「この会社に将来性はない気がする!」
そう感じると、今の会社で働き続けることに不安を覚えるようになります。
将来性がない会社だと出世や昇給が望めないばかりか、会社の倒産やリストラに遭う可能性も出てきます。場合によっては、早めに準備をして将来性がある会社に転職をする方がいいケースもあります。
今回の記事では、将来性がない会社の特徴や倒産する前にしておきたいこと、転職するならどんな仕事がいい?など、会社の将来性に不安を感じている方が知っておきたいことをまとめています。
会社を改めて評価して将来性を考える
会社の将来性がないと感じている方は、何かきっかけがあって将来性のなさを感じているのだと思います。
本当に将来性がないのか?自分の勘違いではないのか?など、客観的に会社の将来があるかどうかを見極めることも大切です。
ここでは、将来性がないと感じた場合に見るべき会社の評価ポイントを紹介します。
人員削減が激しくないか
将来性のない会社は業績が悪く、社員に給料を支払う余裕がないところがほとんどです。このような会社は、給料の支払いを減らすために給料をどんどん下げていきます。
社員に給料を払う余裕がなくなると、大規模なリストラを行って人員削減を行うようになります。最初はバイトや派遣社員などの非正規雇用者のリストラが中心ですが、余裕がまったくない会社だと正社員のリストラも行います。
あからさまな人員削減は社員に不安を与えることから、少しずつ人員削減をしていく会社も多いです。
「急に辞める人が増えた気がする。」と感じる場合は、すでに会社の経営状況が危険水準に達している状態かもしれません。
人材が定着せず離職率は高くないのか
経営不振が続く会社は、業績を回復させるためにコンサルを中に入れたり、人材教育をしたり、さまざまな努力を行います。
業績回復に向けて努力をするだけマシな会社と言えますが、経営不振が続く会社の多くは社員の能力の低さを経営不振の原因にして責任を転嫁しがちです。
その結果、社員に求める能力が高くなって上司からの圧力も大きくなります。
経営不振の焦りから会社に余裕がなくなってしまうと、社内がギスギスした雰囲気になって働きにくさを感じたり、もっといい条件の会社に転職する人が増えたりして、人材が定着せずに離職率も高くなります。
経営不振と離職率の高さには深い関係がありますが、給料の支払いができなくなることによる離職だけでなく、経営不振によって従業員に対する圧力が強まり、働きにくい環境になることも離職を促す原因です。
斜陽産業でかつ変革する可能性はあるのか
斜陽産業とは需要が減少している産業のことで、産業の発展段階で見ると成熟期を過ぎた産業になります。
技術革新によって登場した産業、海外から輸入される商品などによって、それまでの需要が減って経営不振に陥る会社も少なくありません。
例を挙げると、IT技術の普及によって手元のスマホで書籍や雑誌が見られるようになったことから出版業界や印刷業界、ネット広告が簡単に出せるようになったことから広告業界などが斜陽産業として挙げられます。
しかし、斜陽産業と呼ばれる会社の中には独自性を出して業績を上げている会社もたくさんあります。
斜陽産業でも会社が危機感を持って、時代に合わせたサービスやコンテンツのサービスを提供できるように変革している会社なら、一時的に売り上げは落ちても将来性はあると言えます。
一方で、斜陽産業で売り上げが落ちているにも関わらず、新しい取り組みを行わず時代に取り残されている会社は将来性がありません。
今は斜陽産業でなくても、将来は斜陽産業になる可能性がある業種はたくさんあります。将来性がある会社は変化を嫌わない会社とも言えるでしょう。
部下や若手の意見を取り入れる会社は将来性のある会社と言える!
