは、もっとも平均年収が高かった都道府県は東京都の444万円で、もっとも平均年収が低かった都道府県は沖縄県の348万円でした。

またエリア別に平均年収を見ると以下のようになります。

・関東:429万円

・東海:400万円

・関西:389万円

・中国、四国:381万円

・北信越:376万円

・北海道、東北:371万円

・九州、沖縄:369万円

東京、大阪、名古屋などの大都市がある関東、東海、関西で年収が高めになっているのが分かりますね。
そして大都市から離れる地方ほど年収は低くなります。

地方ほど平均年収が少ないのは都会に比べて大企業が少なく、「大企業→中小企業の転職」になりやすいことが理由です。
都会のように多額の給料をもらえる企業に転職できる可能性が低くなるので給料ダウンにつながります。

ただし、「大企業→大企業の支所」や「大企業→独立」のようなパターンなら給料は下がらないこともあります。
私は「地方の証券会社→都会の大手証券会社→地方に戻って独立」のパターンで愛媛に戻ってきましたが、大手証券会社時代よりも収入は増えました。

地方は家賃、食材などが都会に比べて安いので、給料が多少下がっても物価の安さである程度カバーできます。

私の住む地域は過疎化で空き家が増えていますが、土地付きの空き家が200~500万円くらいで売り出されているので、都会から転職で来る人は空き家を買って安くリフォームするパターンが多いです。

大規模な仕事に携われにくく経験も活かしづらくなる

都会に比べると地方は大規模な仕事に携わりにくく、地方に転職してもこれまでの経験が活かせないことも多いです。

たとえば、私は大手証券会社で働いていましたが、都市部だったので顧客に政界・芸能界・スポーツ界の有名人などがいました。
動くお金も大きく、有名人への営業経験で培ったコミュニケーション能力はかなり高いと自負しています。

さらに海外展開していたこともあり、会社にいると常にグローバルな情報がいち早く入ってきていました。
海外の顧客が来日したときは、国際線発着空港が近くにあったので直接会ってコミュニケーションを取りやすかったのも強みでした。

地方で同じような働き方ができる証券会社はなく、これまで積み重ねたスキルのすべてが必要ではなく経験の持ち腐れ状態になります。
もちろん優遇はしてくれますが、会社の規模が小さいので給料は下がってしまいます。

ただ、私は地方に戻ってきましたが、証券会社に転職するのではなく、これまでの経験を活かして独立し、web上でコンサルや執筆を行ううちに収入が以前よりも増えました。

地方への転職は経験を活かしにくいですが、考え方や視点を変えてみることで経験を活かした働き方ができることもあります。

たかーし

webなら場所に関係のない働き方ができる!地方で仕事を探すならweb関連も視野に入れよう

求人が少なく同じ地域での転職が困難になる場合がある

地方の求人数は都会に比べると少なく、地方に転職したくてもできないケースがあります。

私の住むところは5万人に満たない地方ですが、求人サイトで検索しても正社員の募集は10社もありません。求人が少ないのは、農業や漁業などの一次産業が中心なので、従業員を雇うような企業がないためです。

さらに地方になると正社員の求人数が3~5社という自治体もあります。

ただし、同じ愛媛県でもタオル産業や製紙産業などの二次産業が盛んな東予地方になると、求人数はかなり多くあります。県庁所在地がある松山市でも数多くの求人があります。

地方の中には安い土地を活かして大規模な事業を行っているところもあり、このような場所なら求人内容に偏りはあるものの求人数は比較的多いです。

県庁所在地のように人口が多いところも金融機関、保険会社、飲食など、さまざまな会社が集中しているので求人が増えます。
私の周りでは土地の安い地域に家を建てて、車で街の中心部に働きに出ている人が多いです。

地方に転職する場合は、「どんな仕事がしたいか」をまずは考えておく必要があります。そして、希望する仕事ができる企業がその地方にあるかどうかを調べておきましょう。

地方によってはプライベートの付き合いに疲れることがある

地方に転職したい人の中には、「地方の人は温かそう」、「近所の人と助け合って生活ができる」と考える方も多いです。

私が住んでいるところも人間関係はかなり密で、近所の農家さんや漁師さんが野菜や魚介類をいつも持ってくれる感じです。
子どもが小さいときは近所の人が見てくれるような温かさもあります。

このように「地方=温かみがある」というのは間違いではないものの、地域に馴染んで受け入れてくれるまでには時間がかかります。

私も地域に慣れるために、町内会・消防団・地域役員などの誘いがあったらすべて受けてきましたが、地域の行事だけで1カ月の日曜日がすべて潰れるようなこともありました。
1つずつ真面目に参加して、ようやく地域の人も受け入れてくれました。

