就職や転職で注目したいのが離職率です。
離職率が低い会社は人材が定着していることを意味しますが、それだけ居心地がよく待遇に満足していると考えられます。
反対に離職率が高い会社は人材が定着しにくいことを意味するので、入社しても長続きしない可能性があります。
長く働くなら離職率が低い会社を選ぶのがポイントです。
この記事では、離職率が低い会社の特徴や見分け方などを紹介します。
チャンスがあれば働きたい!離職率が低い会社は社員が働きやすい傾向
離職率が低いことは、社員が「その会社を辞める必要性がない」と感じています。
つまり、離職率が低い会社は「○○があるからこの会社で働こう!」という何らかの理由があるわけです。
離職率が低い会社は社員が働きやすい傾向にありますが、その理由として挙げられるのが以下の4つになります。
[福利厚生がしっかりしている]福利厚生は待遇におけるプラスαの部分で、他の会社にはない福利厚生があるだけで「この会社は働きやすい」と思うものです。
雇用保険や健康保険など法定福利厚生だけでなく、住宅手当・家賃補助・家族手当などの生活補助、さらには宿泊・育児・介護支援・スポーツなど独自の福利厚生を用意している会社もあります。
[残業が少なく生産性や時間あたりの付加価値が高い仕事をする]残業の多い少ないは、その会社で働くモチベーションにつながります。
残業が多く生産性が低い仕事はモチベーションが下がって離職につながりやすいですが、残業が少なく生産性が高い仕事は、充実感を得やすく離職につながりにくいです。
[教育や指導の質が高い(マネジメントに強い)]離職率の低い会社は、教育や指導の質が高く上司に恵まれることも多いです。
特に入社してから3年以内の離職は、会社の教育や指導の質に影響されやすく、質が低いと仕事を覚えることができずに離職につながります。
[優秀な人材も辞めない]離職率が高い会社は、優秀な社員だと働きながら将来性がないと感じるもので、早めに見切って次の会社を探します。
会社に将来性を感じるなら、辞める必要がないので優秀な社員の流出がなく離職率も低くなります。
離職率が低い会社は社員ファースト!職場でも良好な人間関係が築きやすい
離職率が低い会社にいると心に余裕ができて自分についてしっかり考える時間を設けられる
「離職率が低い会社=働きやすい会社」ですが、働きやすい会社で仕事をしていると心に余裕が生まれます。
私は大手証券会社に勤めていたことがありますが、その会社は残業こそ多かったものの、福利厚生・教育・給料の満足度が高く、同業種の他の会社に比べると離職率は低かったです。
働きやすい環境だったので、「給料が低い」、「人間関係が面倒」、「仕事が覚えられない」などの余計な考えごとがなく、心に余裕を持ちながら働くことができました。
心に余裕が生まれると、
・今の仕事でもっと成果を出すためには何が必要か考える時間ができる
・新しい取り組みにチャレンジできる余裕がある
・自分の将来をゆっくり考える時間ができる
など、仕事だけでなく自分を客観的に見て将来を考える余裕も出てきます。
仕事で成果が出しやすくなり、それが給料や待遇に反映されて、「もっと頑張ろう!」というプラスの循環が生まれます。
離職率が低い企業は収益性が高い事業をしている
収益性とは、「企業がいかに効率よく利益をあげているか」のことです。
離職率が低い企業は福利厚生や給料の条件がよく、会社がこれを実現するためには収益性が高くなければなりません。
特に以下のような特徴を持つ会社は収益性が高い傾向にあります。
[BtoB]企業間取引のことで、企業が企業に向けて商品やサービスを提供する取引を指します。
ターゲットと取引先が固定されていることが多く、安定した収入が入っていることに加えて広告宣伝費などがかからないことから収益性が高い傾向にあります。
[あまり目立たないが競合の少ない市場でNo1になっている]競合の少ない市場で勝負している「ブルーオーシャン戦略」の会社は、ライバルが少なく収益性が高い傾向にあります。
特に特許や販売権などを持っている会社は強く、市場でNo1になっていると未来も明るいです。
[緩やかに成長している]成長段階にある会社は、従業員数や売り上げの伸び率などが上がっています。
また急激に従業員数や売り上げが上がっている会社より、長期戦略をしっかり立てて緩やかな変化と共に成長している会社の方が将来性もあって離職率は低い傾向にあります。
[自己資本率と利益率が高い]自己資本率や利益率が高い会社は収益性が高い会社と言えます。
たとえば、10億円の収入を得るために5億円の費用がかかった会社と、10億円の収入を得るために1億円の費用がかかった会社では、後者の方が利益率は大きく収益性も高くなります。
さらに「総資産÷総資本×100」で計算される自己資本率が70%を超えているような企業は、経営が安定して収益率や給料、福利厚生などの条件がよく離職率も低い傾向にあります。
離職率が低い会社は役職が空きにくいので注意
離職率が低い会社は働きやすいメリットがありますが、その一方で昇進しにくいデメリットもあります。
たとえば、離職率が0%の会社に勤めていたとします。
部長を目指すなら、今の部長が退社・降格・昇進などをしてポストが空かなければなりません。
離職率が高い会社なら役職者が離職したり、他の役職者の離職で役職移動があったりするのでポストに空きが出やすくなります。
役職を目指すことだけを考えるなら、離職率が低い会社よりも離職率が高い会社の方が実現しやすいです。
ただし、離職率が低い会社は収益性が高く事業拡大しているところも多く、組織が拡大することによって役職のポストが新たに生まれることもあります。
離職率が低い会社のデメリットは少ない!役職の空きにくさは給与・昇給でカバーできる
離職率の低い会社の見分け方