自社の財務諸表を読んでみよう
財務諸表とは企業の決算書で、以下の3つから成り立っています。
・損益計画書
・賃借対照表
・キャッシュフロー計算書
財務諸表を見ることで、会社の経営や財務状況が健全で安定しているかどうかが分かるため、倒産する可能性の有無や事業が発展する可能性の有無なども知れます。
財務諸表の中でわかりやすいのは、売り上げや税引き後の利益の有無などが分かる損益計算書です。損益計画書をチェックする場合は、売り上げや税引き後が利益になっているかどうかだけでなく、「売上高」、「売上総利益」、「営業利益」の過去の推移も確認しましょう。
売上総利益については、売り上げから仕入れ原価を差し引いた利益であるため、これがマイナスになっていると採算性が低下していることになります。
営業利益については利益から経費や管理費を差し引いたもので、これらを算出することで会社の業績の推移が見えてきます。
損益計画書を読んでみて、過去から現在にかけて純利益が減っていて、なおかつ利益を増やすための行動や努力を行っていない会社は将来性がないと言えるでしょう。
他に手堅い事業や不動産などの安定キャッシュフローや資産をもっているのか
経営不振の会社でも、他に手堅い事業を行っている場合や不動産などの安定キャッシュフロー、資産を持っていれば直ちに倒産する可能性は低いです。
ただし、別の事業の業績が良くても働いている会社の業績が悪いと、昇給や昇進などは望めません。経営不振に陥っている会社で働く以上は、倒産リスクが低くても満足できる就業条件で働くことは難しいでしょう。
手堅い事業を行っていることや手元に資金があることが会社の評価にすべてつながるわけではなく、会社の経営がどんどん悪化して手元の資金が減り、事業縮小するようなら転職を検討した方がいい場合もあります。
求人票でどのような謳い文句で会社をアピールしているのか
【表の情報から、裏に潜む本質を見抜けって話。】 2/3 pic.twitter.com/7GEUcFCcCs
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会社の将来性は、求人票に書かれている内容から判断できる場合もあります。
たとえば、求人票に書かれているアピールポイントの以下の2つの文言について、どちらの方が将来性のある会社に感じるでしょうか?
- 「従業員1人1人が働きやすい環境を作るための努力を怠りません。自社製品にも自信と誇りを持ち、多くのお客さまから支持を得ています。困難や壁があれば、やればできるの精神で成長してきました。やりがいを持って働ける会社です。」
- 「日本No1の売り上げを誇る○○を有し、多くのお客様に愛される企業として地域貢献にも力を入れています。社員がアイデアを出し合い、自発的に業務改善を行って2年連続で売り上げが○○%以上アップしています。現在は海外も視野に入れて準備中です。」
- はそれらしい言葉を並べていますが、具体性は一切ありません。経営不振に陥っている会社はアピールポイントが少ないので内容が抽象的になりがちです。
- は自社の強みとなる商品名、売り上げ、海外展開を目指しているなど、アピールする部分が具体的に書かれています。
この場合、②の方が具体性もあって将来性のある会社と言えます。自社の求人票から、会社のアピールポイントが具体的に書かれているかどうか確認してみましょう。
求人表の内容に具体性があれば将来性のある会社、具体性がなければ将来性がない会社と判断材料の1つになります。
将来性のある会社は求人票からも自信が伝わってくる!
会社の将来性とは別に個人の市場価値を高めていける仕事なのか
会社の将来性を考える際に、もう1つ考えておきたいのが市場価値です。
市場価値とは、その人のスキルや能力に対し転職市場においてどんな評価がされるかどうかを示すものになります。市場価値は絶対的な基準があるわけではなく、業界や業種によっても異なります。
企業が求める経験やスキルを持っていると、市場価値が高いと判断されて転職しやすくなります。
もし会社の将来性に不安を感じても直ちに倒産する心配がない場合に、仕事を通して自分の市場価値を高められるなら、すぐに離職を考える必要はありません。
市場価値を高めていくことで、有利な転職がしやすくなるためです。
たとえば、私の場合は証券会社に勤めているときに、海外の市場リサーチをするために国外の金融機関に行く機会が多くありました。
その中で、海外の方とのコミュニケーション能力や言語力を高めて人脈作りになり、これらの経験が自分の市場価値を高めることにつながりました。そして転職するときのアピールポイントにもなります。
「今の仕事を続けて自分の経験や能力にプラスになることはあるのか?」を突き詰めていくと、市場価値を高められる仕事かどうか見えてくるはずです。
同じ時間を使って働くなら市場価値がある仕事をしよう!
