新卒で会社を辞めたいとお悩みではないでしょうか。
せっかく入社できた会社をすぐに辞めてしまうことは、今後のキャリアにも影響が出てくるのでは?と不安を持つかもしれません。
結論から言うと、新卒で会社を辞めることは問題ありません。
しかし、同じことを繰り返さないためにも辞めたい原因に向き合うことや慎重な転職準備などが必要です。
この記事では、新卒で辞めたい人向けに考えておくべきことや転職を繰り返さないための心構えを紹介します。
新卒で会社を辞めた人のよくある理由
ここでは、新卒で会社を辞めた人のよくある理由をまとめています。
主に以下の4つです。
・業務内容とのミスマッチ
・待遇の不満
・キャリアアップやスキルアップに繋がりづらい
・上司との人間関係
それぞれ詳しく見ていきましょう。
業務内容とのミスマッチ
新卒の辞めたい理由でも特に多いのが業務内容とのミスマッチです。
簡単に説明すると、「仕事の内容が思っていたのと違う!やってみて仕事の内容が自分に合ってなかった!」などです。
ミスマッチの原因は分析不足によるものが大半ですが、社会経験がない新卒は実際に働いて見ないと分からない仕事の大変さやしんどさなども初めての仕事で体験することになります。
どんな仕事でもラクではなく、想像以上に疲れることやしんどいこともあります。
しかし、初めて社会に出て働く新卒だと仕事への負のイメージより仕事への希望や夢に満ち溢れているものです。
このギャップも業務内容とのミスマッチを引き起こす原因になります。
ただ、仕事を続けていくと楽しいと思えるタイミングが出てきます。
私も証券会社の営業で新卒として入りましたが、最初の3年間はイメージしていた仕事と違って辞めたいと思うことも多かったです。
しかし、3年くらい経ってくると他の社員とのコミュニケーションも深まったことや仕事に慣れたこともあって楽しいと感じるようになりました。
業務内容とのミスマッチだけで辞めるのはもったいないです。
最低でも3年以上は働いてみて、本当に自分に合ってない仕事かどうかを判断することをおすすめします。
業務内容は勤続年数や立場で変わることもある!長い目でみよう
待遇の不満
新卒が仕事を辞めたい理由の1つに待遇の不満があります。
待遇の不満の中でも特に多いのが以下の3つです。
・給料が低い
・残業が多い
・休日が少ない
多くの企業では入社する前に待遇の説明があります。
そこで説明されている内容と実際の待遇が異なるケースは少なくありません。
そもそも入社することになったのは、待遇も含めた募集要項に魅力を感じたという方も多いはずです。
待遇について納得できないことがあれば上司に相談してみることもおすすめします。
待遇が良くなり理由を聞けば自分なりに納得できるかもしれません。
あまりにも待遇が異なっているなら労働基準監督署に相談してアドバイスをもらうのもよいでしょう。
キャリアやスキルアップに繋がりづらい
新卒が辞めたい理由の1つに、仕事内容がキャリアやスキルアップに繋がりにくいことがあります。
キャリアとは経歴や役職のこと、スキルアップは業務に対する能力や知識を深めることです。
現在は終身雇用制度が崩壊していることもあり、1つの企業で長く働く時代は終わりを迎えています。
これからの時代に必要なのは個々のスキルや経験であり、これらは仕事を通して習得できる能力や地位です。
将来のことを考えている人なら、今の仕事がスキルやキャリアに繋がらないことは将来の大きな不安になるでしょう。
長い目で見るとスキルアップやキャリアにつながる仕事をする方が絶対に良いです。
ただし、新卒にスキルアップやキャリアにつながる仕事を任せてくれる会社は少ないです。
最初は仕事を覚えることに専念し、会社によっては仕事内容が雑用ばかりになることもあります。
今の仕事に将来性をまったく感じないのであれば転職も選択肢です。
しかし、新卒だから大きな仕事を任せてもらえずにスキルアップやキャリアに繋がらないという理由だけで転職するのはもったいないです。
今できることを的確にこなし、スキルアップやキャリアにつながる仕事を任せてもらうようになることも今後のことを考えると大切なことだと言えます。
上司との人間関係
仕事を辞める原因に上司との人間関係があります。
上司が嫌と言っても、パワハラやモラハラなどで精神的苦痛を受けているようなひどいケースもあれば、上司への単なる不満だけの場合もあります。
上司との人間関係で転職を検討した方がいいケースとそうでないケースの事例をいくつか紹介します。
<転職を考えた方がいいケース>
・暴言を吐かれている
・暴力を振るわれている
・嫌がらせをされている
・無視されている
・セクハラされている
<転職を考えるのは待った方がいいケース>
・上司の小言がうっとうしい
・上司に叱責される
・上司が話しを聞いてくれない
・上司が頼りない
セクハラやパワハラを受けている場合、転職活動を始める前に相談することをおすすめします。
