自動車メーカーのホンダが55歳以上の正社員を対象に募っていた早期退職に2000人以上の応募がありました。
2000人という数字は国内の正社員の約5%にあたります。
パナソニックの大量の早期退職者の募集で世間を騒がせたのも記憶に新しいですが、次々と大手メーカーが早期退職者を募っています。
このような状況は定年退職制度の崩壊の1つとも言えるでしょう。。
この記事では、ホンダの早期退職2000人募集からみる定年退職制度の崩壊について考えていきましょう。
55歳以上の2000人に早期退職を募集したホンダ
ホンダが2021年度からスタートした早期退職者を優遇する制度において2000人を超える社員が応募しました。
募集人数を指定したわけではなかったのですが、2000人は国内の正社員の約5%とかなり多くの人数が早期退職を希望しました。
ホンダは2040年に世界で販売するすべての新車を電気自動車と燃料電池車にする計画があり、技術の革新が急務となっています。
高齢社員が退職することによって現場が若返り、新しい専門知識や技術を持つ社員の活躍の機会が増えることが期待されます。
ちなみにホンダは早期退職制度を2011年に廃止していましたが、2021年に再び導入することを明らかにしていました。
退職金は最大3年分の年収が上乗せされる
ホンダの早期退職希望者が2000人を超えた理由の1つに退職条件があります。
応募者には退職金に加え、最大3年分の賃金を上乗せして再就職先を探す活動を支援するというものです。
55歳以上の正社員だとベテランが多く、年収は1000万円を超えている人も多くいます。
最大3年分の年収が上乗せされるということは、年収1000万円なら3000万円以上の年収が得られる計算になります。
退職者によっては退職金と同じくらいの金額が別でもらえます。
十分な退職金がもらえることから、このまま働き続けるよりも条件がいいうちに退職を希望する人が多かったことから2000人を超える早期退職者が出ることになりました。
最大3年分の年収を上乗せできるのは資金力がある大手だから!ここまで待遇がいい早期退職の条件はそうそうない
パナソニックに続く大量の早期退職者の募集
2000人を超えるような早期退職希望者は、パナソニックに続く多さとなっています。
パナソニックの早期退職プログラムは、早期退職者に対して退職金に4000万円を上乗せするというものです。
社内的には特別キャリアデザインプログラムと呼ばれていますが、社員の転職をバックアップする内容になっています。
パナソニックの場合は年齢制限を明確にしていないものの、50代以上の社員の退職者に対してより多くの退職金を支払う制度になっているため、ホンダと同じく50代以上を対象としているのは明白です。
この世代と言えばバブル世代であり、能力と給料が見合っていない社員が多くいます。
このような社員を淘汰して会社を一新させたいというのが、ホンダやパナソニックの本音です。
特にパナソニックでは「社員は家族」という理由から、社員を絶対に解雇しなかった歴史があります。
それでも競争の激化や不景気、グローバル化など、さまざまな要因によって過去の経営手法が通用しなくなり、解雇せざるを得ない状況になっているのが現状です。
企業の低年齢化が進むのか?他の大手企業でも続くと予想
早期退職制度などの人員削減は、リストラとして過去に多くの企業で行われてきました。
リストラの原因は会社の景気や事業の方向転換などさまざまです。
パナソニックやホンダのように業績の悪化だけでなく、時代に応じた会社体制を整えるという意味合いで中年以上の社員を淘汰する大企業はほとんどありませんでした。
日本は終身雇用制度に守られており、リストラするのは会社の経営がよほど行き詰ったときのみという場合が多かったからです。
しかし、日本の経済発展を支えてきた終身雇用制度は近い将来に崩壊すると言われています。
その理由として挙げられるのが、グローバル化やITの進展、Withコロナ時代の到達などによって社会の変革が求められるからです。
ホンダやパナソニックのような早期退職制度は、これからも多くの大企業で行われることが想定されます。
韓国では50代で暗に退職が推奨されている
日本は終身雇用制度が崩壊しつつあると言われても、年齢が高くて勤務年数が多いほど給料や待遇はいいです。
一方、お隣の韓国では年功序列や年齢に基づいた給与体系が一般的となっています。
