管理職はキャリアアップで目指すポジションの1つです。
高収入や高待遇が望めますが、中には管理職を「辞めたい」、「向いていない」と悩む方もいます。
辞めたくなったときはどんな行動や対策がベストなのでしょうか。
この記事では、管理職に向いていないので辞めたいと考えている人にできることを紹介します。
年齢が上がるほどマネジメント能力が求められる
マネジメント能力は年齢が上がるほど職場で求められるようになります。
マネジメント能力とは、人・物や情報、環境などを管理する力のことです。
リーダーシップと混同されることもありますが、リーダーシップが人を統括する能力であるのに対してマネジメント能力は総合力となります。
特にミドル層においては自分自身がプレーヤーとして優秀な業績が出せるだけでなく、部下やチームなどをまとめ、チーム全体が業績を高められるようなマネジメント能力が重要です。
同じ職場でも年齢と共に求められることが変わるので、若い頃は気にならなかったことでも年齢と共にマネジメント能力を求められるようになり、期待に応えることができずに仕事が嫌になってしまうケースもあります。
現場が好きな人は飛び抜けたスペシャリストを目指そう
一般的には年齢と共にマネジメント能力を求められるようになります。
しかし、中には管理職にはならずにスペシャリストとして活躍する人もいます。
現場が好きな人は管理職ではなく、スペシャリストを目指すのも選択肢の1つです。
ちなみにスペシャリストと似ている言葉にゼネラリストがあります。
ゼネラリストは広範囲の技術や知識を持つ人で、現場よりもチームリーダーや管理職などに向いています。
ゼネラリストとスペシャリストの違いを以下の表にまとめています。
ゼネラリスト | スペシャリスト | |
知識やスキル | 浅く幅広い | 深く狭い |
給料 | 中~高 | 高 |
キャリア | 管理職、リーダー | 現場 |
将来にさまざまな仕事の選択肢を残したい人にはゼネラリストがおすすめです。
今の仕事一筋でやっていきたい人にはスペシャリストが向いています。
管理職で悩みがちな問題と解決方法
管理職として働いている人はどんな問題を抱えているのでしょうか。
ここでは、管理職の問題や解決方法を紹介します。
仕事量が辛いのならもっと他人に投げる
「管理職は楽に仕事をしている」というイメージを持つ人は少なくありません。
しかし、実際に管理職として働いている人の多くは業務量の多さに悩みを抱えています。
学校法人産業能率大学の調査によると「課長として悩みを感じていることはありますか?」という質問に対して「業務量が増加」という声が35.6%に上っています。
同調査において1位だった「部下がなかなか育たたない」に次いで多い悩みです。
管理職の業務量が多いのは、プレイヤーとしての働きに管理業務が加わることが理由としてあります。
特に現場でずっと働いてきた管理職は現場の辛さや働き方を知っているため、人手が足りないときや問題が発生したときは自分で解決するために動きがちです。
そうならないためには部下に仕事を上手に割り振ることが重要になります。
自分で解決しようとするのではなく、頼れるところは頼って自分にしかできない管理業務に力を入れることが重要です。
仕事を他人に投げると負担が減って仕事の効率も上がる!なんでも抱え込まないようにしよう
上司と部下の挟み撃ちで辛いなら取締役を目指す
中間管理職は、自分が管理職でありながら上司と部下がいるポジションです。
課長、係長、主任などが中間管理職に該当します。
中間管理職は上司や経営者から経営目標を押し付けられてプレッシャーを与えられるだけでなく、部下から不満が出たら対応もしなければなりません。
常に上司と部下の間に挟まれて大きなストレスを感じます。
上司と部下に挟まれることにストレスを感じるなら、さらに上のポジションを目指すのもありです。
中小企業であれば取締役を目指すこともできます。
道のりは遠いかもしれませんが、長く働いてきた会社でこれからも働きたいなら現状を良くする方法の1つと言えるでしょう。
管理職の悩みは管理職にしか分からない!無理せず相談してみよう
部下に任せきれない人は部下の小さな失敗を許容できる仕事を振って成長機会をつくる
管理職は部下の管理も大切な仕事の1つです。
「仕事に対してやる気がない」、「報連相ができていない」、「同じ失敗を繰り返す」、「常識がない」のように、使えない部下に対して悩みを抱えている管理職は少なくありません。
部下に仕事を任せることができず、自分自身がすべて背負ってストレスを感じている方もいます。
部下に任せることができない人は部下の小さな失敗を許容できる仕事を振り、部下のモチベーションを上げて成長を促しましょう。
使えない部下が使えるようになると仕事はかなり楽になります。
まずは部下に仕事を振るクセをつけましょう。
人間関係が辛いなら味方をつくろう
孤独を感じている管理職は多いです。
私も大手証券会社で管理職のポジションに就いていたことがありましたが、現場で働いているときは同僚や部下と悩みを相談し合って良好な関係が築けていました。