離職率が低い会社で働くためには、離職率が高い会社と低い会社の違いを知りましょう。
離職率が低い会社は以下の7つのポイントで見分けられます。
ポイント①[「優良企業 ○○」などで検索すると紹介されている]
離職率が低い会社は、ネットで「優良企業 ○○」と検索すると紹介されています。
反対にブラック企業だと、「ブラック企業 ○○」のように検索表示が出てきます。
また厚生労働省が平成27年6月より受付を開始した「安全衛生優良企業公表制度」に認定されている企業も優良企業です。
ネットで調べると企業の評判はだいたい分かるので、気になる企業がある場合はネットでまずは調べてみましょう。
ポイント②[あまり求人を出していない]
離職率の見極め方として求人情報があります。
離職率が高い会社は、人材が定着しにくいので常に求人情報が出ています。
離職率が低い会社は、人材が定着しやすいので求人情報は少ないです。
定期的に求人情報をチェックしているなら、これまで見たことがない企業の求人が新たに出てきたら狙い目です。
ポイント③[従業員数が少しずつ増えていっている]
離職率が低い会社は、事業拡大に伴い従業員数が少しずつ増えている場合があります。
従業員数は会社のホームページに掲載されているところもありますが、過去の従業員数についてはインターネットアーカイブから知ることもできます。
インターネットアーカイブは過去のネット情報が知れるサービスで、会社の更新前のホームページを見ることができます。
過去の企業のホームページの従業員数の推移を見ることで、従業員がどんな風に増減してきたのか分かります。
ポイント④[社員の年齢層に偏りがない]
離職率が低い会社は、社員の勤務歴が長くなる傾向にあるので年齢層に偏りがありません。
反対に離職率が高い会社は、離職する社員の年齢と新しく入ってくる社員の年齢に違いがあることから、離職率が高くなればなるほど社員の年齢層に偏りが出やすい特徴があります。
社員の年齢層は入社しないと分からない部分もありますが、応募・面接前の「職場見学」を利用して、事前にどんな従業員が働いているのか実際に見て確かめる方法もあります。
ポイント⑤[給与は業界の平均以上]
どれだけ条件がよくても給料が低いと、仕事のモチベーションはなかなか上がりません。
そのため離職率が低い会社は、業界の給与平均よりも高めの場合が多いです。
業界の平均給与は、2019年4月~2020年3月の間にマイナビ転職に掲載された求人の「モデル年収例」を集計してランキング化したデータやdodaの業種別の平均年収/生涯賃金などのデータが参考になります。
年齢や役職によって給与は異なってくるので、あくまで参考の1つにしましょう。
ポイント⑥[頑張ってエゴサーチしても悪い口コミがあまり出てこない]
離職率が高いブラック企業の社員が離職する際、不満やイライラを抱えたまま離職することが多く、インターネットに悪い口コミを書き込むことも多くあります。
離職率が低い企業は、社員が離職したとしても結婚・ステップアップ転職などの円満退社であることが多く、離職者がインターネットに会社の悪口を書き込むことはほとんどありません。
そのため、頑張ってエゴサーチしたとしても離職率が低い会社は悪い口コミがあまり出てこない特徴があります。
気になる会社がある場合は、「○○社 評判」、「○○社 ブラック」、「○○社 口コミ」などのワードで調べてみましょう。
ポイント⑦[社員が産休制度や有給休暇を取れている]
産休制度や有休休暇などの福利厚生が充実している会社は離職率が低い特徴があります。
福利厚生がしっかりしていれば、ライフイベントが発生したときに安心して一時休職ができます。
産休制度や有給休暇の有無などは求人情報や求人票から把握ができるので、転職したい企業がある場合は事前に確認しておきましょう。
離職率の低い会社へ転職するための方法
離職率が低い会社へ転職するためには、離職率が低い求人を見つけるところから始める必要があります。
求人サイトやハローワークなどに掲載されている求人の中から厳選して応募する方法もありますが、離職率が低い会社の求人募集は人気があるのですぐに締め切りになります。
そこでおすすめするのが転職エージェントの利用です。
転職エージェントは転職支援を受けられるサービスで、転職のプロが自分の知識やスキル、経験などを客観的に分析し、自分の能力にマッチした求人を探してもらうサポートなども受けられます。
転職エージェントの強みは非公開求人を多く取り扱っていることです。
一般の求人サイトでは見つけることができない離職率が低い会社の求人情報を紹介してもらえることもあります。
転職エージェントや求人情報によっては離職率のデータを持っていることもあるので、離職率が低い会社を厳選して求人情報を紹介してもらうこともできます。
転職エージェントは履歴書、職務経歴書の添削や、面接サポートなども受けられるので、初めての転職に失敗したくない人にもおすすめです。
また転職エージェントは登録している企業がマージンを払って運営が成り立っているサービスなので、すべてのサービスを無料で使うことができます。
転職エージェントは働きながら離職率が低い会社の求人を見つけるのにも役立つ!
まとめ
離職率が低い会社に勤めることができれば、心に余裕を持って働くことができるので、仕事とプライベートがともに充実しやすいです。
反対に離職率が高い会社に勤めてしまうと、人間関係のトラブルや待遇が物足りないなど、何らかの不満を抱えての仕事になります。
転職して条件がいい会社で働くためにも、離職率が低い会社選びをおすすめします。
離職率が低い会社に転職するためにも、転職エージェントを上手に活用して転職サポートを受けて自分の希望する条件の求人を探してもらいましょう。
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