「就職したけど求人票と違う」
「条件がよかったから転職したのに求人票と違う」
など、求人票と実態が異なることに不満や悩みを抱え、辞めたいと思っている方は少なくありません。
求人票と実際の労働条件が異なることは多くあります。
それが原因で働くことにストレスを感じるなら、今の仕事を辞めるのも選択肢の1つです。
この記事では、求人票と違うという理由で辞めるのはあり?についてまとめています。
求人票と内容が違う!こんな理由で辞めても良いのか
求人票と内容が違うことは珍しくありませんが、あまりにも事実が異なっているときはハローワークに相談して辞めるのも方法の1つです。
ハローワークの求人票と実際が異なる旨の申し出や相談は、ハローワーク求人ホットラインで行うことができます。
申し出をすると勤めている企業に対し、ハローワークが是正指導を行います。
まずは求人票と内容がどんな風に異なるのか整理しましょう。
ここでは、求人票と内容が異なるケースを紹介します。
残業代が反映されていない場合
残業代をきちんと支払っている企業の求人票には、基本給○○円+固定残業代(みなし残業代)〇円と記載されています。
残業代に触れている時点で残業があることを意味しますが、事前に金額が記載されていることで大まかな残業の目安を知ることができます。
一方、残業代を求人票に反映してない企業もあります。
反映してないからと言って残業がないわけではなく、むしろ多くの残業を強いられることもあります。
給料が記載よりも安かったりボーナス3ヶ月分のはずがボーナスが出ない場合
実際に働いてみると、求人票に記載されていた給料やボーナスよりも安い場合があります。
このようなケースは珍しくなく、面接のときに企業から伝えられるケースもあれば、最初に給料をもらったときに気付くこともあります。
給料の金額が求人票に比べて安い場合、まずは採用担当者や上司に伝えてみましょう。
給料やボーナスが求人票と違うことを伝えるだけでは、会社に悪い印象を与えることはありません。
会社から説明される内容に納得できないのであれば、ハローワークに相談して状況が変わらないなら辞めることも視野に入れましょう。
週5出勤のはずが土日出勤も多い場合
求人票に週5出勤と記載されているにも関わらず、実際には土日出勤があるケースもあります。
この場合、求人票をもう一度確認してみましょう。
・週休2日制
・週5出勤程度
と記載されている場合は完全週5出勤とは限りません。
完全に週休2日の場合は、「完全週休2日制」と記載されています。
求人を出す企業は、条件を少しでも有利に見せて求人を募りたいのが本音です。
そのため、あいまいな表現をすることもあります。
正社員のはずが契約社員だった場合
正社員を募集しているにも関わらず、「実際に働いてみると契約社員だった」というケースも少なくありません。
契約社員として最初に採用するのは、その社員がしっかり働けるかどうかを見極めることが目的です。
正社員として採用してしまうと解雇が難しいため、問題のない社員かどうかを判断するまで契約社員として採用します。
ほとんどの企業で試用期間があり、その期間中は正社員として雇用されることは少ないです。
入社して3カ月から半年くらいの間は、契約社員として働くこと自体は仕方のないことだと言えるでしょう。
ただし、それ以上働いても正社員の話しがないのであれば会社やハローワークに相談しましょう。
正社員になれない理由を確認し、今後も正社員になれる見込みがないなら転職の検討をおすすめします。
求人票と内容が明らかに違う場合に
求人票に記載されている内容は「労働の見込み」であるため、内容が違っていても違法とは言えません。
労働契約は採用前の面接で企業から提示され、その内容に合意することで成立します。
求人票の内容と実際の条件が異なっていたとしても、面接時に説明を受けて合意して契約をしたのであれば雇用関係に問題はありません。
ただし、求職者を集めるために最初から変更することを目的に好条件を提示し、採用したら手のひらを返したように不利な条件で交渉してくる企業は求人詐欺にあたります。
面接時に嘘の労働条件を伝えられていた場合、会社に説明を求めるからスタートします。
それで労働条件が見直されるなら問題ないですが、誠意ある対応をしてもらえないときはハローワーク求人ホットライン、労働基準監督署、弁護士に相談して対応してもらうなどの対策があります。
まずは無料で気軽に相談できるハローワークや監督基準監督署に相談することをおすすめします。
零細企業ほど経営が不安定で約束を守りたくても守れない
小さな規模で経営している零細企業ほど経営が不安定になりやすい特徴があります。
そのため、求人を出していた頃は求人票通りの雇用ができる状況ではあったものの、採用してから経営が悪化して求人票通りの雇用が維持できなくなるケースも少なくありません。
求人票の約束を守りたくても守れない状況になるわけです。
このような事情もあり、零細企業や中小企業は求人票と労働条件が異なることは多々あります。
明らかな求人詐欺の疑いがあるなら別ですが、求人票と労働条件に多少の違いがあることは仕方ないとも言えます。
なぜ虚偽内容を会社は記載してしまうのか
求人票に虚偽内容を記載することは違法です。
しかしながら、実際には求人票と労働条件が異なることは多くあります。
なぜ虚偽内容を会社は記載するのか?について解説します。
違法になることを自覚しているため求人票の上では違法でない内容に
近年、有効求人倍率は1を上回る水準で維持しています。
1人あたりに対して求人が1件以上あることを意味し、求職者にとって就職・転職はしやすい状況と言えます。
一方、企業側は採用したくても人材が見つかりにくい状況です。
その中で他の求人よりも悪い労働条件を提示してしまうと、ますます誰も求人に応募しなくなります。