しかし、管理職になると経営側の考えを持って働かなければならず、以前のように同僚や部下と悩みを相談し合うことはなくなり孤独を感じる機会が増えました。
不安や悩みがあっても相談する相手がおらず、大きな悩みを抱えている管理職は多いのではないでしょうか。
人間関係の辛さで悩んでいるなら上司に相談することをおすすめします。
課長なら部長、部長なら取締役、取締役なら副社長のように、管理職でも自分より上のポジションの人はいると思います。
私は課長のポジションのときに悩んでいたので部長に思い切って相談してみました。
課長になる前は部長に苦手意識がありましたが、自分が課長になって相談してみると話しやすくアドバイスをたくさんもらいました。
苦手に感じていたのは部長が管理職だったからであり、自分が課長になってからようやく部長の気持ちに気付けました。
立場が変わると関わる人も変わります。
人間関係を変えていくことが現状を変えることにつながります。
現場を続けることも管理職も厳しい人は第3の道を模索しよう
管理職を辞めたいけど、現場を続けることが難しいという方は第3の道を模索しましょう。
私の場合は働き方に限界を感じ、個人事業主として第三の道に進みました。
他にも早期リタイアという道も選択肢の1つです。
ここでは、管理職を辞めたい人が進む第三の道を紹介します。
個人事業主・自営で独立
管理職を辞めたい理由が、「人間関係」、「管理に向いていない」などの場合は個人事業主や自営として独立するのもありです。
個人事業主や自営は基本的に1人で仕事をこなし、企業のように面倒な人間関係を作る必要はありません。
また部下を管理する必要もなく自分のペースで仕事を進められます。
一方、個人事業主や自営は人以外のすべてを自分で管理しなければなりません。
お金、時間、取引先とのやりとりなど、自分で行って失敗したときは自己責任になります。
人間関係が理由で辞めるなら独立するのも第三の道としてありですが、それ以外の理由なら独立するデメリットの方が大きいかもしれません。
私も個人事業主として働いていますが、自分のペースで誰にも指図されずに仕事できるのは大きなメリットだと感じています。
また転職した当時は収入がかなり少なかったものの、今では大手証券会社で働いていたときよりも高い収入を得ています。
その一方で、責任の重たさや人以外の管理はかなり大変です。
独立するデメリットやリスクも十分に考えた上で行動しましょう。
早期リタイアを目指さす
管理職が向いていないので辞めたいときは早期リタイアを目指すのもありです。
早期リタイアとは、定年を待たずに仕事を辞めて引退することで資産運用をして副収入を得ます。
早期リタイアのメリットは早いうちから自由な生活ができることです。
一般的に早期リタイアで必要な貯蓄額は年間支出の25倍以上と言われています。
仮に年間支出が300万円なら7500万円の貯蓄が必要です。
現実的な金額ではないと思うかもしれませんが、大手企業なら早期退職を募るときに数千万円の退職金を用意するところもあります。
これまでの貯蓄や退職金があてにできるなら、早期リタイアを目指すのも視野に入れてみましょう。
工夫した上で解決できずに潰れそうなら環境を変えることも検討しよう
管理職を続ける努力をした上で自分に向いていないと思うなら環境を変えることも検討しましょう。
環境を変える方法が転職です。
特に人間関係で悩んでいる方は、転職によって人間関係をリセットできるメリットがあります。
「転職しても管理職を続けたい」、「転職したら管理職以外のポジションがいい」など、管理職の転職と言っても目指すべきところは人によって異なります。
また自分にどんな仕事が合っているのか分からない方もいるでしょう。
そこでおすすめするのが転職エージェントの利用です。
転職エージェントは無料の転職支援サービスで、転職のプロによる市場価値の分析やカウンセリング、自分におすすめの職種や求人などを紹介してもらうことができます。
他にも履歴書や職務経歴書の添削、面接サポートなどを受けることもできます。
まずは転職エージェントに相談してみて、これまでのキャリアを元に自分に向いている仕事を判断してもらうのがよいでしょう。
体を壊す前に環境を変えよう!転職の悩みは転職エージェントに聞いてもらおう
まとめ
管理職が向いていないので辞めたいときは、辞めたい原因と向き合って自分でできる対策をしてみましょう。
それでも辞めたい気持ちが変わらないなら独立や転職を視野に入れて準備を進めましょう。
辞めたい理由が人間関係のように環境が変われば解消できる内容なら転職するのがおすすめです。
準備もなくいきなり転職するのは失敗するリスクも高いので、仕事を辞める前に転職エージェントに相談してから今後の方向性を練りましょう。
我慢して働き続けることは家族や自分の体にとってデメリットも大きいです。
後回しに考えるのではなく、行動を起こして今できることを考えていきましょう。