保育士を辞めたいけど50代だと転職は難しいと思う方もいるでしょう。
50代は若手よりも人件費が多くかかること、定年が近いことから実働できる期間が短いことから転職の難易度は高めになっています。
しかし、経験が豊富な50代だからこそ重宝されている会社もあり、これまでに保育士として培ってきた経験やスキルが活かせる会社も多いです。
自分の価値をしっかり理解していれば、保育士も最適な仕事を見つけることができます。
この記事では、50代で保育士を辞めたいと思っている方向けに転職パターンを紹介しました。
保育士の転職事情
50代は転職が厳しい年齢と言われていますが、保育士に関しては他の職業に比べると転職のハードルは低めです。
厚生労働省の令和2年11月における保育士の有効求人倍率をご覧ください。
有効求人倍率とは、ハローワークに申し込まれた求人数を求職者で割った値を示したものです。
たとえば、企業からの求人が10人だった場合に、その求人に応募した人が5人だった場合の有効求人倍率は「10人÷5人=2倍」になります。
有効求人倍率が1倍未満の職種は、求人数に対しての応募数が多い状態なので職に就くハードルは高いです。
有効求人倍率が1倍を超えている職種は、求人数に対しての応募数が少ない状態なので職に就くハードルは低いです。
保育士の有効求人倍率の推移を見ると、最大で約4倍・最小でも約2倍あります。
保育士にとって完全に売り手市場が続いている状態で、転職をする側は仕事を選べる環境と言えます。
人手不足の保育施設が多く、50代でも保育士のキャリアがあれば働ける場所は多いです。
保育士業界は人が足りていない!50代でも転職しやすい業界の1つ!
50代で保育士を辞めたい人の現実的な転職パターンとは
50代で保育士を辞めたい人の転職パターンには大きく分けて以下の3つがあります。
・別の保育園に転職する
・保育資格もちのベビーシッターとして働く
・未経験でも募集している仕事に応募する
それぞれのパターンを紹介します。
別の保育園に転職する
保育士の転職パターンの王道が別の保育園への転職です。
これまでの経験やスキルをそのまま活かせるメリットがあります。
先ほど紹介したように保育士の有効求人倍率は高く、選り好みをしなければ50代の保育士でも働ける場所はたくさんあります。
保育園への転職は4月に行われることが多く、それに先立って1月くらいに求人数がピークを迎えます。
よりよい条件の求人を探すなら、有効求人倍率が高くなる1月前後がおすすめです。
ただし、1年でもっとも有効求人倍率が低くなる5月においても求人倍率は2倍程度あるので、どの時期でも求人を見つけて転職することはできます。
保育士に特化した転職エージェントを活用する
保育園の求人は多いですが、保育園によって労働環境や雰囲気などは異なります。
他の保育園に転職をするなら、数ある保育園求人の中から自分の希望する環境や雰囲気の求人探しがポイントです。
そこでおすすめするのが保育士に特化した転職エージェントの活用です。
エージェントとは「代理人」のことで、専任のアドバイザーが転職活動のサポートをしてくれます。
事前に働きたい保育園の要望や希望を伝えておくと、その条件にマッチした求人を探し出して紹介してくれます。
他にも、
・面接の日時のセッティングや給料などの交渉
・履歴書や面接の添削
・保育園の情報提供
などのサービスを受けることができます。
転職エージェントは無料のサービスなので、コストをかけることなく利用できるメリットもあります。
在職中でも利用できるので、仕事をしながら次に働く保育園を見つけ、転職先が決まったら離職の準備を進めることも可能です。
また求人情報を見つけてから「現場を実際に見たい」と思ったときに、保育園の保育方針や労働環境の状況、職員の雰囲気などを調べてもらうこともできます。
求人票から大まかな条件を知ることはできますが、働き方や人間関係などの職場の雰囲気や環境などは入ってみないと分かりません。
転職エージェントを利用して事前に情報を収集していれば、「もっと調べて転職すればよかった」という後悔を防げます。
まずは転職エージェントに相談してみよう!転職の道が開けるかも
「保育士 転職エージェント」で検索すると調べると色々なエージェントが出てきます。
もっとも大きなところだと保育士ワーカーが有名で掲載求人数も業界トップクラスです。
保育資格もちのベビーシッターとして働く
保育士の転職先として近年増えているのがベビーシッターです。
ベビーシッターになるために必要な資格や学歴はないため、保育士の資格がなくても就ける職業です。
ベビーシッターと保育士には次のような違いがあります。
ベビーシッター | 保育士 | |
働く場所 | 自宅や顧客の自宅 | 保育園 |
資格 | 不要 | 保育士 |