そして、こうした行事に参加しない移住者に対して地元の人は冷遇です。
人間関係が苦痛ではない人や地域行事が好きな人なら問題ないですが、そうでない人には苦痛に感じるかもしれません。

都会に住んでいると想像しにくいと思いますが、地方への転職は地域行事でプライベートの時間が減ってしまうことを念頭に置いておく必要があります。

たかーし

地方の人は味方になってくれたら頼もしい!楽しく生活するためには何でも率先して行うこと

副都心部を選択肢にいれると地方移住しやすい

地方に転職する場合、求人数が多い都心から近く、なおかつ都心ほど人間関係が密ではなく自然が多い副都心部を選択肢に入れて探すと移住しやすいです。

地方でも都市部になると、東京で生活するのと同じくらい人間関係は希薄で自然も少なく物価も高いです。
東京などの大都市圏から地方の都市部に転職するメリットはあまりありません。

ただし、都心から少し離れた副都心部なら、自然が増えてほどよい田舎ライフを送れる場所が多くあります。
副都心部からなら交通機関もそこそこ充実しているので、車や公共機関を使って求人の多い都心部に通勤することもできます。

副都心部なら都心部と地方のいいとこ取りができるので、地方への転職を検討している場合は候補の1つにするのもよいでしょう。

地元へ帰りたいが求人の少ない人の場合

Iターン転職だと求人がある地方を探して移住すればいいだけですが、Uターンだと地元に求人がないと戻ることができません。
Uターンしたいけど、求人が少ないので帰れない!という方もいるでしょう。

このような場合、経験を活かせる異業種・異職種の仕事を探すことや転職エージェントの活用などをおすすめします。
それぞれのケースについて解説していきます。

経験を活かせる異業種もしくは異職種でも仕事を探してみよう

地方の求人は少ないですが、求人数が常に0件の自治体はほとんどありません。仕事を選ばなければ働ける場所はあるはずです。

ただ、これまでと同じ業種・職種の仕事は見つかると限らず、異業種・異職種の転職を余儀なくされるかもしれません。

少しでも転職を成功に近づけるためには、数少ない求人の中から自分の経験やスキルを活かせる仕事を選ぶのがコツです。

私は証券会社時代の経験やスキルを活かして独立しましたが、お金や経済の知識やコミュニケーション能力を強みとしていたので、地方に移り住む前にこれらの経験やスキルを活かして一般企業の財務や他業種の営業をしてみたいと考えたことがありました。

結局や独立して成功したので転職はしませんでしたが、異業種・異職種でも過去の経験やスキルが活かせる仕事はあるはずです。まずは自分の強みを書き出してみて、どんな仕事に使えるかイメージしてみましょう。

自分が挑める未経験ジャンルかどうか転職エージェントなどを活用してさがしてみる

「自分のスキルや経験がどんな仕事に活かせるか分からない!」、「地方の求人を探して欲しい」という人は、転職エージェントの利用をおすすめします。

転職エージェントは転職支援を無料で行っているサービスで、自分のスキルや経験が活かせる仕事をピンポイントで探してくれます。
大手の転職エージェントや地方特化型のエージェントを活用すれば、一般の求人サイトには掲載されていない地方の求人を探してもらえることもあります。

転職エージェントの拠点は都市部にあるケースがほとんどですが、相談は電話やweb面談で対応してくれます。
仕事をしながらでも利用できるので、働きながら地元の求人を探して仕事が決まってから退職や地元に戻る準備を進めるのでも問題ありません。

たかーし

転職エージェントは手厚いサービスやサポートが無料で受けられる!使わないと損

仕事が見つかったけど移住するお金がない人は地方移住の支援金を活用しよう

地方の仕事が見つかったとしても、移住するための費用や新しい生活を始めるための資金に不安がある!という方もいるでしょう。

そんな場合に役立つのが、地方移住支援です。

内閣府地方創生推進事務局でも起業支援金・移住支援金の2つの支援を行っています。

[起業支援金]

┗地域の課題に取り組む「社会性」、「事業性」、「必要性」の観点を持った起業に対して最大200万円の支援

[移住支援金]

┗地域の中小企業への就業やテレワークで移住前の業務の継続、社会的企業等をする移住者に最大100万円の支援

自治体によっては独自の支援を行っているところもあるので、地方への転職を検討する前に受けられる支援があるか確認しておきましょう。

まとめ

地方への転職に甘い願望を抱くのはよくありません。地方は求人数が少なく、地域行事にプライベートの時間を削られることもあります。
しかし、仕事が見つかって地域に馴染むことができれば、自然や温かい地元の人たちに囲まれながらストレスの少ない生活が送れます。

私も地方に移り住んで心や体がかなり楽になりました。
そんな生活を送るためにも、まずは転職エージェントのサービスなどを利用し、自分のスキルや経験が活かせる地方の求人を探しましょう。