「自分が辞めたら周りに迷惑かけてしまう」
「ここで辞めたら他でも通用しないと言われてしまう」
「良いタイミングで辞めたいけど言いにく過ぎて言えない」
会社を辞めたいけれど辞めにくい理由はたくさんありますよね。
結論からいえば「辞めさせてくれない」会社にいることで損することはあって得はありません。
あなた1人が辞めたことで体勢が崩れてしまうような会社に未来はないのでコミットする意義がありません。
とはいえ会社で接しているいろいろな人に自分が抜けたことによって迷惑がかかってしまうと考えると感情的にも辞めにくいものです。
真面目で責任感が強い人ほどそう感じてしまうものです。
この記事は読んだ人が会社を辞めたくても辞められない理由が少しでも減ることを目指して「法的な面」「感情的な面」の2つの視点から書いているのでぜひ読んでみてください。
まずは法的に辞めても大丈夫なところを把握しよう
知識さえあれば辞めても大丈夫なポイントはしっかり抑えておきましょう。
「会社から辞めるにあたって脅しをかけられていて辞めれない」
悲しいことに「裁判」「損害賠償」などの言葉を使って社員を脅してくる傲慢な会社というのはあります。
しかし多くの場合は、社員が損害賠償などを背負うケースはほとんどないと言われています。
ハッタリをかましているだけのケースも多いですが、もしも法的に対峙することになった場合も考えこちらも法律周りを簡単に知っておきましょう。
具体的な法的に無問題なところを整理すると、
・退職は、辞める2週間前に上司へ通知すれば(口頭を含む)辞めることが可能
・社員が辞めるだけで損害賠償を社員が支払う必要はない
・犯罪や経歴詐称でない限り懲戒解雇処分にならない
・就業規則の違約金などは違法行為なので支払う必要はない
個人が会社を辞めることに関する請求や罰則は一企業ごときが正式に定めることはできません。
もしも上記に関わることで思いとどまっているのであれば法律に基づいて考え直してみてください。
会社の誓約書で○年間働く旨が書かれていて辞められない
こうした会社が独自で制定した労働ルールも基本的には無効です。
民法や労働基準法 > 会社独自の契約内容 であることが基本であるため、会社のオラオラルールの契約書がこれら法律よりも上になることはありません。
「誓約書にサインしてるんだから早期の辞職にはお金を払ってもらう」
などと言われていても殆どのケースにおいては無効となる場合が多いようです。
不安であれば弁護士ドッコトムや法テラスなど無料〜低コストで専門家から意見をもらうと良いでしょう。
責任感のある人ほど辞めにくい
「法的な問題とは関係なくここで辞めたら迷惑がかかる」
と仕事を真面目にこなせる人ほど悩んでしまいがちです。
しかし、あえて悲しい現実を話してしまうとあなた1人がいなくなったところでまともな会社はいくらでも代替えできる人を入れることができます。
会社とは利益を生み出す”仕組み”を強化していくものです。
1人の人間がいなくなっただけで維持できなくなるのであればそれは会社として成り立っていません。
「お前がいなくなったら崩壊してしまう」
ともし言われてしまったとしたらむしろその会社は会社として成り立っていないと言えます。
社員として頼られていること自体は誇らしいものかもしれませんが会社としては将来性が怪しいのでどのみち辞職は真剣に考えておいた方が良いかと思います。
むしろ依存されることは会社にとってもあなたにとってもマイナスな循環を生みます。
会社はいくらでもある
東京商工リサーチの全国企業倒産数の調査によると年間で8000件以上もの企業が倒産しています。
何十年と会社を経営していても倒産するときはすぐに倒産してしまいます。
会社に愛着を覚えている人もいるかもしれませんが何十年の老舗の会社であっても倒産すれば今までの努力も何もなくなってしまいます。
その時に大切なのは自分の中に残ったスキルや経験と事業を通じてお客さんに与えた価値ではないでしょうか。
倒産した後にも残るような仕事でないと思うのであれば会社の経営などを気にせず自分が納得できそうな道を早期に選べた方が良いと私は思います。
さらに日本の法人は約410万社あると言われています。
仮に410万分の1を切り捨てたところで他にいくらでも色んな会社はあります。
上司のマウントは無視する
「ここで通用しない奴は他でも通用しない」
特に若手は言われがちかもしれません。
おそらく会社に1人はこのようなセリフを吐く人がいることでしょう。
しかし日本には410万社がありますがその上司はそのうちの幾つを経験したのでしょうか。
おそらく大抵は1つか2つの会社でしか働いたことのない人の狭い経験則は何も言っていないに等しい無価値な発言なので無視しましょう。
410万分の1社での行動が残りの409万9999社にも当てはまることは考えにくく、上司は自分の視野の狭さを晒しているだけです。
上司が自分の能力や人格を否定してきたらそれを反面教師として他の会社では成果を出して見返せるようにしよう!
脅してくる会社は大体辞めても問題ない
「この業界で働けなくしてやる」
「損害賠償を支払わせる」
「裁判所へ訴えてやる」
たった1人の社員が辞めることにここまで躍起になる企業はコンプライアンスの意識が低く、まともではない可能性が高いです。
SNSで簡単に拡散される時代に企業のブランディングを傷つけるための焚き火をしているようなものです。
また殆どの場合は脅し文句であり企業側が有利になるケースの方が稀です。
また、合理的に考えて1人の社員のために勝てる見込みの少ない裁判で訴える費用を捻出するはずがありません。
例え無名の会社であったとしても将来的に成長した際にモラルハザードとしてスキャンダルをくらう可能性もあり「脅す」ために支払うコストやリスクは不合理です。
このような脅しを使わなければ人をコントロールできない上層部がいる時点で組織としては未熟なので変な経験をもらう前に辞めた方が良いでしょう。
お前のためを思っての9割以上は「俺のため」
理不尽な説教をかます人に限って「お前のため」にいってあげていると傲慢な態度をとる印象があります。
しかし本当に「お前のため」を思っていたのであれば、「会社を辞めたい」と感じる前に対策や待遇の見直しなどを通してくれるはずです。
「お前のため」を思っている人は怒りの態度で感情をぶちまけるのではなく懇切丁寧に、再現性のある解決法を提示してくれるはずです。
こうした上司は「社員に辞められた自分の評価」を気にして脅しや説教をしていたり、説教そのものに人は大きな快楽を覚えることもあるため猿のように説教を目的化している場合も考えられます。
ちなみに”Think CIVILITY”の書籍に記載された20年の研究によると社内に怒鳴り散らすような無礼な人がいるだけで社内の生産性を38%低下させると言われています。
(参考動画:【10分で変わる】Think CIVILITY 礼儀正しさや誠実さは武器になる。無礼は生産性を38%下げる)
まとめ
・「辞めたいけど辞められない」は法的には殆どの場合は正しくない。
・責任感で「辞められない」のは自意識過剰。”仕組み”で回っていない会社にいることはリスクでしかなく損をする
・上司のマウントは全部無視。410万分の1社の経験則は当てにならない。
真面目な社員は残念ながら「利用」されやすいです。
そして真面目な人ほど「辞めたくても辞められない」と感じているかと思います。
しかし人は自分がされてきたことに影響を受けます。
これから数年から数十年先に会社があなたにしてきた嫌なことを他人にもやらせたいとは思いませんよね。
もしそうであれば未来の自分に真面目になった方が良いのかなと思います。
時代はすでに変わっており「辞めれないような状況」に追いやる人事体制を続ける会社は遅かれ早かれなくなっていくと思いますよ。