相談先として、
・会社の相談窓口
・法テラス
などがあります。
いずれも無料で相談できるのでアドバイスをもらいましょう。
また上司に対する不満で辞めたい場合、自分から上司に歩みよることや上司の立場になって考えるなど自分自身を変えることも大事です。
それでも納得できないのであれば転職を視野に入れましょう。
転職した後も同じことを繰り返さないのか考えよう
新卒の転職で注意して欲しいのは転職グセです。
転職する理由がどの会社でも起こりうるような内容であれば、転職先でも同じようなことを繰り返します。
たとえば、上司との関係が上手くいかないという理由で転職した場合、転職先で上司との関係が上手くいかなくなったときに同じ理由で辞めてしまうというものです。
同じことを繰り返さないためにも、新卒の転職のデメリットやリスクも知っておきましょう。
新入社員は立場がもっとも弱く転職した先でもまた0から新入社員を始める必要がある
新入社員はその会社において立場がもっとも弱くなります。
せっかく積み上げてきた人間関係や地位もリセットされ、転職先では0から新入社員を始めなければなりません。
新卒なら年齢的にも一番下ですが、転職を繰り返していくと自分より若い社員が上司になるケースも増えてきます。
年上の上司から指示されるよりも年下の上司から指示される方が精神的にはきついです。
新入社員から抜け出すためには同じ会社で長く働かなければなりません。
新入社員から抜け出すと環境が変わるということ!後輩ができてから辞めても遅くはない
上司や会社の視点で考えた上で工夫できることはできたのか
転職を考えていると、自分のことで頭がいっぱいになっている人が多いです。
「会社を辞めたくなったのは上司のせい、会社のせい」と何かのせいにしたい気持ちも分かります。
しかし、社員・上司・会社ではそれぞれの立場が異なります。
上司は部下をまとめる責任があり、会社は利益を出して従業員の生活を守る必要があります。
上司や会社などそれぞれの立場になって物事を考えることも大事です。
「上司や会社は責任を負っての行動や言動なので仕方がない」と思えることができれば気持ちは楽になります。
新卒は信頼されていないのでやりたい業務を任せてもらえない場合がある
新卒は基本的に信頼されていません。
学校の成績が良くて周囲からの信頼が厚く評価が高かった人も同じです。
そのため、新卒が最初からやりたい業務を任せてもらえることはほとんどありません。
「やりたい仕事ができない」と不満をもらす新卒もいますが、まずは会社の雰囲気に慣れて基本的な業務を覚えることの方が大事です。
最初から自分の思い通りにはなりません。
やりたい業務を任せてもらうためには、目の前の仕事をコツコツこなして上司や会社に信頼してもらえる人材になる必要があります。
待遇は経験年数がある一定に達した段階で交渉したり転職したりと幅が増える
給料や仕事の時間などの待遇に不満を持って辞める新卒もいますが、待遇はある程度の経験年数に達してようやく会社に交渉や転職ができるようになります。
そのためにも今の業務を着実にこなし、会社や上司から信頼される人材にならなければなりません。
会社に貢献してないのに自分の希望ばかりを訴えている社員に対して良い印象はありません。
会社を辞めたい理由が待遇だけなら、もう少し働いてみることをおすすめします。
1年程度で身に付く社会人マナーは通用しない
社会人マナーとは、さまざまな人と円滑に仕事を進めていくために必要となる礼儀です。
ビジネスマナーとも言われていますが、社会人マナーが身についてようやく一人前と言われるようになります。
社会人マナーは1年程度で身につきません。
最低でも社会人としての経験を3年は積む必要があります。
転職を検討しているのであれば、転職に役立つ社会人マナーを身につけておきましょう。
後輩ができるまで新卒は上司に目をつけられやすい
新卒は上司に目をつけられやすいため、上司との人間関係の悩みで会社を辞めたくなる人も多いです。
自分が新卒の間は上司との関係に悩むことが多くても、後輩が入ってきたらターゲットが変わって上司への不満が解消されるケースもあります。
すぐに辞めてしまうのではなく、後輩が入ってくるまで待つのもありです。
ちなみに、上司は新卒に嫌がらせをしようとしているのではありません。
早く一人前になって戦力になって欲しいという気持ちから、小さなことでも気になることがあれば注意やアドバイスをします。
もちろん上司の中には部下の気持ちを考えられないダメ上司もいますが、親身になってくれる上司もいるはずです。
最初から上司に苦手意識を持ちすぎてしまうのもよくありません。
とはいえ人生において見切りを素早くつけることも大切
人生において重要なのは決断力や見切りです。
