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もしも自社が社員を個人事業主化したらどうするべきか

もしも自社が社員の個人事業主化したらどうするべきか
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たかーし
二児の父親。家族との時間を作るために、一念発起して某証券会社を退職。現在は個人事業者として自由に働けるスタイルを確立し、以前より家族との時間も収入も増えました。 簡単な道のりではなかったですが、あのとき仕事を辞めてよかったと心の底から思える今があります。転職経験がある個人事業者の立場から転職のアドバイスを発信していきます。

近年、社員の一部を個人事業主化する企業が増えています。

また求人募集においても、個人事業主として採用することを前提にしている企業もあります。

正社員雇用ではなく、個人事業主となった場合に会社や従業員にどんなメリット・デメリットがあるのでしょうか。

この記事では、自社が社員を個人事業主化したらどうすべきか紹介します。

電通やタニタは一定年齢を超えた一部の社員を個人事業主として再契約している

体脂肪計で国内シェアトップを誇る健康機器メーカー「タニタ」は2017年に新しい働き制度を導入しました。

その働き方というのが、「タニタ本体の社員のうち、希望した社員に退職してもらった上で業務委託契約を結び個人事業主として独立してもらう」という内容です。

基本業務以外の仕事を追加業務として受注することができて、成果に応じて報酬を受け取れるというものです。

それ以外の仕事を受注するのも自由ですが、確定申告については税理士法人の支援を用意しています。

そして電通も2020年に新しい働き方を表明して話題になりました。

その働き方というのが、「40歳以上で希望した社員に退職してもらい、個人事業主として契約し直して仕事を続けてもらう」という内容です。

タニタと似ていますが、電通の仕事を受注しながら他の仕事をすることもできます。

社員の個人事業主化を行うにあたり、企業側は景気が悪くなったときに契約解除ができることや雇用保険に加入させる必要がないこと、働く側は高単価で受注できることや他の仕事ができるなどのメリットがあります。

他の企業も続く可能性がある

社員の個人事業主化は終身雇用制が当たり前だった一昔前にはありえないことでした。

しかし、働き方の多様化が進んでいることや少子高齢化などの影響もあって、近年は成果主義に重心を置く企業が増えています。

個人事業主化を望んでいる企業は多く、タニタや電通などが道を作ったことで続く企業が増えることも想定されます。

経団連は「人材流動化が必要」とコメント

サントリーHDの新浪社長が「45歳定年制」に言及して炎上しました。

45歳を定年にするという制度ですが、45歳と言えばビジネスパーソンの人生を考える上で節目になる年齢です。

新しいことを始めるには最後のチャンスに差し掛かり、老後のことを考える年齢にもなります。

45歳定年制も根本的には社員の個人事業主化と同じです。

終身雇用制にあぐらをかいている能力が低い中年以上の社員を淘汰し、会社に貢献してくれる人材を集めて効率的に利益を得ていくことを目的とします。

45歳定年制に対し、経団連も「労働市場の流動化が高まることは結構なことだ」と述べています。

多くの社員が一つの会社で勤め、均質性に重点が置かれていた時代は過ぎ、これからはイノベーションを産める多様性ある組織に変われることが良いとしています。

たかーし

働き方の多様化は新しいアイデアを創造!個人事業主化は現代にマッチした制度

会社がグローバル化していく流れがある

グローバル化とは、国境を超えて資本や労働力を広げていくことです。

近年は仮想通貨などでおなじみの金融システム「ブロックチェーン」が現れたことによって技術的な面でもグローバル化が急速に進んでいます。

日本のグローバル化は主要国の中で比較すると遅れています。

海外の現地法人を運営できる人材は不足しており、海外進出できるだけの資金があっても運営するのが難しい現状があります。

さまざまな企業がグローバル化に躍起になっている中、グローバルに対応できる人材を確保するためには自社の人材も切り捨てる必要があります。

そこで個人事業主化や早期定年制の話題が出てくるわけです。

人員整理をしたくても解雇できないため、社員に正社員とは違う働き方を提案しています。

自動化の普及で必要な人材が減っていく

AIが搭載された製品が世の中に増えています。

「AIが普及すると仕事がなくなる」、「多くの人がAIに仕事を奪われるようになる」など、自動化は働く人にとって大きなマイナスになると言われています。

AIを取り入れて仕事を自動化した場合、その部署で働いている人材は少なくて済みます。

しかしながら正社員として雇用している以上、簡単に解雇することはできません。

このような流れを受け、個人事業主化や早期定年制などを取り入れて正社員を減らすようにシフトする企業が出てくると想定されます。

AIが完全普及して仕事が自動化するのは先ですが、早いうちから未来のことを考えて手を打つ企業もあります。

もしも自社で自分が個人事業主化したらどうするべきか

私も大手証券会社で働いたのち、独立して個人事業主になった経緯があります。

正社員と個人事業主では仕事のスタイルが大きく変わります。

個人事業主になったことで給料が増えたことや自由な時間が増えたメリットがありますが、会社に守ってもらうことはできず、すべて自己責任というプレッシャーを抱えています。

どちらがいいかは人によって違いますが、自社で個人事業主化の話しが出たときに「個人事業主になる」という気持ちがあるなら、その先のことまで考えておくことも大事です。

ここでは、自分が個人事業主化したらどうすべきか紹介します。

他企業に対しても営業する

自分が望んで個人事業主になるのと、会社の個人事業主化で個人事業主になるのでは、できることが大きく変わります。

自分が望んで個人事業主になった場合、勤めていた会社と深い関わりがある他企業に対して営業をかけることはモラルの面でよくなく、営業先の企業からも良いイメージを持たれません。

