「周りに相談しても郵便局は安定した職業だから辞めない方が良いと言われるけど実際のところ将来が不安だ」
「正直、ブラック企業と同じなんじゃないかと思えてくることが多々ある」
安心公務員のイメージの名残からか郵便局を辞めたいといっても周りに理解されにくいですよね。
実際はご存知のよう郵政民営化をきっかけに苦しい経営判断を迫られている郵便局も多く、ブラック企業のような働き方を強いられているところもあります。
「郵便局での仕事がきつい」、「給料が上がらない」、「人間関係がしんどい」など、悩みや不安は多くあります。
しかし郵便局を辞めたい!と思っても、後のことを考えずにすぐ辞めてしまうのは勿体ないです。特に40代以上の転職は、転職先がすぐに見つからない可能性もあります。
そこで今回は40代にスポットを当てて、郵便局を辞めたい人が事前に考えておきたいことや辞めた後にどんな行動を取ったらいいのかについて紹介していきます。
40代で郵便局を辞めても転職先の候補はある
40代で郵便局を辞めた場合に、はたして転職先が見つかるのか気になるところですね。
40歳を超えると求人自体が少なくなるのは事実としてあります。しかし郵便局員として働いた経験は転職に有利になりやすく、今より好条件で転職できる可能性もあります。
郵便局員は2007年の郵政民営化まで公務員だったこともあり、現在でも郵便局員に対して「真面目」、「仕事をきちんとこなす」、「人間関係がしっかりしている」などポジティブなイメージを持つ人や会社は多いです。
また公務員と違って民営化されたこともあり、一般企業のメリットやデメリットも把握しているというイメージを持つことから、公務員の転職に比べても一般企業への転職ハードルは低いと言えるでしょう。
年齢の壁によって仕事を辞めても新しい仕事がすぐに見つかるとは限りませんが、しっかり転職活動をしていれば転職先の候補は出てきます。
管理職を目指さない(なれない)のであればこの先も消耗し続ける可能性あり
郵便局の役職として、
・支店長
・副支店長
・局長
・副局長
・課長代理
・総務主任
・主任
などがありますが、昇進するためには昇進テストを受けて合格しなければなりません。
昇進テストの内容は郵便局によって異なり、テストらしいテストを行わずに局長の推薦によって昇進するような郵便局もあります。
勤務している郵便局によっては正攻法で昇進しにくく、管理職を目指せないようなところもあります。このような職場で長く働いても消耗し続けるだけで、年齢と共に現在の働き方では体や精神が持たなくなってしまいます。
管理職を目指せない職場だと給料の大幅アップも見込めないため、今後のことを考えたときに今の仕事を辞めて新しい仕事を探すのも方法の1つです。
パワハラや自爆営業(自腹で購入)をやらされているなら転職は十分検討するべき
郵便局で働いている方なら、“自爆営業”という言葉は誰でも知っているのではないでしょうか。
自爆営業とは、郵便局が販売している商品のノルマを達成するために自己負担で商品を購入することです。営業成績のために身銭を切る行為を自爆にたとえ、自爆営業と呼んでいます。
過去に郵便局員が自殺した際に話題になった“自爆営業”ですが、特に年賀はがきの自爆営業は郵便局員を悩ませる1つです。
郵政省時代にも自爆営業は行われていましたが、郵政民営化によって利益追求が求められるようになってから上層部からより一層の圧力をかけられるところが増えました。
所属している郵便局によって1人あたり「年賀はがきを何枚売る」という目標が定められており、この目標を達成するために上司からパワハラを受けている局員も多くいると言われています。
日本郵便は過剰なノルマがプレッシャーになっているとしてノルマ廃止を打ち出していますが、自爆営業の環境が改善されていない職場もたくさん存在しています。
自爆営業をしない風潮になりつつも、パワハラや自爆営業が辛くて仕事を辞めたいと考えているなら転職を検討するのもありです。
ただし、郵便局には「郵政なんでも労働相談」という電話相談ができるサービスがあるので、まずは電話相談をしてみるのもよいでしょう。
内容によっては転勤で状況が改善される場合もあります。
自爆営業は営業の仕事あるある!郵便局の自爆営業はその中でもかなりキツイ
過酷なノルマや人手不足、サービス残業に体力が追いつかなくなっていく
郵便局は過酷なノルマに加え、人手不足やそれに伴うサービス残業による疲弊も問題になっています。
人手不足の原因になっているのがネット通販の普及による配達量の増加です。
配達量は増えても荷物を運ぶ人は増えておらず、1人あたりにかかる仕事の負担も大きくなっています。
中には人手不足によって遅配が発生し、全国ニュースになったケースもあります。
人手不足のカバーは局員が行わなくてはならず、残業が当たり前になっている郵便局もたくさんあります。
残業時間は1人1人が専用の端末で管理されていることから形の上ではサービス残業はないはずですが、機械を通さずにサービス残業を局員に強いている郵便局も多くあります。
若いうちはノルマや人手不足のカバーも体力でカバーすることができますが、40代になると体力が少しずつ落ちてくるため、これまでのように勢いで働くことができなくなります。
40代が郵便局から転職できそうな業界
40代以上の転職はどの業界も厳しいと言われていますが、転職先がまったくないわけではありません。