今の仕事を続けた方がいい理由があるなら続けて様子を見る、今の仕事を続けない方がいいと思うなら転職して環境を変えるなど決断をあいまいにしないことが重要になります。
これから紹介する3つの中でどれか当てはまることがあれば、今の仕事に見切りをつけて転職を視野に入れることをおすすめします。
### 過剰な残業や人を使い捨てるようなやり方をしている会社にいる必要はない
会社を辞めたいのが、過剰な残業や人を道具のように使っている理由なら会社にしがみつく
必要はありません。
残業は仕方ない部分もありますが、労働法に違反する働き方を強いられているところやサービス残業が横行している会社はブラックです。
また人を人として見ていないような会社は将来性がありません。
人を大切にする会社はたくさんあります。
思い切って転職をして環境を変えるのもよいでしょう。
待遇が悪すぎて生活もままならないなら収入を高めるために転職した方が良い
待遇が悪すぎて生活もままならないなら収入を増やすために転職することをおすすめします。
新卒の転職は第二新卒が狙えるため、新卒とほぼ同じ給料が期待できます、
ちなみに厚生労働省の「令和元年賃金構造基本統計調査」によると新卒の初任給は以下のような水準になっています。
・大学院修士課程:23万8000円
・大学卒:21万200円
・専門学校、短大卒:18万3000円
・高校卒:16万7400円
これよりも低い給料で働いているなら転職で収入が高くなる可能性があります。
心身ともに健康であり続けることを最優先にしよう
若いうちは少々無理をしても疲れてもすぐに回復します。
しかし、年を取ってくると肉体的にも身体的にも疲れてしまうと簡単には元に戻りません。
上司も若手と同じハードな仕事をしているような企業だと、自分が年を取ったときも同じハードワークを強いられます。
人生100年時代と言われる現代において、仕事よりもお金よりも大切なのは健康です。
今の仕事を続けることが心身に大きな悪影響を及ぼすなら転職をして環境を変えることをおすすめします。
健康なら何でも挑戦ができる!体のことを考えたライフワークの形成を!
企業にとって新卒は育成コストのかかるお荷物という認識であることが多い
新卒は研修や教育に多くの時間や費用がかかります。
そのため、新卒に対して育成コストのかかるお荷物という認識を持っている企業も少なくありません。
上司が厳しいのは、少しでも早く仕事や社会人マナーを覚えて育成コストを回収したいのも理由の1つです。
上司は自分の役割に対して責任を持って仕事をしているとも言えます。
引け目を感じる必要は全くないけれど上司や会社の視点も知っておこう
新卒がお荷物だと思われていることに対して引け目を感じる必要はまったくありません。
会社も未来につながる新しい人材を育てる義務があります。
どんな新卒であっても育成コストは必要になります。
ただし、上司や会社の視点を知ることは大切です。
上司に不満を抱えていても、それが会社のためや自分のためだと思えたら心はラクになります。
私も新卒で証券会社に入社したときは上司が苦手で苦労しました。
それでも目の前の仕事を全力でこなしているうちに、少しずつ上司に信頼されるようになって会話も増えてコミュニケーションが取れるようになりました。
今となってみれば、入社したばかりで右も左も分からない自分に社会の厳しさを教えてくれていたんだと思えます。
会社を辞めた今でもその上司とは良好な関係が続いています。
表面上の言動や行動だけを見るのではなく、「そのような言動や行動を取る理由」も考えるように心がけましょう。
転職するならいきなり辞めず必ず誰かに相談してみてからにしよう
転職したい気持ちに変化がないなら、本格的に転職活動を進めていきましょう。
まずは家族や知人、友人などに転職の相談をしてみることをおすすめします。
さまざまな意見を聞くことで、客観的な転職のリスクやメリットが知れます。
その上で転職したい気持ちが変わらないなら、次は転職支援サービスの転職エージェントに相談しましょう。
転職エージェントは自分のスキルや経歴に合った求人を探してくれます。
また転職の条件を事前に指定しておけば、その条件に見合った求人が公開されたときにいち早く紹介してくれます。
すべて無料で利用できるサービスなのでコストもかかりません。
また履歴書や職務経歴書、面接サポートなども受けられます。
転職に迷いがあるなら気軽に相談しましょう。
まとめ
新卒で会社を辞めることはマズくありません。
今の会社で働き続けられない明確な理由があるなら転職しましょう。
20代は転職市場において売り手市場なので働き口はたくさんあります。
ただ、転職を繰り返さないためにも、本当に転職するだけの理由があるかを深く考えることも大事です、
まずは上司・会社・関係機関に相談するなど今できる対策も考えましょう。
それでも気持ちが変わらないのであれば、転職エージェントなどの転職支援サービスを活用して転職に向けた準備を進めましょう。