しかし、会社の個人事業主化で個人事業主になった場合、会社がバックアップしてくれる場合が多く、他企業に対しても営業しやすいメリットがあります。

個人事業主になっても、最初のうちは正社員として働いていた会社が仕事を委託してくれます。

しかし、ずっと仕事を委託してくれる保障はないため、1つの会社だけにこだわるのではなく、他の会社にも営業をして人脈を増やしておくことや仕事を回してくれる企業を見つけておく必要もあります。

会社の人脈を中心に社外の人たちを紹介してもらう

個人事業主で成功している人の多くは人脈を上手に活用しています。

どれだけ優秀なスキルがあっても、それをアピールする機会がなければ活用できません。

人脈を広げることによって、さまざまな人から情報を得られることやチャンスが広がるメリットもあります。

会社の個人事業主化で個人事業主になったなら、会社ともつながりがあります。

会社もバックアップしてくれる場合が多く、会社の人脈を使って社外の人たちを紹介してもらうこともしやすいです。

40代以降はいつでも個人事業主としてやっていけるようスキルを身につける

私が個人事業主になって必要だと感じたスキルは以下の3つです。

・コミュニケーション能力

・ITやパソコンスキル

・会計スキル

それぞれのスキルが必要だと実感した理由やスキルを身につける方法を紹介します。

コミュニケーション能力

コミュニケーション能力は営業で必要なスキルです。

個人事業主になると仕事を自分で作っていく必要があります。

個人事業主化の流れで個人事業主になったのであれば、会社から仕事を回してもらうこともできます。

しかし、個人事業主である以上は仕事がいつまでもらえるか分かりません。

会社から仕事を回してもらえなくなったときのことも考えて、コミュニケーション能力を磨いて営業力を高めておく必要があります。

私がコミュニケーション能力を高めるために実践したのは、異業種交流会への参加です。

異業種交流会にはさまざまな職種や立場の人が集まります。

初めて参加したときは自分から話しかけることができず、話しかけてもらってばかりでした。

このままではダメだと思い、2回目以降の参加から積極的に声をかけるようになったことで人脈が広がり人と話すことが得意になりました。

まずは、人が集まる場に参加することをおすすめします。

ITやパソコンスキル

個人事業主に欠かせないのがITやパソコンスキルです。

現代の主な集客方法はインターネットであり、webサイトやブログ、メルマガ、SNSなどさまざまな手段があります。

お金を払ってITやパソコン環境を整えてもらう方法もありますが、すべて他人や業者任せにしてしまうとトラブルがあったときに早急な対応ができません。

個人事業主になる以上、最低限のITやパソコンスキルを身につけておく必要があります。

私がITやパソコンスキルを高めるために行ったのは、国家資格である「ITパスポート」や「基本情報技術者試験」の取得です。

私もITやパソコンスキルはまったくありませんでしたが、最低限の知識やスキルを身につけたいと思い資格取得を目指すことにしました。

資格取得の勉強をする中で、ITやパソコンの知識やスキルはかなり向上しました。

資格取得の勉強で得た知識やスキルを活かし、ホームページ作成やメルマガ作成などもはじめ、今ではすべてのPC業務を一人でこなせるほどスキルが向上しています。

会計スキル

会計スキルは、トラブルが遭ったときの対応やお金の流れを知っておくという意味でも、個人事業主が習得しておきたいスキルです。

私の場合は確定申告を自分で行うことで会計スキルを身につけました。

確定申告は大変なので専門家に任せるという人もいるでしょう。

個人事業主化で個人事業主になった人なら、会社から確定申告のサポートが受けられる場合もあります。

しかし、この方法だと会計スキルは上がりません。

自分で確定申告を行うことで、お金や税金について分からないことが出てきます。

税務署職員に相談したりネットで調べたりすることで解決し、そのたびに会計の知識が身についていきます。

今は税理士さんに依頼して確定申告をしてもらっていますが、会計スキルを身につけておいたおかげで税理士とのやりとりもスムーズにできることや日々の業務で節税への意識が高まったなどのメリットがあります。

たかーし

個人事業主は自分ですべての責任を負う!幅広い知識やスキルがある方が臨機応変に対応できる

40代以降も活躍できるスキルが身につくかどうか怪しい人は転職エージェントなどに事前に相談し今後の計画を立てておく

40代以降も活躍できるスキルが身につくか不安を感じる方は、転職エージェントを利用して事前に相談しておくとよいでしょう。

転職エージェントは無料で利用できる転職支援サービスです。

転職に関する悩み相談だけでなく、客観的に市場価値を分析してもらい、市場価値にマッチングした求人や条件がいい非公開求人などを紹介してもらうこともできます。

転職活動を行う際には、履歴書や職務経歴書の添削やアドバイスをはじめ、面接練習などを受けることもできます。

転職エージェントに相談をしたからと言って、必ずしも転職が必要というわけではありません。

今後の計画を立てるために相談してアドバイスを受けるだけでもOKです。

まとめ

今はタニタや電通のように社員の個人事業主化の話しが出ても不思議ではない時代です。

個人事業主は働き方がある程度自由なことや頑張り次第で高収入が目指せるため、成果主義の現代にマッチした働き方と言えます。

しかし、スキルがなければ個人事業主になっても成功できる可能性は低いです。

個人事業主になった場合にどんなスキルが活かせるのか、また正社員と比較してどんなメリットやデメリットがあるのか調べておく必要もあります。

転職エージェントに相談することで今後についてのアドバイスをもらうこともできるので、まずは相談することをおすすめします。