人材を確保するために、違法になることを自覚しながら求人票に虚偽の内容を記載してしまいます。
特に人材に余裕がない零細企業や中小企業はこのようなパターンが多いです。
### 訴えることは心理的なハードルが高く言いくるめることができると考えている
違法だと分かっていても求人票に虚偽内容を記載するのは、虚偽内容を記載しても罰則を受けることが少なく訴えられるケースも少ないためです。
求人票を巡って裁判を起こした事例もありますが、裁判を起こすためには費用や時間に加えて精神的な負担もかなり大きくなります。
企業はよほどのことがない限り、訴えられることはないと考えています。
求人票に正しい条件を記載して求職者が減るより、求人票をごまかしてでもすぐに人材を確保するメリットの方が大きくなります。
そのため、企業は虚偽内容を求人票に記載してしまうのです。
求人票より長時間労働になりやすい業種とは
長時間労働になりやすい業種は残業が多いことを意味します。
DODAの調査によると残業が多い業種は以下のようになっています。
ランキング | 残業時間 | 業種 |
1位 | 49.1時間 | メディア/広告 |
2位 | 40.9時間 | メディア/新聞 |
3位 | 36.5時間 | IT/EC・ポータル・ASP |
4位 | 36.3時間 | 小売り・外食/コンビニ |
5位 | 35.8時間 | サービス/建物管理・安全作業 |
6位 | 35.3時間 | IT/コンサルティングファーム・シンクタンク |
7位 | 34.7時間 | メディア/印刷関連 |
8位 | 33.2時間 | 建設・不動産/ディベロッパー |
9位 | 33.0時間 | メーカー/通信・ネットワーク機器メーカー |
10位 | 32.6時間 | 小売り・外食/外食・レストラン |
メディア、IT、外食、不動産関係の業種を中心に長時間労働になりやすいことが分かります。
企業の規模に見合わず未経験を大量募集している会社はブラックの可能性
会社の規模や業種や職種に関係なく、未経験を大量募集している会社は要注意です。
ブラック企業は人材をとにかく集めたいので、ハードルを下げて多くの求人を募ります。
未経験であれば求人情報を探しているほとんどの人が該当するので、条件を指定するよりも効率的に人材集めができます。
もちろん未経験募集しているからと言ってブラックとは限りませんが、経験やスキルを要する仕事に比べると労働条件は悪いケースが多いです。
また「求人情報に多額の給料やボーナスが提示されている」、「残業なしや週休2日」など良い労働条件が提示されている場合も実際の労働環境と異なる可能性が高いので気を付けてください。
心に余裕のある状態で辞めよう
転職で失敗しやすいのは心やお金に余裕がない人です。
求人票と実際の労働条件が違うという理由で会社を辞めるなら、気持ちやお金に余裕がある状態で離職や転職に向けて準備を進めましょう。
焦って転職しようとすると不利な内容でも受け入れてしまう
気持ちやお金に余裕がなくなってくると、「生活費のために今すぐ稼ぐ必要がある」と焦ってきます。
そして求人を探す余裕がなくなり、「未経験歓迎」、「初心者歓迎」など入り口が広いブラック求人に飛びついてしまいます。
ブラック企業は求人票と実際の労働条件が大きく異なるため、転職しても長続きせずにすぐ辞めてしまう状態に陥ります。
このような状態にならないためには、仕事をしながら転職活動するのがおすすめです。
次の仕事が見つかってから離職準備を進めるのでも遅くはありません。
求人票と違うからと言って焦って辞めないようにしましょう。
転職に焦りは禁物!妥協しないように時間をかけて準備しよう
面談先への自前リサーチはもちろん求人内容と違いがないのか確認しよう
求人票と実際の労働環境が異なるトラブルを避けるためには以下の2つに注意してください。
- 面談先に自前リサーチを行う
- 面談時に求人内容と違いがないかを確認
特に重要となるのが面談時の確認です。
面談時に会社が求人票と実際の労働環境に違いがあることを虚偽して説明した場合、企業が不利になるので後からハローワークや労働基準監督署、弁護士に相談したときに自分が有利になります。
また面談時で求人票と違う説明があったなら、このタイミングで辞退することもできます。
自分で調べるのが大変な人は転職エージェントを活用しよう
求人票と実際の労働環境が異なっているかを調べる方法や、求人票通りに働ける求人情報を探すためには転職支援サービスの転職エージェントがおすすめです。
転職エージェントには数多くの求人情報があります。
求人情報を取り扱ってもらうためには、ハローワークのように無料ではなく手数料を支払う必要があります。
また信頼性が高くブラック企業ではないことを条件です。
そのため、転職エージェント経由で転職した場合、求人票と実際の労働環境が大きく異なるケースはほとんどありません。
また気になる求人があった場合に、その会社が信頼できるかどうかも調べてくれます。
さらに求職者は転職エージェントのサービスがすべて無料です。
コストをかけずに転職活動のサポートが受けられます。
在職中でも利用可能なので、求人票と違うので辞めたい場合は事前に相談することをおすすめします。
転職エージェントを賢く活用しよう!書類添削や面接サポートも無料
まとめ
求人票と違うという理由で辞めるのは問題ありません。
しかし、訴えて企業に違法性を認めさせるのは簡単ではないので、面接時に求人票通りに働けるか確認することも必要です。
もし求人票と違う理由で辞めたいなら、気持ちやお金に余裕を持たせるためにも仕事をしながら転職先を探しましょう。
そのためにも無料で転職サポートをしてくれる転職エージェントの活用をおすすめします。
1人で悩んで決めるのではなく、プロに相談して今後のことを決める方が失敗するリスクは減らせます。