中には郵便局での経験やスキルが活きる仕事もあり、このような仕事なら40代以上でも収入をあまり落とさずに転職できる場合もあります。
転職先の候補として以下のようなものがあります。
・営業
・トラック運転手やルート配送
・事務職
それぞれの仕事が候補になる理由について解説します。
営業
郵便局で保険や投資の営業経験がある人は、営業経験を活かせる営業の仕事が向いています。郵便局の営業は「大変」というイメージを持つ人も多く、郵便局の営業を経験しているだけで「営業ができる人」というイメージをもたれます。
保険や投資関係の会社に転職するのはもちろん、他業種でも営業経験を活かせます。
中には、「営業の仕事が嫌で郵便局をやめた」という人もいるかもしれませんが、取り扱う商品が変われば営業に対する思いが変わることもあります。自分が売りたいと思う商品を取り扱っている会社に転職するのもよいでしょう。
トラック運転手やルート配送
郵便局で配送業務の経験をしてきた人なら、トラック運転手やルート配送の仕事をおすすめします。
郵便局の配送業務とトラックやルート配送の仕事は似ていて、転職してもすぐに慣れることができます。即戦力としても期待されるため、転職してすぐに高い給料をもらえることもあるかもしれません。
車の種類によっては大型や大型特殊、2種免許などが必要になる場合もありますが、免許が必要になる仕事の方が給料は高くなりやすい傾向にあります。
郵便局からタクシードライバーに転職する人も多く、タクシードライバーは歩合制の会社が多いため、モチベーションがあげられます。
事務職
郵便局で窓口業務をしていた人なら、経験を活かして一般企業の事務職に転職することもできます。
郵便局は複雑な業務も多く、事務職の経験を買ってくれる会社は多いです。
郵便局の窓口業務はさまざまなお客さんに対応する機会も多く、コミュニケーション能力の高さもアピールポイントになります。
心の余裕があれば転職先が決まってから辞めた方が良い理由
郵便局を辞めたい!と考えている人の中には、今すぐにでも離職届を出して辞めたい!という人もいるでしょう。
しかし、衝動的に郵便局を辞めてしまうのはおすすめできません。
転職先が決まってない状態で離職すると以下のような問題点が出てきます。
・転職活動中に生活資金がどんどん減る
・転職に失敗しても出戻りがむずかしい
・気持ちが焦ってしまうことで希望条件に妥協が生まれる
・仕事のブランクが転職に悪影響を与える
在職中に次の仕事が見つかったら、転職活動中の生活資金の心配は不要で、希望条件に妥協が生まれることもありません。
「ただでさえ郵便局の仕事は激務なのに、仕事をしながら次の仕事を見つけることはできない!」と悲観的に考える方もいるでしょう。
自分1人だと在職中の転職活動は大変ですが、転職エージェントのサービスを利用すれば在籍中でも転職のプロが一緒に転職活動を進めてくれます。
郵便局員としての経験やスキルをもとに、自分の転職市場価値に合った最適な求人探しをしてくれます。
転職エージェントは無料で使えるサービスなのでお金の心配もありません。
転職の相談だけでも応じてくれるので、まずは転職エージェントに相談してみてから転職活動の流れを考えていくのもよいでしょう。
転職エージェントは使わないと損!早いうちに相談してみよう
郵便局が安定しているのは本当?
「郵便局を辞めたい!」と家族や知人に相談したら、「郵便局は安定しているので辞めるのはもったいない!」と言われた経験を持つ方も多いのではないでしょうか。
郵便局員はもともと公務員だったこともあり、「公務員=安定」というイメージから郵便局は安定した仕事というイメージを持つ人はたくさんいます。
また人手不足やサービス残業を強いられる現状からも、郵便局は仕事がたくさんあってリストラの心配が少ないと思っている方もいるかもしれません。
いろいろある民間企業の中で見ると、公務員の名残が残っている郵便局は「安定した仕事」の1つと言えます。しかし、郵便局員を取り巻く環境はどんどん悪くなっているのが現状で、郵便局はブラック企業と言われることもあるくらいです。
安定しているからと言って、楽しく前向きに働けるとは限りません。
郵便局員は、自爆営業、サービス残業、パワハラ、出世しにくいなど、安定している以上に肉体的・精神的に負担が大きくなります。
もう一度、郵便局を辞めたいかどうか気持ちを整理して、「それでも辞めたい!」という気持ちに変わりがないなら、周囲に何と言われようとも自分の気持ちに正直になって転職活動することが大切です。
安定した仕事がいいとは限らない。安定よりも働きやすさを大切にしよう!
まとめ
40代で郵便局を辞めたいと考えている方は、今の職場に対する不満・不安を整理して、パワハラや自爆営業、人間関係などが原因で辞めたいなら郵便局の労働相談のサービスを利用しましょう。
その上で辞めたい気持ちが揺るがないなら、転職エージェントを利用して在職中の転職活動をおすすめします。
周囲から「郵便局を辞めるのはもったいない」と言われるかもしれませんが、体や心を削ってまで無理して働いていると、年齢を重ねたときに同じように働くことができなくなるかもしれません。
周囲の人のアドバイスはもちろん参考にしつつ、後悔しないように心の整理と準備をしてから転職活動をしましょう。