倒産しそうな会社の特徴
倒産しそうな会社には、これまでになかった現象がいろいろみられるようになります。
倒産しそうな会社の特徴について解説していきます。
経費の急激な削減
販売不振が影響して、利益を確保できない状態になっています。経費は節税対策になるので業績のいい会社は経費の削減をあまりしませんが、売り上げが確保できなくなると利益を残すために経費の削減に力を入れます。
社内旅行、忘年会、新年会などの廃止
社内旅行や忘年会、新年会など会社費用負担のイベントは、業績が悪化した場合に優先的にカットされやすい特徴があります。直ちに倒産にはならない場合がほとんどですが、黄色信号が灯っている状態と判断ができます。
給料の支払いが遅れる、ボーナスカット
給料の支払いが遅れる場合やボーナスがカットされる場合は、倒産が間近に迫っている状態と言えます。給料の支払い遅延やボーナスカットは従業員のモチベーションを下げることにもなり、さらに業績が悪化して悪循環に陥りやすいのも特徴です。
経理担当者が辞める
経理担当者は会社の経営状態を知っているので、倒産が近づくと早めに離職して他の仕事を探します。経理担当者がどんどん辞めるような会社は倒産が迫っている会社と言えます。
大口取引先の取引がなくなる
会社が倒産する理由として多いのが、大口取引先がなくなることです。会社の利益の大半が1つの取引先に依存しているような会社だと、急速に経営状況が悪化して倒産する場合もあります。
倒産する前に行動した方が良い理由
会社が倒産してから後のことを考えるのではなく、会社の将来性に不安を感じて倒産の危機を感じているタイミングで行動を起こすことが大事です。
ここでは倒産する前に行動した方が良い理由について解説していきます。
給与の未払いが生じるともらえない可能性が高い
会社が倒産してしまうと未払いの給料がもらえない場合があります。
倒産する前から給料の未払いが発生しているような会社もありますが、「次の給料日に合算して払う」と言われていたとしても、倒産してしまったら回収できない可能性が高いです。
法律によって会社の都合で給料未払いになることは違反行為とされていますが、倒産した会社に給料を払う余裕がないのも当然と言えば当然です。
働いた分の給料がもらえないというトラブルに巻き込まれる可能性があるので、給料の支払いができるうちに転職活動を進めることをおすすめします。
退職金などももらえない可能性が高い
会社が倒産しても、民法によって退職金の一定額は保護される制度があります。
退職手当の請求権と呼ばれるもので、会社が倒産して退職する3か月前の給料に相当する額が請求できる制度です。
あくまで一定額の保護になるので、本来もらえる予定だった退職金に比べて大幅に減ってしまうという方も多いでしょう。また経営者が夜逃げや行方不明になってしまうと、退職金がまったくもらえないケースもあります。
退職金がもらえる企業に勤めているのであれば、確実に退職金をもらうためにも倒産する前に離職することをおすすめします。
急すぎて準備できないので望んでいない転職になる可能性がある
倒産してから転職活動を始める方もいますが、倒産して離職状態になると給料が1円も入ってこなくなります。
そうなると、「転職先を吟味して選びたいけど、生活費が足りなくなってしまうので早く仕事を見つけたい!」と焦る気持ちが大きくなってしまい、転職先を妥協して選んでしまいがちです。
とりあえず転職をして当面の生活費を稼ぎながら、理想の転職をするための活動をする!という考えを持つ方もいるかもしれませんが、転職回数が多くなればなるほど不利な転職になりやすいため、倒産する前から転職活動を進めて妥協しない転職をするのが望ましいです。
転職エージェントのサービスを利用すれば、在職中でも自分の理想にぴったりと合う会社をプロのコンサルタントが見つけてくれるので、仕事に追われることなく時間をかけて転職活動ができます。
転職先は同業種の方が転職しやすい
転職で成功するためには、これまでの経験や知識を最大限に評価してもらう会社を見つけるのがコツです。
経験や知識がもっとも活かせるのは、過去に働いていた会社と同じ業種で同じ職種になります。
人材を1から育てたいという会社もありますが、それ以上に基本的な知識や経験がある人は即戦力として見てもらえるのが強みです。
また、過去に働いていた会社と同じ業種で違う職種についても転職がしやすいです。たとえば、証券会社の営業で働いていた人が違う証券会社の窓口業務に転職するようなケースになります。
会社にとっては業種に対する知識があることにメリットがあり、自分にとっても違う職種で働いて新しい知識やスキルを増やせるメリットもあります。
今の業種がイヤになっていないのであれば、同じ業種で転職を検討してみてはいかがでしょうか。
まとめ
会社の将来性がないので辞めたい!と思ったら、早めの転職活動をおすすめします。
働いている会社が倒産してしまうと給料や退職金が支払われず、転職活動をしようと思っても生活費がどんどん減っていく焦りから、転職に十分な準備ができずに失敗してしまいます。
転職エージェントを利用すれば、在職中でもサポートしてもらいながら転職活動を進めていけます。転職に失敗しないためにも、転職エージェントの利用をおすすめします。