保育形態 | 少人数個室保育 | 集団保育 |
働く環境 | 1人体制 | 複数体制 |
体制や環境こそ違うものの、子どもの面倒を見るという点ではどちらも同じです。
ベビーシッターを利用する保護者も子どもを預けるわけですから、無資格者よりも保育士の資格を保有しているベビーシッターの方が安心して預けられます。
また保育士の資格を保有している従業員に対して手当を出している会社も多いです。
ベビーシッターは少人数体制になるので、保育園のように職員同士のトラブルや人間関係の煩わしさが少ないメリットがあります。
またベビーシッターを利用する側も若い未経験者より50代くらいの経験者の方が安心感を持って預けられます。
50代で保育士の資格を保有していて保育園を辞めたいと思うなら、ベビーシッターに転職するのも方法の1つです。
隙間時間にベビーシッターとして働けるサービスもある
「保育園を辞めたい!ベビーシッターに転職したいけど経験がないので不安」、「ベビーシッターを副業でした」という方もいるでしょう。
そんな人におすすめするのが、隙間時間にベビーシッターとして働けるサービスの利用です。
隙間時間にベビーシッターとして働けるサービスの一例にキッズラインがあります。
キッズラインは従来のベビーシッターとは違い、自分に合うベビーシッターを探してサイトから依頼できるサービスです。
キッズラインに登録すると隙間時間だけでなく、週3日以上で好きなだけ働くこともできます。
時給の相場は1000円から1300円ほどで、人気のベビーシッターになると時給2000円から2500円以上もらうことも可能です。
特に保育士の資格を保有しているベビーシッターの時給は高めに設定されています。
キッズラインのようなサービスを利用し、まずはベビーシッターで働いてみるのもおすすめです。
ちなみに公立保育園の保育士は地方自治体に雇われている地方公務員になるので、ベビーシッターを副業にすることはできません。
副業ができる保育士は私立の保育園に勤めていて、なおかつ副業を許可している保育園である必要があります。
ベビーシッターは自由性の高い働き方ができる!今後のために経験しておくのも良
未経験でも募集している仕事に応募する
50代で保育士を辞めたいと思っている方の中には、保育以外の分野で働きたいという方もいるでしょう。
年齢的にも新しい分野の仕事をする最後のチャンスに差し掛かってきます。
ただし、50代で保育士が保育以外の仕事をするとなると、これまでの知識や経験が活かしにくく、0からのスタートになる点に注意しなければなりません。
応募できる求人も未経験を募集している仕事に限られます。
未経験と言っても、
・業種未経験
・職種未経験
の二種類があります。保育士から他の業種に転職するなら、業種・職種ともに未経験の求人である必要があります。
未経験者を歓迎している会社は、誰でも働ける仕事であるため、給料や待遇の面でマイナス面もかなり多く注意してください。
未経験を歓迎している求人はハローワークや求人サイトなどにも多く掲載されています。
これらの求人媒体で探すのもいいですが、転職エージェントを利用して未経験で働ける仕事を探してもらうのもありです。
転職エージェントの方が同じ未経験歓迎の求人でも、より自分の経験やスキルにマッチした求人を探してもらえます。
50代で経験が生かせない分野の転職は厳しい!子育てに関連する職が良い
50代の保育士の転職では、これまでの経験が生かせない分野の転職は現実的に厳しいです。
そもそも50代が企業に求められることには、
・高いレベルの専門性
・マネジメント
・豊富な経験
などがあります。
保育士のキャリアの中で職員をまとめる管理職などの経験があればマネジメントは一定の評価を得られるかもしれませんが、職種の経験がないと転職に有利になるまでには至りません。
どうしても他にやりたい仕事があるなら別ですが、そうでなければ保育士のキャリアを活かせる子育て関連の職に転職することをおすすめします。
まとめ
50代で保育士を辞めたい人の転職パターンとして、違う保育園・ベビーシッター・未経験者歓迎の仕事などがあります。
これまでのキャリアを活かして働くなら、保育園やベビーシッターなど子育て関連の職に就くことをおすすめします。
自分の理想の条件にマッチする求人を見つけるためにも転職エージェントのサービスを活用しましょう。
保育士専門の転職エージェントを活用すれば、保育専門のキャリアコンサルタントが親身になってサポートしてくれます。
保育士を辞めたいと思っても、すぐに辞めてしまうのはNGです。
転職エージェントを活用し、次の仕事が見つかってから離職の準備を進めましょう。
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