十分な貯蓄ができる前に50代になると社会から押し出される形で退職が促されます。
ちなみに韓国の大手企業であるサムスンでは45歳が定年となっています。
スキルがあれば好条件で転職できる可能性もありますが、多くの人が理想の仕事が見つからず待遇や収入も悪くなるのが一般的です。
年齢と共に給料や待遇が良くなる現在のままでは、韓国のように50代を過ぎると退職が促されるのが当たり前になるかもしれません。
日本の早期退職制度は、50代で暗に退職が推奨されている韓国と同じ道をたどる可能性を示しているとも言えます。
50代以上はスキルがないと生き残れない社会になる!早いうちから転職に通用するスキルの習得が必要
退職金がたくさんもらえる場合は次のキャリアへの良い機会になる可能性も
ホンダやパナソニックの早期退職条件を見ても分かるように、大企業の早期退職の条件は金銭的・転職サポート的にかなり好条件です。
退職金をたくさんもらえるだけでなく、転職サポートをしてもらうことができるので、倒産や解雇されて仕事を探すことに比べるとメリットはかなりあると言えます。
また退職後も退職金で生活費をカバーすることができるので、新しい資格を取得して次のキャリアを目指すこともできます。
時間に余裕があれば、それだけ転職活動にかけられる時間も増えます。
転職支援サービスの転職エージェントを活用すれば、在職中から次の仕事を探すサポートや履歴書・職務経歴書の書き方、面接サポートなどを受けることができます。
退職金をもらって転職活動を始めるなら、転職エージェントの力を借りながら進めることをおすすめします。
退職金が期待できない早期退職されそうな会社にいるなら転職の検討も
ホンダやパナソニックの早期退職の条件はかなり良いです。
早期退職したとしても何千万という退職金が入ってくるので、次の仕事をゆっくり探すこともできますし、貯蓄が十分にあれば年金が支給されるまで働かずに生活することもできます。
多くの企業はここまでの余裕はなく、中には退職金がほとんど期待できないような企業もあります。
ホンダやパナソニックのような流れが続くことを考えると、早期退職制度は多くの人にとって他人事ではありません。
早期退職制度の話しが出てから退職の準備を進めると時間や心に余裕がなくなります。
早期退職されそうな会社にいて、なおかつ退職金が期待できないなら早めに転職することをおすすめします。
早期退職制度の話しが出てから退職の準備を進めると時間や心に余裕がなくなります。
##年配になると転職経験のあるなしが次の転職先でも馴染めるかどうかの一つの指標となる
早期退職やリストラの対象になって転職が必要になった場合、転職先で馴染めるかどうかは転職の経験で大きく変わってきます。
長年1つの企業で勤めてきた場合、これまでの会社での生活が体に染みついています。
しかし、会社ごとにルールや雰囲気、人間関係などは大きく異なり、転職の経験がないと気持ちや人との対応まで新しい会社に順応させる必要があります。
一方、過去に転職の経験があれば、会社が変わる経験もしているので転職によって生活環境がガラッと変わっても転職未経験者に比べると馴染むまでの時間は早いです。
転職の経験がない人は転職がどんなものなのか、小さな不安や悩みがあれば相談することをおすすめします。
相談先としておすすめするのは転職エージェントですが、転職しようかどうしようか迷っている段階で相談することも可能です。
転職までの具体的なステップや希望している企業の情報などを教えてもらうこともできます。
年配でも過去の経験やスキルを活かして転職することは可能です。
転職したいという気持ちが少しでもあるなら早めに相談することをおすすめします。
転職で環境が変わると大きなストレスがかかる!転職経験がない方は退職届を出す前に必ず相談!
まとめ
ホンダの早期退職は多くの人にとって他人事ではなくなってきています。
いつ勤めている会社で早期退職の話しがでるか分からず、場合によってはリストラの対象になるかもしれません。
昔のように「勤めていれば定年退職まで安泰」という状況ではなくなりつつあります。
「今の会社で定年まで働ける自信がない、もっと条件のいいところで働きたい!」と少しでも思うなら早めの転職活動をおすすめします。
転職をするなら少しでもスキルや経験を活かして好条件で働くためにも、転職支援サービスの転職エージェントを有効活用しましょう。
無料で利用ができるので、まずは気軽に相談してみることをおすすめします。